自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

モロヘイヤ紙!

2015-09-22 | 野草紙

モロヘイヤは葉や茎を食する野菜です。これを知人からいただきました。1mほどの茎が付いたままでした。知人宅ではかなり大きく生長しているようで,「木のように育っている。いくらでもどうぞ」という話でした。

モロヘイヤの茎が紙にできないか確かめてみようと思い,茎を折ると,木のように折れてしまいました。完全に木質化しているのです。折れた茎は,分離されず皮でつながったままでした。皮を剥いでみました。すると,根元側から先端側に向かって長い皮が採取できました。しなやかで,強そうです。何カ所かで同じことを繰り返しても,やはり同じ結果になりました。

このときわたしは,カラムシの皮から紙をつくったときのことを思い出しました。カラムシの茎からも同じように丈夫な靭皮繊維が取れます。そして,それが織物繊維として利用されてきた歴史があります。

ネットで調べると,なるほどと思われる情報が得られました。

  • 植物名はシマツナソ。漢字で「縞綱麻」。別名の1つがジュート。
  • コウマ(黄麻)ととも繊維原料として利用。2つは「ジュート」と呼ばれている。
  • 2,3mにまで生長する。茎を水に漬けて発酵させた後,繊維を採取する。

これなら当然紙が漉けます。さっそく紙づくりに取りかかりました。茎から靭皮繊維を剥いで集めました。葉が付いていても一向に構いません。


煮熟後,それをミキサーにかけて細かくしました。カラムシのときとそっくりの状況です。麻を感じさせるだけあって,強くて丈夫な繊維です。短時間で紙料が得られました。あとは漉くだけです。

いつものとおり溜め漉きで湿紙をつくりました。そうして水切り。あとは乾燥です。こうして思ったとおりの紙が完成しました。


淡い赤褐色をした紙です。麻繊維からできたことがなんだかわかるような,引っ張りに強い紙です。紙をつくり出す作業をとおして,植物の生態に迫るたのしさがまた一つ加わりました。