先日、両親から「いしる」という変わった名前の醤油をもらった。ラベルを見ると、能登産とある。ちょうど、じゃこ天を買ってきていたので、ワサビ醤油にして食べたら、烏賊の風味が加わって、すこぶる美味しかった。そう、この「いしる」は、烏賊を原材料として作る醤油らしい。だから、海の食べものとの相性がいいのだろう。
そういえば、7、8年前の秋の始めの頃、能登へ七尾城を見に出かけたことがあった。そのときは金沢から電車に揺られて向かった。事前の下調べはほとんどせず、現地で情報を得て、七尾城に登り始めたところが、ものすごい山道で、もう秋でだいぶ涼しくなってきたというのに、汗をだらだらとかいて本丸まで上がった。七尾城の本丸跡から地上を眺めたとき、船が行き交う海の景がとりわけ美しかったことを覚えている。かつてここを攻めあがった上杉謙信も、この絶景を見て感激したらしい。過去と今とがつながることに、私は何だか嬉しくて、城登りの疲労もどこかへ行ってしまい、しばらくその景色をぼんやりと眺めていた。
能登では食事をせずに帰ってきてしまった。たぶん、どこかの食堂へ行けば、「いしる」を使った料理が食べられたかもしれない。城へ夢中になりすぎて、食にまで関心が回らなかった。思い返せば惜しいことをした。幸い、我が家の「いしる」はまだ封を開けたばかり。あのときの能登の海の景色を思い起こしながら、食事に使っていきたい。
そういえば、7、8年前の秋の始めの頃、能登へ七尾城を見に出かけたことがあった。そのときは金沢から電車に揺られて向かった。事前の下調べはほとんどせず、現地で情報を得て、七尾城に登り始めたところが、ものすごい山道で、もう秋でだいぶ涼しくなってきたというのに、汗をだらだらとかいて本丸まで上がった。七尾城の本丸跡から地上を眺めたとき、船が行き交う海の景がとりわけ美しかったことを覚えている。かつてここを攻めあがった上杉謙信も、この絶景を見て感激したらしい。過去と今とがつながることに、私は何だか嬉しくて、城登りの疲労もどこかへ行ってしまい、しばらくその景色をぼんやりと眺めていた。
能登では食事をせずに帰ってきてしまった。たぶん、どこかの食堂へ行けば、「いしる」を使った料理が食べられたかもしれない。城へ夢中になりすぎて、食にまで関心が回らなかった。思い返せば惜しいことをした。幸い、我が家の「いしる」はまだ封を開けたばかり。あのときの能登の海の景色を思い起こしながら、食事に使っていきたい。