☆今日の一枚 337☆
Grover Washington Jr.
Skylarkin'
今日もカセットテープでグローヴァー・ワシントン・ジュニアを聴いている。カセットテープはTDKのAD。アルバムは1980年作品の『スカイラーキン』だ。 ちょっと、ちょっと、このアルバム、現在は廃盤扱いらしいが、私見では≪名盤≫といっていいのではないだろうか。本当にしばらくぶりに聴いてそう思った。演奏のデリケートさという点では、大ヒット作『ワインライト』や、その後の『カム・モーニン』に一歩譲る気もするが、心にまっすぐに届いてくるような、ストレイト・アヘッドな演奏という点ではそれらを凌駕するものではなかろうか。コンテンポラリーなサウンド、躍動するリズム感、うねるようなグルーヴ感が好ましい。グローヴァー・ワシントン・ジュニアのサックスも表情豊かに、しかも情感たっぷりに鳴っている。心はウキウキ、ドキドキ、身体はノリノリである。よほどよく聴いていたのであろう。頭にこびりついているメロディーばかりだ。
このアルバムが発表された1980年という年には、大ヒット作『ワインライト』のリリースやエリック・ゲイルの『タッチ・オブ・シルク』への参加など、グローヴァー・ワシントン・ジュニアにとって飛躍の年だったといえそうだ。私は高校三年生。まだこういったお洒落な音楽は知らなかった。翌年、上京して大学生となったわけだが、田舎者が都会にでて、ちょつと背伸びをしたい心情に、ラジオから流れてくるグローヴァー・ワシントン・ジュニアのサウンドはピッタリだったのかも知れない。
晩年は純正ジャズにも取り組んだグローヴァー・ワシントン・ジュニアは、1999年12月17日、心臓発作のため亡くなった。56歳、早すぎる死だ。私も、あと数年でその年齢になる。
”僕らの時代のBGM”、グローヴァー・ワシントン・ジュニア。