WATERCOLORS ~非哲学的断章~

ジャズ・ロック・時評・追憶

USB-DACは凄いですね。

2022年01月03日 | 今日の一枚(I-J)
◎今日の一枚 559◎
Junior Mance Trio
Yesterdays
 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

 3か月程前にUSB-DACを購入した。アップルミュージックのハイレゾ・ロスレスをスピーカーで聴くためである。DACとはデジタル・アナログ・コンバーターのことで、デジタル信号をアナログ信号に変換する装置である。デジタル音源をスピーカーで聴く場合にはどうしても必要になるものだ。高価なものではない。1万円ちょっとの、ToppingというメーカーのD10sというDACである。廉価な割に評価がいいようなので、実験的に購入してみたのだ。ところが、現在のところ、windows版のiTunesではハイレゾロスレスは配信されておらず、それを聴くためにはMacを買わなけれはならないようだ。がっかりである。よく調べなかった私が悪いのだが。

 がっかりして1か月ほど放っておいたのだが、もったいないと思って、USB-DACを使ってみることにした。PCにwindows版のfoobar2000をインストールし、CDを取り込んで聴いてみたのだ。foobar2000とは、PC用の音楽プレーヤーである。かなり評判のいい音楽プレーヤーである。若柳のジャズ喫茶「コロポックル」でも使用していると知り、そのうち使ってみたいと思っていたのである。

 すごい。びっくりである。本当にびっくりである。音がいい。CDプレーヤーからアンプに通して聴くよりはるかに音がいい。分解能が格段に向上しているらしく、音が鮮明である。音の粒立ちというか、輪郭がはっきりしている。いい耳で聞いてという訳ではなく、誰が聴いてもというレベルではっきり音がいいのである。USB-DACに脱帽である。

 こうなると、是非ともMacを購入してハイレゾロスレスを聴いてみたい、と思う。物欲である。しかし一方で、膨れ上がってしまったLPやCDをそろそろデジタルデータ化して整理する必要があるのではないか、などと考えてしまう。foobar2000をインストールインストールしたのは何かの巡り合わせかもしれない。今年は還暦になる。昨年は病気もした。第二の人生に向けて、あるいはいつ何があってもいいように、身辺を整理しなければならない年齢になったのかもしれない。いわゆる断捨離である。

 今日の一枚は、ジュニア・マンス・トリオの2001年盤『イエスタディズ』である。早いものである。このアルバムが出たのはつい最近のような気がしていた。時間の流れは実に速い。ジュニア・マンスは好きだ。1959年の『ジュニア』(→こちら)は愛聴盤の一つであり、人生の中でしばしば聴いてきた。そういえば、このブログでも2006年作品の『恋に落ちた時』(→こちら)を取り上げたことがあった。『イエスタディズ』は、テナーのエリック・アレキサンダーを迎え、彼の情感豊かなテナーをフューチャーした作品である。世評では、あまり芳しくない評価もあったようだが、UAB-DACを通した鮮明なサウンドで聴くと、作品に新たな命が吹き込まれたようだ。選曲も良く、魅惑的な一枚である。

 ジュニア・マンスは、昨年、2021年の1月に亡くなったようだ。晩年はアルツハイマーを患い、転倒して脳出血をおこしたことが死因のようだ。またひとり、魅惑的なピアニストがいなくなった。



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