
今日は、大阪市内で開かれたレーモンド松屋さんのコンサートに招かれ、行ってきたのだがコレが大層よかった。
レーモンド松屋さんと言えば、五木ひろしの「夜明けのブルース」の作者として一躍有名になったのだが、その人となりは全く知らなかった。
愛媛県出身、今も愛媛在住の67歳だが全く年齢を感じさせない若々しさで、その肌以上に声に艶があり、聴く者を魅了する。
若い時から地元を中心に音楽活動をしてきたそうだが、メジャーデビューしたのはなんと59歳。
女性シンガーの秋元順子しかり、還暦になってもブレイク出来るのだから人生は本当にわからない。
どんなステージになるのか全く想像もつかなかったのだが、おそらく200人ぐらいは入るであろうライブハウスは立錐の余地もないほどだ。
客層は男女ともに、やはり中高年が多い。
打ち込み音源の操作もする女性キーボーディストを従え、ギブソンのレスポールを弾きながら歌うのだがその声の艶と伸びは本当に素晴らしく、男の私でも嫉妬するほどだ。
シンガーソングライターなのでオリジナル曲も多いのだが、これがもうどれも身体になじむテンポと、先の展開が想像しやすいわかりやすいコード進行で、つい歌ってみたくなる。
ほとんどの曲はマイナーコードで、似た感じの曲も多いのだがどれも見事にレーモンド節なのだ。
少し聴いたら誰の曲か分かる人、というのはそれだけ個性が際立っているという事だが、日本では加山雄三、吉田拓郎、谷村新司、大滝詠一、それに少々マイナーだが山本正之も聴けばすぐに分かる。
レーモンド松屋さんは、そういったそうそうたるビッグネームに続くだけの才能があるのではないか。
「明日は必ず来る。でもこのトシの私に明日があるとは限らない。だから、起きたら朝になっていただけでラッキー」
と自嘲気味に話すレーモンドさんだが、こんな艷やかな67歳になってみたいものだ、と思わせてくれた素晴らしい時間であった…