●今日の一枚 47●
The style council Cafe' Bleu
恐らくは、私がロック的な音楽をきちんと聴いた最後のものである。その意味で青春の一枚である。調べてみると、1984年の作品だ(もつと以前だと思っていたが……)。当時、私の関心はすでにジャズに移っており、ロック的なものを聴くことはほとんど無かったが、たまたま知人に薦められて好きになったのだ。かなり聴きこんだ作品といってもいい。
それにしても、あのパンクバンド、ジャムのポール・ウェラーがこのようなサウンドを作り上げるとは驚きだ。ジャムも好きなバンドではあったが、スタイル・カウンシルのサウンドは次元が違う。ゴスペルやジャズの要素をふんだんに盛り込んだ、大人のトータル・ポップとでもいおうか。シンプルなサウンドだが、味わい深い音楽だ。たいへんおしゃれなサウンドであるが、毒やスピリッツをちゃんともっている。もうロックやポップに見切りをつけて聴かなくなってしまった私が思うのだが、スタイル・カウンシルの音楽は、もうこれ以上は発展しないというロックやポップの最終的な進化型ではなかろうか。セックス・ピストルズのジョン・ライドンは「ロックは死んだ」と語ったが、スタイル・カウンシルの音楽は最後に咲いた花と言うべきなのではないだろうか。
それにしても、スタイル・カウンシル以降、いろいろなロックやポップのミュージシャンが現れたのだろうが、たまにラジオで接しても全くつまらなく、聴く気さえおきない。
スタイル・カウンシルの「カフェ・ブリュ」、名作である。
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