「17日、バイデン米大統領がウクライナに対して米国製の長距離兵器を使ったロシア領攻撃を許可した」と米主要メディアが報じたそうです。
【長距離兵器の使用容認はクルスクや周辺での戦闘をにらんだ決断だと報じた。ウクライナ側は米国がウクライナに譲渡した射程300キロメートルの長距離ミサイル「ATACMS」の活用を許可すれば、ロシア領内の軍事施設を標的にできると主張する】と米紙ワシントン・ポストの報道です。
ここをクリック⇒13日ブリンケン国務長官が「米国はウクライナの為、使える資金をすべて使う」と発言した具体策の一つでしょう! ロシア領への長距離攻撃をバイデン政権が認めても「ウクライナの手元にそのためのミサイルが手元にあるのか?」は判りません。
心配しながらも守るしか無さそうです。
写真:バイデン大統領㊨とウクライナのゼレンスキー大統領=ロイター
日本経済新聞:
【ワシントン=坂口幸裕】米主要メディアは17日、バイデン米大統領がウクライナに対して米国製の長距離兵器を使ったロシア領攻撃を許可したと報じた。核保有国であるロシアとの緊張が一段と高まるのを懸念して反対してきた米国の方針転換になる。
米メディアは米政府関係者の話として北朝鮮によるロシアのウクライナ戦線への派兵を受けた対応だと伝えた。ロシア西部のクルスク州で1万人以上の北朝鮮兵がロシア軍の戦闘作戦に参加し、ウクライナとの交戦に本格的に加わったとみられる。
米紙ワシントン・ポストは長距離兵器の使用容認はクルスクや周辺での戦闘をにらんだ決断だと報じた。ウクライナ側は米国がウクライナに譲渡した射程300キロメートルの長距離ミサイル「ATACMS」の活用を許可すれば、ロシア領内の軍事施設を標的にできると主張する。
ウクライナのゼレンスキー大統領はロシア領への攻撃を巡り、米欧から供与された長距離ミサイルを含む武器の使用制限を全面撤廃すべきだと主張してきた。
米欧は5月、ウクライナが西側諸国から供与された武器を使い、ウクライナへの攻撃拠点となる国境付近の軍事施設に限ってロシア領内を攻撃することを容認した。ウクライナの自衛のみに使うよう要求してきた方針を転換したとはいえ、越境攻撃を限定的に承認しただけだった。
今回の判断にはトランプ次期米大統領の返り咲きも作用したとみられる。米野党・共和党からも使用制限の緩和を求める声が出ていた。2025年1月20日に大統領に返り咲く共和のトランプ次期米大統領は就任前にウクライナ紛争を終結させると主張し、ウクライナとロシアの停戦仲介に意欲を示す。
バイデン政権としては停戦協議を見据え、ロシアとの話し合いを有利に進めるにはウクライナがロシアとの戦況で優位に立っている必要があるとの計算が働く。「交渉は現地の事実を反映する。ウクライナが戦場で戦い、交渉の席でもっとも強い立場に立てるように武器を供与してきた」との立場を取ってきた。
バイデン氏は22年2月にロシアのウクライナ侵略が始まった当初から、ロシアの反発を招いて事態がエスカレートしないよう供与する武器や使用条件を熟慮してきた。核保有国である米ロが戦火を交えれば第3次世界大戦に発展するおそれがあると懸念するためだ。
ロシア領への攻撃をさらに緩和すれば、ロシアは強く反発しかねない。プーチン大統領は米欧から供与された長射程兵器によるロシア領への攻撃を巡り「容認されれば北大西洋条約機構(NATO)諸国がロシアと戦うことを意味し、紛争の本質を変える」と警告してきた。
ウクライナ支援の継続に慎重なトランプ新政権が発足するのを前に、バイデン政権は政権が交代するギリギリまでウクライナへの武器供与を続ける構えだ。ブリンケン米国務長官は「バイデン氏は我々の自由裁量で使える資金はすべて25年1月までに確実に投入すると確約している」と話す。
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