●今日の一枚 8●
BILL EVANS QUINTESSENCE
今日の二枚目である。ビル・エヴァンスである。ビル・エヴァンスはすごく好きだった。もちろん、今でも好きである。だからLP・CDもけっこうもっている。でもこれはもっていなかった。不覚だった。責任を転嫁するわけではないが、この作品は評論家のみなさんの評価がすごく低いのである。中には、駄作呼ばわりする方もいらっしゃる。というわけで、購入の優先順位が低かったのである。言い訳をするわけではないが、限られた予算の中で、LPやCDを購入するためには優先順位というものが必要なのだ。
昨年のお盆のことだ。たまたま立ち寄った宮城佐沼の俗物ジャズ喫茶「エルヴィン」でたまたまかけてあったのだ。けっこういい作品だなと思い、ジャケットを確認すると、何とビル・エヴァンスだ。知らなかった。いい作品ではないか。バックはエヴァンスの作品にしては、ダイナミック。エヴァンスらしからぬ作品ではあるが、またそれはそれでジャズとして面白いではないか。評論家の皆さんは、エヴァンスの到達点を基準に、そこまでの発展の過程を評価する。いわば、単線的段階発展論だ。けれども、人間は目的合理的に生きているわけではない。紆余曲折があるのだ。結果から遡及する見方では、この作品ははずれるのかも知れないが、ジャズとしては十分いい作品だ。実際、④チャイルド・イズ・ボーンなどは感動ものだ。
夜、仕事をしながら、わたしは時々このアルバムを再生装置のトレイにのせる。ジャケットもなかなかいいではないか。
そうですよね。この作品がどうして世間の評価が低いのか、昔から私も不思議に思っています。
深い響きのレイ・ブラウン、こういうのがベースだよなあという音ですよね。もっとこの人と共演してもよかったと思ってしまいます。
そして珍しく押さえ気味のフィリージョー、雰囲気を壊さないハロルド・ランドのテナー、そこにからみつくレイジーなケニー・バレルのギター。いいですねえ。
>>深い響きのレイ・ブラウン、こういうのがベースだよなあという音ですよね。もっとこの人と共演してもよかったと思ってしまいます。
そして珍しく押さえ気味のフィリージョー、雰囲気を壊さないハロルド・ランドのテナー、そこにからみつくレイジーなケニー・バレルのギター。
なるほど……、的を得た評価ですね。
10年度、少なくても20年度には、エバンスの名盤に数えられていると密かに思っている、大好きなアルバムです。