うろ覚えですがジョンソン首相主導下でブレグジット(英国のEU離脱)が昨年成立し、今年の1月1日には税制移行期間も終わり、TTPに参加しようかとの発言もある様です。
一方新型コロナウイルスの英欧での大流行のワクチン接種が急がれる状況の様です。そんな中、英国ベースのアストラゼネカ社がEUの域内の工場で作るワクチンを契約の半分ほどしかEUに供給できないと発言した事にEU側が怒っている報道もちらと見ました。そして以下の時事の記事は「EU側が北アイルランドとアイルランドの国境でEUからのワクチンが英国に流入しない様、監視を行う方針」を発表した所、ジョンソン首相が激しく抗議して「EUの方針はとりさげられた」そうです。EUの方針は域内からも”見誤り” ”失態”との声が上がったそうです。
微妙ですね! 英国本土と北アイルランドで人口はざっと6,600万人で新型コロナウイルスによる死者が10万人超と言いますから日本の人口1億2千数百万人はざっと1,9倍ですから19万人位の程度に匹敵します。日本で新型コロナウイルスによる死者が19万人も出たら、内閣が飛ぶような反発を国民から受けるでしょうね?! ジョンソン首相は初期には自然感染による集団免疫を考えていたようで、最近は26日10万人も「死んだ方には申し訳ない。死者が出たのは私の責任だ」と記者会見で表明しましたが、それで内閣が飛ぶ騒ぎに広がった話を聞きませんから国民気質と呼ぶか政治風土が日本とは違うと思いました。
記者会見でのジョンソン首相(ネットより)
日本でもEUでもそうですが、新型コロナワクチンの生産が開発メーカーのみで間に合わないなら「日本とかドイツやフランス等の一定水準以上の会社にライセンス生産を認め、供給量を増やす」様な事が必要かもしれません。インドは海外のメーカーのワクチンをインド国内で”ライセンス生産”して友好国に支援物資として供給しているようです。日本も他国に供与するのはともかく”必要量をライセンス生産で生産量を増やし”感染の要請に繋げたらどうかと素人は思いました。
28日加藤官房長官は「アストラゼネカ社のワクチン9000万回分を行内生産する事で合意した」と発表したそうです。
写真:ジョンソン英首相(左)とフォンデアライエン欧州連合(EU)欧州委員長=2020年12月、ブリュッ ル
時事通信:
【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)欧州委員会が29日発表した新型コロナウイルスワクチンの輸出規制が波紋を広げている。特にEU加盟国アイルランドと英領北アイルランド間の国境でも監視を行う方針を示したことに英国が猛反発。欧州委は同日深夜に慌てて撤回したが、EUを離脱した英国との関係に大きな禍根を残した。
「信じがたい敵対的行為だ」。北アイルランド自治政府のフォスター首相は29日、EUを厳しく批判。ジョンソン英首相もフォンデアライエン欧州委員長に電話で「深刻な懸念」を伝えた。
帰属をめぐる紛争で多くの犠牲者を出した北アイルランドの国境問題は、難航を極めた英国のEU離脱交渉で最大の懸案だった。昨年1月末に発効した離脱協定で北アイルランドは英EU双方の関税の二重運用圏とされたが、これは税関など物理的な国境復活を避けて平和を維持するためだ。
欧州委は今回、英製薬大手アストラゼネカによるワクチンの大幅な供給遅延を受けて域外への輸出規制を導入。EU内で製造されたワクチンが英国などに優先供給されるのを防ぐため事前承認制としたが、北アイルランド国境が「抜け穴」となるのを恐れ、深刻な状況下なら国境検査を一方的に復活できる離脱協定の規定発動が「正当化される」との認識を示した。
しかし、これには英側が一斉に反発。アイルランドも不満をあらわにし、欧州委はすぐに撤回に追い込まれた。英メディアによると、離脱をめぐる対英交渉で最も重視してきたはずの国境問題での拙速な対応に、EU内からも「見誤り」や「失態」との声が上がった。
英米に後れを取るワクチン接種への焦りが思わぬ摩擦を招いた格好だ。ただ、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長が「ワクチン国家主義(ナショナリズム)」に警鐘を鳴らすなど、輸出規制自体にも批判や警戒の目が向けられている。
(引用終わり)