WATERCOLORS ~非哲学的断章~

ジャズ・ロック・時評・追憶

マイルス・デイビスのワーキン

2006年07月22日 | 今日の一枚(M-N)

●今日の一枚 12●

MILES DAVIS        WORKIN'

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 いわずと知れたマイルス・デイヴィス・クインテットのプレスティッジ・マラソンセッションの一枚。1956年の録音だ(私の生まれる前だ)。ジャズをおぼえたての頃、熱病にかかったようによく聴いた一枚。若い頃はお金がなくて、レンタルで借りたレコードをカセットテープにおとして聴いていた。CDを買ったのは10年程前だったか。

 今、本当にしばらくぶりに聴いている。心にしみるとはこういうことをいうのだろう。やはり、こういう作品はたまに聴くべきだ。何というか、心に栄養をあたえてくれる。このブログの「今日の一枚」シリーズを書くようになってから、昔聞いた作品をもう一度聴いてみようという意志がでてきた。いい傾向だ。

 好きなのは、もちろん ① It Never Entered My Mind 。ミーハーといわれようが何といわれようが、断然この曲・この演奏が好きである。マイルスのプレイもさることながら、この曲の白眉は何といっても、Red Garland のピアノだ。イントロからバッキング、オブリガードまで、なんと繊細でリリカルな響きなんだろう。まるで、こわれやすいガラス細工を扱うように注意深く優しい手つきでピアノを弾いていく。胸がキュンとしめつけられるような瞬間が随所にでてくる。Red Garland は特に好きなピアニストではないが、この演奏は別である。こういうことがあるからジャズ聴きはやめられないのだ。

 


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