チョウの吸水行動は時折見かける光景です。それがモンシロチョウとなると,意外にめずらしいように思います。わたしが見かけた例は多くありません。意識して観察をしていれば見かけるのかもしれませんが,偶然なのでよけいに少ないのでしょう。
ネットで画像検索しても事例がいたってすくないことからみると,実際,人の目に焼き付くほど見かける機会はないのかもしれません。
つい先日,自宅近く農道を歩いていると,脇の畑でモンシロチョウが吸水しているのを見かけました。畝と畝の間の谷間に水がわずかに入り込んで,土が湿りかけているところに2頭のチョウがいて,なかよく吸水中でした。吸水している姿を画像で記録したことがないので,これは絶対に残しておこうと思い,準備。
運動靴を履いていたので,ぬかるんだ土に入ると,靴が泥に食い込みました。「これはたいへん!」と思いつつも,なんとか近寄らなくちゃと一心でそっとそっと接近。こういうときは,遠くから撮影しながら近寄り,近寄りながら撮影していきます。いつ舞い上がるかも知れず,そのときになって後悔しないよう画像を残していくのです。
「よし,よし。感づかれていないようだな」。ありがたいことにチョウは吸水に夢中のようで,写真に収めることができました。お蔭さまで貴重な画像になりました。
ほんとうはもっと近接撮影をしたかったのですが,それはできませんでした。最後の一歩の置き所がほんのすこしだけチョウに近かったら,たぶん接写が成功していたはず。口吻をアップした写真は見応えがあるでしょう。それを思うとちょっと悔しさを感じますが,それは贅沢というものでしょうか。
畑には堆肥がどっさり入れられて,畝づくりがなされています。例によって,オスが吸水にやって来ているのです。翅端部の色合いが黒っぽいので,たぶんオスだと思われます。オスと吸水行動の関連性はよく知られているので,この点でも合点できます。
ぬかるみに入って靴はドロドロ。もちろん帰って洗いました。しかしそれ以上の収穫があって,大満足。