NHK前ワシントン支局長の手嶋龍一(てしまりゅういち)氏が2005年独立し外交ジャナリスト・作家に転進した
表題は2006年3月に発行された同氏の作品で北朝鮮による「精巧な偽100ドル札(余りに精巧な出来で最新の検知器でも検知できない その為ウルトラ・ダラーと呼ばれる)」の印刷と使用目的を幾つかの散在する事実をつなぎ合わせ、北による一つの壮大な計画---ミサイルの購入資金の調達に思い至る

これをインテリジェンス・オフィサーの英国人と米国人の活躍を縦糸に日本人が折節ごとに絡むという筋立てです
最後にこの件の黒幕が出ますが発売1年でまだまだ増刷中のようですから買うか借りるかして読んでください 読みやすくて面白いです お勧めします

物語の中で著者は大学の教授で斯界の権威である方の口を借りてインテリジェンスを説明します
intelligence とは 頭に The が付けば「知の神」の事でそこから引いて「神のごとき視座、さかしらな人間の知恵を離れ神のような高みに飛翔し、人間界を見下ろして事態の本質をとらまえる(感性)事だ(或いはその感性により抽出された筋書きや構想(これは爺の加筆)」この能力を以ってある組織に従事する事がインテリジェンス・サービス その任に当たる者(インテリジェンス・オフィサー)の目指すものであると語らせている

別の表現では「一つ一つは石(単なる事実)でも川原から幾つかをより分けてつなぎ合わせるとある意図の有る文字や表象が読み取れる 知性によって彫琢しぬいた情報」とも語る 別な人間の表現では「最も有り得ない事を想定する能力」とも
そのインテリジェンスを複合的に分析・組み合わせて政治指導者に提供する
それによりインテリジェンスは初めて国際政治の有力な武器足りえるのである

くどくなりましたが手嶋氏が規定するインテリジェンスとはその様なものです
話は2002年5月ダブリンに新種の偽百ドル札「ウルトラ・ダラー」が現れた事から始まります
そして幾つかの過去の石(単なる事件や事象)が述べられます
その1:1968年12月 東京荒川での青年印刷工の行方不明
その2:1988年7月 米国マサチューセッツ州 ノートン社
この会社は米国ドル札の印刷用原紙を独占的に供給している その会社からドル紙幣の原材料がトラック3台分盗難にあう
その3:1989年2月 スイス ローザンヌ ファブリ社 この会社は世界一の紙幣印刷機メーカー ここからマカオに輸出された印刷機が中国大連で行方不明
その4:1990年 デンマーク コペンハーゲン 日本のグラビア印刷会社で高級美術印刷分野で名高い会社社長の行方不明
等が列記される
さて話は新種の偽百ドル札に戻る 英国のインテリジェント・オフィサーでありBBCの日本駐在員を隠れ蓑にしているスティーブンにも英国秘密情報部の(解決の為の)指示が届く
大学時代のクラスメートの米国人今は米国のシークレット・サービスで偽札作りを追っているコリンズと組む事を思いつく


やがてモスクワの北朝鮮大使館での新種偽百ドル札(ウルトラ・ダラー)の集散がわかる

これまでの偽100ドル札鑑別の為の日本の「偽ドル検知器会社」の登場と活躍
1989年に初登場した北朝鮮の偽ドル札と検知器の性能向上の競争
究極の対策:(日本の1万円札に仕込んで有るらしい)僅か直径0.004ミリの無線ICタグの埋め込み
それぞれの秘密・機密に近寄る為の工作--- 金の欲しい者には金、女が欲しい奴には女、泣き落とし、脅し、誘拐、古典的かつ何でも有りの世界が垣間見える

余りネタばれもいけないので今日はここ迄で終わり
間もなく北の核問題で6カ国協議の結論が出るであろう
核廃棄に前進があっても無くても「北による日本人拉致問題」は置いてけぼりになるのでないか? 日本人は日本の出来る事総てを粛々とやって行く事が肝要である
まず個人で出来る事 パチンコ屋に行かない 北への資金源を断つには簡単にして効果のある手段である ご理解とご協力に感謝します

表題は2006年3月に発行された同氏の作品で北朝鮮による「精巧な偽100ドル札(余りに精巧な出来で最新の検知器でも検知できない その為ウルトラ・ダラーと呼ばれる)」の印刷と使用目的を幾つかの散在する事実をつなぎ合わせ、北による一つの壮大な計画---ミサイルの購入資金の調達に思い至る

これをインテリジェンス・オフィサーの英国人と米国人の活躍を縦糸に日本人が折節ごとに絡むという筋立てです
最後にこの件の黒幕が出ますが発売1年でまだまだ増刷中のようですから買うか借りるかして読んでください 読みやすくて面白いです お勧めします

物語の中で著者は大学の教授で斯界の権威である方の口を借りてインテリジェンスを説明します
intelligence とは 頭に The が付けば「知の神」の事でそこから引いて「神のごとき視座、さかしらな人間の知恵を離れ神のような高みに飛翔し、人間界を見下ろして事態の本質をとらまえる(感性)事だ(或いはその感性により抽出された筋書きや構想(これは爺の加筆)」この能力を以ってある組織に従事する事がインテリジェンス・サービス その任に当たる者(インテリジェンス・オフィサー)の目指すものであると語らせている

別の表現では「一つ一つは石(単なる事実)でも川原から幾つかをより分けてつなぎ合わせるとある意図の有る文字や表象が読み取れる 知性によって彫琢しぬいた情報」とも語る 別な人間の表現では「最も有り得ない事を想定する能力」とも
そのインテリジェンスを複合的に分析・組み合わせて政治指導者に提供する
それによりインテリジェンスは初めて国際政治の有力な武器足りえるのである

くどくなりましたが手嶋氏が規定するインテリジェンスとはその様なものです
話は2002年5月ダブリンに新種の偽百ドル札「ウルトラ・ダラー」が現れた事から始まります
そして幾つかの過去の石(単なる事件や事象)が述べられます
その1:1968年12月 東京荒川での青年印刷工の行方不明
その2:1988年7月 米国マサチューセッツ州 ノートン社
この会社は米国ドル札の印刷用原紙を独占的に供給している その会社からドル紙幣の原材料がトラック3台分盗難にあう
その3:1989年2月 スイス ローザンヌ ファブリ社 この会社は世界一の紙幣印刷機メーカー ここからマカオに輸出された印刷機が中国大連で行方不明
その4:1990年 デンマーク コペンハーゲン 日本のグラビア印刷会社で高級美術印刷分野で名高い会社社長の行方不明
等が列記される
さて話は新種の偽百ドル札に戻る 英国のインテリジェント・オフィサーでありBBCの日本駐在員を隠れ蓑にしているスティーブンにも英国秘密情報部の(解決の為の)指示が届く
大学時代のクラスメートの米国人今は米国のシークレット・サービスで偽札作りを追っているコリンズと組む事を思いつく


やがてモスクワの北朝鮮大使館での新種偽百ドル札(ウルトラ・ダラー)の集散がわかる

これまでの偽100ドル札鑑別の為の日本の「偽ドル検知器会社」の登場と活躍
1989年に初登場した北朝鮮の偽ドル札と検知器の性能向上の競争
究極の対策:(日本の1万円札に仕込んで有るらしい)僅か直径0.004ミリの無線ICタグの埋め込み
それぞれの秘密・機密に近寄る為の工作--- 金の欲しい者には金、女が欲しい奴には女、泣き落とし、脅し、誘拐、古典的かつ何でも有りの世界が垣間見える

余りネタばれもいけないので今日はここ迄で終わり
間もなく北の核問題で6カ国協議の結論が出るであろう
核廃棄に前進があっても無くても「北による日本人拉致問題」は置いてけぼりになるのでないか? 日本人は日本の出来る事総てを粛々とやって行く事が肝要である
まず個人で出来る事 パチンコ屋に行かない 北への資金源を断つには簡単にして効果のある手段である ご理解とご協力に感謝します
