WATERCOLORS ~非哲学的断章~

ジャズ・ロック・時評・追憶

ジョニー・グリフィンのケリー・ダンサーズ

2006年08月15日 | 今日の一枚(I-J)

●今日の一枚 30●

Johnny Griffin     The Kerry Dancers

Scan10012_1  お盆休みも今日で終わりだ。墓参りと親戚まわりを済ませて、ちょっと叙情的なのが聴きたいなと思って取り出したのがこのアルバムだ。 Johnny GriffinThe Kerry Dancers(1961,1962録音)。もちろん、④ The Londonderry air (ロンドンデリーの歌,ダニー・ボーイ)を聴くためだ。やはり、名演だ。さびのところを消え入るようなかすれた音で吹くのが良い。ググッときて、ああ、もう卒倒しそうだ。

  しかし、しばらくぶりに聴いたが、他の曲もすごく良いではないか。はっきりいって全曲あきるところがなく、結局、2回も聴いてしまった。特に、② Black Is The Color Of My True Love's Hair (彼女の黒髪)や⑧ Ballad For Monsieur は好きな演奏だ。⑦ Hush-A-Byeは、彼の作品の中でもかなりの名演ではなかろうか。 

 寺島靖国さんは『辛口!Jazz名盤1001』(講談社+α文庫)の中で、「入門者には『ハッシャ・バイ』だが、そのうち必ず『彼女の黒髪』がよくなる。演奏が深いのだ。一番気持ちがこもっていて、その証拠にテナーの音がギュッと絞りこまれていてそこが聴き物。」といっている。寺島さんもたまにはまっとうなことをいう。「彼女の黒髪」はたしかに感動的な演奏だ。「入門者には…………」という寺島さんらしい権威主義的なものいいは好きではないが、私の好きな「彼女の黒髪」を評価してくれるのはうれしい。 

 全体的になんというか、本当にしばらくぶりにジャズらしいジャズを聴いた感じがする。やはり、ジャズはいい。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿