節分といえば今ではすっかり恵方巻が定着し、CVやスーパーでは一大イベントとなっている。起源については、諸説あるようで、一概には言えないが少なくとも北関東で私が子供の頃にはこうした恵方を向いて太巻き寿司を食べる習慣はなかったと思う。
あったのは豆まきと福茶。神社と家それぞれ豆をまき、歳の数だけ豆を入れて、梅干しと一緒に飲むのが福茶。福茶の起源は平安時代の空也上人という高僧が福茶を入れて、病人をなおした話に由来するらしい。無病息災を祈る習わしだ。
節分の後には初午を迎える。旧暦だと三月になるが、新暦の節分過ぎて最初の午の日にやるのが最近の流れ。
最近では惣菜業界が、初午に願いの数だけいなり寿司を食べようといった販促をかけている。そんにいなり寿司をたべるのもどうかと思うが、これは福茶の歳の数だけ豆を入れるという風習からきているような気がしている。
文化や風習も時代と共に変化する。商売上手は何かにつけて売るテーマを考える。商いは工夫することで進化していくものだろう。