WATERCOLORS ~非哲学的断章~

ジャズ・ロック・時評・追憶

キース・ジャレット

2021年04月11日 | 今日の一枚(K-L)
◎今日の一枚 492◎
Keith Jarrett
Death And Flower
 ずっと心配している。キース・ジャレットのことだ。2018年に脳卒中を2回発症して麻痺状態となり、ピアノ演奏に復帰できる可能性は低いということだ。思えば、90年代に慢性疲労症候群を発症し、それを克服して復帰したばかりだった。けれども、キース・ジャレットの演奏の映像を見て、さもありなんと思ってしまう。精神を、エネルギーを集中し、一音一音を奏でているのだ。血管がはち切れそうだと思う。
 私は、キース・ジャレットが好きだ。アルバムも相当な枚数を所有している。何故好きなのかは、うまく整理がつかない。言語化できないのだ。ただ、ものすごい吸引力で引き付けられる。不可抗力といっていい。
 回復と健康を願いつつも、身勝手なことをいえば、音数は少なくていい、もう一度エクスタシーのピアノを聴かせてほしいと思う。

 今日の一枚は、キース・ジャレットの1974年録音盤、『愛と死の幻想』である。パーソネルは、
キース・ジャレット(p, ss, fl, per) 
デューイ・レッドマン(ts, per) 
チャーリー・ヘイデン(b) 
ポール・モチアン(ds, per) 
ギレルミ・フランコ(per) 
である。通称、《アメリカン・カルテットの作品である。学生時代、気が狂ったように聴いた。もう、40年も前のことだ。アメリカンなのに、深遠な作品だ。しばらくぶりに聴いたが、心がざわめき、思考がぐるぐるかき混ぜられ、想像力の翼が羽ばたくのを感じる。チャーリー・ヘイデンとのデュオ② 「祈り」、凄い。圧倒的にすごい。


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