学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

2024/02/18

2024-02-18 19:58:00 | 仕事
 今日はいくつかの細かい仕事をコツコツと進めていく日となりました。前日の帰る間際に明日のやるべき仕事を書き出しておき、それに優先順位をつけて淡々とこなしていきます。仕事は、お客様に関する仕事、上司から依頼された仕事、自分の仕事、の順位づけ。臨機応変に対応する場合もありますが、基本的にはこのやり方で進めていきます。今日は終業1時間前にだいたいの仕事が終わったので、順調に進んだことに感謝の1日です。
 このところ、柄谷行人さんの「帝国の構造」を読んでいます。交換様式から読み解く世界史、といえば簡単ですが、歴史、経済、哲学などが次々に出、自分自身が広大な世界史の中に入り込んでいくような面白さがあります。はっとさせられたところはモンゴル帝国について。元寇のこともあり、日本ではモンゴル帝国を野蛮なイメージで語ることが多いのですが、それは間違っている、と。一般的なイメージ、とは案外当てにならないことが多いのかもしれません。自分で調べたり、考えたりすることの大切さに気付かされました。

2024/02/16

2024-02-16 21:05:00 | 仕事
 このところ、2月とは思えないほど、暖かい日が続いています。外を散歩していると、椋鳥をよく見るようになりましたし、タンポポ、オオイヌノフグリなど、春の植物も少しずつ見られるようになりました。季節がちょっと早く進んでいるようです。
 今は依頼されている掲載誌の文書を書きつつ、他の執筆者が書いた原稿の査読をしています。原稿と関わる時間が多いので、なかなか大変ですが、やりがいのある日常を過ごしています。原稿を書く時間は頭の冴えている午前中に、と、よくビジネス書に書いてありますが、私はスロースターターなので、お昼以降に、こうした仕事をこなしています。原稿は12枚まで進み、あと残り8枚。ちょっとオーバーしてしまいそうな勢いですが、あとは調整です。どうか無事に仕上がりますように。


2024/02/14

2024-02-14 19:10:00 | 仕事
 今日は1日中、次の展覧会のチラシやポスターのデザインについて考えていました。基本的に実際のデザインはデザイナーの仕事なのですが、その前段階として、自分なりのイメージを作りたかったので、どんな図版を使うか、文字のかたち、情報、レイアウトなどを練っていきます。
 私の場合、頭の中で考える、というよりも、実際に画像編集ソフトを使って、具体的に落とし込んでいきます。そうでないと、なかなかデザイナーにもイメージを伝えられない、要するに私は不器用なのです。時間はかかりますが、これまで仕上がってくるデザインに大きな齟齬が生じていないので、このやり方が私なりのベストなのかな、と思っています。
 夕方、何とか素案が完成。さて、今回はどんな仕上がりになりますことやら。


2024/02/10

2024-02-10 21:06:00 | 仕事
 今日は美術館のイベントの日。1日バタバタとしていました。忙しくなるとミスが出やすくなる。この忙しいなかでどうやって冷静さを保てるか。私の場合はゆっくり動く、ゆっくり話すで対応しています。これがなかなか効果的で、あまり感情も高ぶらず、心を落ち着けながら、仕事をすることができます。イベントは無事に終了。明日からいつもの日常が帰ってきそうです。
 このところ、蓮實重彦氏の「齟齬の誘惑」を読んでいます。これは氏が東大総長時代に式典や会報などで述べた言葉を中心にまとめられた内容で、最も最初のページから、分かったつもりになるな、知性を磨け、と、目が覚めるようなメッセージで始まります。ランダムに読み進めていますが、唸らされることばかりで、いかに私の頭が普段ぼんやりしているのかがわかり…。まさに読み応えのある本です。


2024/02/08

2024-02-08 20:19:00 | 仕事
 今日は1日事務作業。毎日の日課としていた研究の文章も15分程しか時間がとれず…でも、少しでも進められることに感謝です。
 新しい企画展のイベントに向け、関係各所へ連携の呼びかけをして、ようやく目処がつきました。交渉はWin-Winであるべき。決して美術館だけのメリットだけではなく、先方のメリットについても考えて提案させていただきました。お互いが抱えている課題や問題を解決できれば最高ですよね。新しい企画展の開催が楽しみです。

2024/02/07

2024-02-07 21:43:00 | 仕事
 午後から急ぎの仕事が舞い込んできて、文書の作成に追われました。文書を早く作る方法は、何と言っても単語登録とショートカットキーの活用。特にショートカットキーは覚えると便利で、マウスをほとんど使わずに作業ができるのがありがたい。何とか文書を仕上げ、明日朝イチでの使用に間に合い、ほっと一安心です。
 先日、若手の作家さんと話をする機会があり、作品を作るうえで哲学がヒントになっているとおっしゃられました。このところ、若手の作家さんと話をすると必ず哲学の話が出てきます。今はそういう傾向があるのでしょうか。恥ずかしながら、私は本格的に哲学を勉強したことがない身。これを機会に少しずつ学んでみたいと思っています。

2024/02/06

2024-02-06 20:58:00 | 仕事
 今日は作品整理で1日バタバタと過ごしましたが、無事に終了。仕事は段取り八分とはよく言ったもので、事前の準備が大切です。必要な道具、仕事の流れなどを前の日に揃えておき、当日いかにスムーズに進めるかを考えます。実は私が新人の時、企業の方と話をすることがあって、仕事のアドバイスとして、この段取り八分を教えてくださったのです。以来、仕事をするうえでは常に意識するようになりました。もうその方は亡くなられてしまいましたが、本当にありがたいことを教えてくださり、今でも感謝しています。
 帰宅後、岩波文庫の葛飾北斎の画集を眺めていたら、なぜか歌川広重の絵が恋しくなってしまいました。これはたぶん私の広重好きというのがあるせいかもしれません。東海道五拾三次からは江戸期の社会が見えるようだし、名所江戸百景は物語性があって楽しい。さらに近江八景の墨と藍からなる画面は思わず唸ってしまう。北斎は確かにうまいのだけれど、うますぎる気がして、ちょっと苦手なところがあります。そんなこともあって、今は広重の画集を眺めています。この絵の世界に飛び込んでみたい、そういう絵だな、と思います。

2024/02/04

2024-02-04 19:57:00 | 仕事
 今日は先日作品調査でお世話になった方へお礼状を書きました。私はいつも手書きで、かつ、日を置かずに書くようにしています。効率的にメールでも、という話もありますが、お礼状は自分の感謝の気持ちを相手に伝えることが目的。それには自分の手で書くことが一番、と私は思っています。仕事は人と人との関係で成り立ちます。今日も感謝の気持ちを込めて書きました。
 午前、久しぶりにふらふら感、焦燥感が止まらず。このところ、ネガティブな言葉を考えることが多かったので、症状としてあらわれてしまったようです。お昼休み、そうした言葉が刃になって自分の心を傷つけていると思い、頭がネガティブなことを考え出したら、何かの絵を思い起こしてみようと、変わった試みをしてみました。それが意外に効き、午後からは改善。口には発しなくても、頭の中で考えるだけでも、心は荒んでいくのだな、と思った次第です。

2024/02/03

2024-02-03 20:50:00 | 仕事
 作品の調査に個人宅へ。調査のときにはマスク、白手袋、カメラは必須、時計や指輪は外し、紐などが垂れるような服は着ない、などの基本的なルールがあります。そこではある作家の初期作品を見せていただきました。初めて眼にする作品群に感動!その方からは何を表現した作品かわからないものがあるんだけれど…と新たに相談を受けたので、宿題として相談内容をお預かりしました。勉強になります。
 車で移動中、たまたまNHK FMをかけたらZARD特集。懐かしい曲がラジオから流れてきました。ふだん音楽をあまり聞かない私ですが、ZARDは耳に心地よく、小学生の頃からよく聞いていました。私にとって、生活のなかにZARDがあったのです。今聞いても素敵。よい心地となりました。

2024/02/02

2024-02-02 21:12:00 | 仕事
 原稿執筆は今日までで400字詰原稿で5枚まで到達しました。3月末までに最大20枚なので、順調に進んでいます。原稿執筆している時間は、私にとって1番楽しい時間です。こういう研究がしたくて、学芸員を目指したからです。毎日1時間でも、こういう時間があるとモチベーションも上がります。
 さて、今日は細々とした仕事の多い1日でしたが、嬉しいことがひとつ。それはある方にギャラリートークをお願いをしたところ、内諾をいただけたことです。嬉しいかぎり!学芸員は色々な交渉をすることが多い仕事です。私も色々な失敗をしてきましたが、交渉もやはり慣れだと感じます。私の場合、どうしても相手でなければならない理由を2つか3つ考え、あとは強い想いを込めて交渉に臨みます。もちろん、全て上手く行くとは限らないけれど、誠意をみせる、ということが大切なことだと思っています。何はともあれ、今夜はお酒が美味しく飲めそうです!