自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

マムシグサ紙!

2015-09-24 | 野草紙

マムシグサからつくった紙は,わたしは大好きです。色合いも強さも,表面の感触も,なにもかもすてきなのです。折り紙にもコピー紙もつくれます。一度つくる体験をした人なら,きっとわたしと同じにで好きになるのではないかと思うほどです。

わたしの住む地方では,マムシグサはスギの植林地でよく見かけます。日陰で,湿り気が多い環境を好む植物であることがわかります。林間で,わずかな光を求めて生きるシダに似ています。マムシグサは1本見つかれば,辺りを探すとほかにも見つかります。大きいものやごく小さいものまで,たくさん。これは,1本の果軸に果実がどっさりでき,それが落下して殖えていくからです。


それらを何本か,地面付近から切り取って集めました。使うのは茎だけです。葉が付いていてもよいのですが,葉の繊維は茎のそれとは比べものにならないほどわずかなので,とくに使わなくても大丈夫という意味です。

もしあなたがマムシグサ紙をつくられる場合は,マムシグサのからだから滲み出す液を手に付けないようにしてください。それに含まれているシュウ酸カルシウムの結晶が皮膚を刺激してとてもかゆくなる恐れがあります。この結晶は目には見えないほど小さなものです。サトイモやコンニャクイモの成分と同じです。わたしはそれで何度も被害に遭ってきましたから,コリゴリしています。初めての人はゴム手袋を付けて扱ってください。

煮るのは1時間で十分。

それを水洗いして,ミキサーにかけて,さらにきれいに水洗い。これで,すてきな紙料が取り出せました。茶色っぽい表皮が入っていれば,それが一味も二味もよさを引き立てます。表皮を除いて煮た繊維もまた,純粋な色合いがしてとてもきれいです。


あとは漉いて,乾かすだけ。


たいへん簡単に,超薄手の紙の仕上がり!  


そうそう,ついでながら余談話を一つ。マムシグサはコンニャクと同じ仲間なので,コンニャクの茎からもまたよく似た紙がつくれます。