自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

アゲハとアゲハヒメバチと

2017-06-14 | アゲハ(ナミアゲハ)

ミュージアムにわたしが持ち込み,飼育展示していたアゲハの話です。

蛹になった3個体の羽化をたのしみにしていたところ,寄生バチが飼育ケースにいるのを発見。アゲハヒメバチです。とにかく撮影だけはしておこうと思い,撮ったのが下写真です。

 

寄生バチだけあって,触角をしきりにピクピクと小刻みに動かし続けていました。

 

ケースの縁まで行くと,ヒメバチはさっさと飛び去りました。

そのあと蛹を見ると,大きな穴がぽっかり。ということは,この中からアゲハヒメバチが出て来たということです。さらにさかのぼると,幼虫時に体内に卵を産み付けられていたということになります。

 

幼虫は蛹になるまではなんとかいったものの,その後の経過はヒメバチの筋道に巻き込まれたのです。なにも知らない幼虫にはお気の毒な現実です。種としてのアゲハは,こうした事態を当然織り込んで産卵しているでしょう。それにしても厳しい摂理です。

そういえば,ジャコウアゲハの蛹でもよく似た穴を何度も見かけました。たぶんこのヒメバチの被害に遭ったのでしょう。