王様の耳はロバの耳

横浜在住の偏屈爺が世の出来事、時折の事件、日々の話、読書や映画等に感想をもらし心の憂さを晴らす場所です

31日 ベラルーシへの戦術核配備に非難相次ぐ 安保理緊急会合

2023-04-02 09:38:49 | 本を読む
この主題については1日の掲載ですが、この前段が有りました。
別紙との情報を合わせると「 ロシアのプーチン大統領は25日、隣国ベラルーシに戦術核兵器を配備する計画を発表した」と国営テレビ「ロシア1」とのインタビューで語ったと報じられたからです。
プーチン氏はこの中で、ベラルーシに戦術核兵器用の特殊な保管施設を建設する作業を7月初めまでに完了させると表明した。
すでに核弾頭の搭載が可能な短距離弾道ミサイル「イスカンデル」を、ベラルーシに送り込んだことも明らかにした。
とは言いながら、「戦術核弾頭のベラルーシへの移送」はこれからの様です。
しかし、ロシアが他国に核兵器を配備するのは1991年(ソ連邦崩壊以来)海外(旧ソ連邦のの国)から核兵器を自国に回収に初の出来事ですし、受け入れ先であるベラルーシの合意が必要ですから、相当以前から協議されていたのでしょうね。
その予兆は有りました。22日ロシアはNATOが「劣化ウラン弾」を戦闘で使えば核兵器使用と見なすと難癖に近い抗議をしていました。すでにタイミングを計っていたのでしょうかね?!
やがてベラルーシへ戦術核にしろ配備され「ベラルーシから発射」されれば、反撃はロシア領内で無くベラルーシに行われるでしょうから「ロシアとしては核兵器使用のハードルがうんと下がる事になります。
今の戦術核は「小型化」し広島型の様な10万人死亡ほど大型でないだけに、手軽?に使える様です。何だか嫌ですね。
国連の話し合いでは決まらないでしょうから、ウクライナ国内での戦況を見守るしかない様です。

写真:安保理はベラルーシへのロシアの戦術核配備をめぐって緊急会合を開いた(31日、ニューヨーク) 

日本経済新聞:
【ニューヨーク=吉田圭織】国連の安全保障理事会は31日、ベラルーシにロシアが戦術核兵器を配備する計画を発表したのを受けて緊急会合を開いた。各国からは核配備がさらなる状況悪化につながり、核拡散防止条約(NPT)違反となるとの批判が相次いだ。
会合はロシアからの侵攻を受けるウクライナが開催を求めた。関係国として会合に出席したウクライナのキスリツァ国連大使は「(核配備の発表で)ロシアが核兵器を戦争防止のためではなく、脅しや威嚇の道具として使おうとしていることが明確になった」と話した。
米国のウッド次席大使は「ベラルーシに戦術核を配備する防衛上の正当な理由はない」と批判。アルバニアのホッジャ国連大使は「ロシアが戦場で行き詰まったときに核使用の脅威を手札として使っている」と非難した。
戦術核兵器の配備がNPT違反になるとの指摘も相次いだ。ブラジルのコスタ国連大使は「(ベラルーシが)核兵器の管理などをしない限り、核シェアリング(共有)は譲渡に当たらないとする見方はNPTに抜け穴をつくるようなもので、説得力がない」と強調した。
ロシア側を擁護する中国も慎重な態度をとった。中国の耿爽次席大使はベラルーシへの戦術核配備には触れず、「すべての核保有国に核戦争のリスク軽減や保有国同士の紛争を避けるよう呼びかける」と述べるにとどめた。
一方、ロシアのネベンジャ国連大使は「核弾頭を移していないため、ベラルーシとの協力は(NPTのような)国際的な義務の違反にはならない」として計画を正当化した。
〈以下省略)
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スティーヴンソン 「宝島」 を読む

2012-07-14 07:24:33 | 本を読む
過日市の図書館に寄った際、突然「宝島」の主人公ジムのお父さんがやっている「ベンホー提督亭」のとは英語で何と書いてあるのか知りたくなりました。

英語の種本がないと確認できませんから市内でも大手書店の有隣堂と八重洲ブックセンターのあちこちを探しましたが近頃洋書のコーナーなんて悲しい位スペースがありません。

「宝島」なんて翻訳物で十分話は追えますものね。
でも浜爺の目的は達せません。
そこでネットでググる内に九州の古書扱い店「井筒屋古書店」が竜口直太郎氏の英文対訳で「宝島 上巻」が有るのが判りました。

ここからが浜爺の様に古い人間には勉強になりました。
ネットで申し込みをすると折り返し郵便で振込用紙が送られてきます。
それをコンビニに持ち込んで支払いを済ませ「指定の領収証をもらいそのインボイス番号を店の多機能機から打ち込む」と取引が完了です。
実に簡単明瞭!
指定の窓口を除けば配送の具合が追跡できる仕組みです。
そんなわけで注文から数日で「宝島」の対訳を手にいれました。

さて「ベンホー提督亭」のとは英語でなんと書いてあったでしょう?

ジムはお父さんとinnを切り盛りしています。
inn は宿屋か旅館程度の語感です。或いは居酒屋 ジムのinnは宿屋と居酒屋もやっていた様です。
次にある日怪しげな男がthe“Admiral Benbow ”にやって来たと文章が続きます。
英語の文法からして the Admiral Benbow がinn の名前の様です。
直訳すれば ベンボウ提督(旅館或いは旅籠)で亭とは訳者が思いつきで付け加えた様です。
日本語風に言い直せば 旅館ベンボー提督 旅籠ベンボー提督 ですね。当時の常識として宿の一部に居酒屋(酒の飲めるコーナー)がついているのですね。
ジムのinnには “Admirai benbow”とsingboard(看板)があり男はそれをlooking up(見上げる)とありますから入り口の上にでも掛かっていたのでしょう。

これでとは英語で何と言うのかのお話は終わりです。
役に立たない調べものでしたが随分流通業の変化を含め勉強になりました。
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「街場のメディア論」を読む

2012-05-27 07:46:15 | 本を読む
恒文社新書 内田樹教授著「街場のメディア論」を読みました。
昨年知人が貸してくれたのですが大震災の後遺症で気持ちが落ち着かず読書は進まず「マスコミに評判の悪い内田樹」なんてウェブニュースの見出しなんかもあってこの本は積んどくままでした。
今年に入りようやく順番到来です。

この本の「街場」なる語ですが内田教授はご自分の言葉で説明されていますが浜爺の理解によれば「原子力村」と呼ばれる利益共同体がありと認めればその村に属さない側の意見と考えるのが良いようです。
そこで「街場のマスコミ論」がマスコミ受けしないのは内田先生の投げたボールを正しく受け取った証?でしょう。
村は他人の意見を受け入れないものです。

幾つか浜爺の心に残ったところ:
その1:ナチ政権下のカミュの活動を評価しています。レジスタンス活動の精神的支柱「コンパ」の書き手だったそうです。それは命がけに間違いありません。
その対極に「ガリレオが地球が回る」との主張を命が危ないとたちまち撤回した例をとらえ「その様な振る舞いは適切であった」と評しています。
内田先生は哲学的に思考を詰めています。「人生生きるに値するか否か」との問いかけに「否」の方はたわごとに過ぎないとの見解の厳しさには余りのの厳しさに打ちのめされてしまいます。先生は2チャンネルに見られる匿名の投稿を手厳しく論評していますが、それ程程度は低くなくても浜爺のこのブログなんて「止めなければ銃殺」何て言われたらすぐ止めます。ガリエオと同じですよ。
でも情報発信が内田先生の規定するほど厳しいものなのか浜爺には厳しすぎてしっくり来ません。

その2:上記の基盤の上にマスコミのウソと煽り、偏向と対立などは許しがたいものでしょう。
その3:病院でさえ「患者様」と受付で呼びかける世の中でマスコミもその他でも「市場原理にゆだね無い方が良いものが有る」
との指摘には納得です。
「社会的共通資本」と呼ぶ自然環境、社会的インフラストラクチャーと制度資本です。
加えて政治までがこれに加わると教育、年金、道路(有料)等が大混乱になるのは今回の政権交代で良く分かりました。
その4:その後「著作権」にでも言及しますがコピペは(読者の為)フリーが筋とのご主張です。
まあ以上を総合すればマスコミから悪評判を呼ぶのも理解できました。
語り口は穏やかですが内容は深刻です。
一読をお勧めします。
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「かくれ佛教」 鶴見俊輔 を 読む

2012-03-30 07:41:14 | 本を読む
「かくれ佛教」 鶴見俊輔著  ダイヤモンド社 を読みました。
2010年の作品ですから 鶴見氏がお元気なら90歳ですよ! 07年頃からの講演や口述テープから文章を起こしたとありますから編集者は大変なご苦労だったろうと思います。
鶴見氏は後藤新平氏(関東大震災時の東京市長)の外孫さんに当たるようです。

浜爺がこの書を知ったきっかけはこのブログのブックマークにある「成り行きアラカルト日記」氏が感想を書いておられたのですがその「かくれ佛教」のかくれなる言葉に惹かれた為でした。
かくれキリシタンのかくれに思いが誘発され「日本のどこかに佛教が禁止されたり弾圧された時代か地区でもあったのか?」なんですよ。

いやはや内容は国内外、宗教、哲学、政治 著名人との交流とその業績に対する論評など等に及びこう言う人を碩学と呼ぶのでしょう。
口述している頃が85-6歳ですから恐れ入るばかりです。

最後に「かくれ仏教徒」と題する1章があります。
鶴見氏は「キリスト教という一神教が対立を際立たせた。そうかといって佛教も戦前では僧侶が戦争完遂に参加し戦後は民主主義を鼓吹した」
国に迎合する佛教も良くない。そして世を捨てて民衆の救済を図る法然親鸞そして一遍の生き方に関心を示したように思えました。
宗教論では日蓮の話から創価学会の成り立ちが書かれていて大変勉強になりました。創価大学を作り著名人を生んでいる訳が分かりました。

さてかくれ佛教とはですが、どうやら無自覚的仏教徒を称えそうなりたいと欣求しているように読みました。
鶴見氏は内山節氏の一章を紹介し「田舎の葬式で神道で行うのだけど僧侶が読経し焼香は榊を捧げ柏手を打った。読経が続く中で誰も不思議に思うものが居ない。-----」
佛教と神道がこんがらがって輪郭がはっきりしないもの。ボケれば先に活路が有るとの見立てです。
書中で随所で最初は厳しく求道とか研鑽してだんだん融通無碍になってゆく先哲や学者を称えていました。
先だって亡くなった吉本隆明氏を褒めていました。
とても自分の読書性向では知る事のない本でした。
お暇な方は一読あれ!
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[ロング・グッドバイ」 を読む

2012-03-19 07:36:20 | 本を読む
角川文庫 矢作俊彦著 ロング・グッドバイ を読みました。
文庫本なのに600ページある長編ですから長旅のお供にはお勧めです。
神奈川県警の刑事二村永爾は三浦での張り込みに失敗し朝飯を食おうと横須賀のハンバーガーショップに寄りますが、そこで飲んだくれて倒れていたビリー・ルウと名乗る米人に出会いました。
自称ベトナム戦争中のエースパイロットです。
話はこの二人の関係を縦糸に進展して行きます。
時ははっきりと記述されませんが長嶋監督による巨人の優勝とか沖縄サミットの話が出ますから2000-1年頃の話です。
二村の日々の捜査が幹部の意向で取りやめになる中で、ビリーに頼まれて「死体」を運んだ事がばれて閑職に追われます。その捜査の間、世話になった横須賀の退職警官の頼みで国際的ヴァイオリニストの養母の行方探しを頼まれます。
ビリーの台湾での墜落、養母の行方、打ち切りの捜査などがやがて一つになり話は明らかになって行きます。

ロング・グッドバイはwrong goodby と綴るのです。 long goodby とばかり思っていたのですがね。
有名な探偵小説 long goodby を下敷きにしているのかどうか? 全くわかりません。
間違えだったさよなら 守られなかったさよなら(と再開の約束)てな意味でしょうか。
舞台の半分に横浜の中華街や町の名前が出てきます。浜っこの爺にはとてもイメージが膨らみました。
暇がある方にお勧めします。
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