学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

「ブリューゲルの動く絵」

2011-12-09 19:00:14 | その他
昨日のテレビに続き、私は映画というものもここ数年はとんと見ていません。しかし、気になる映画があります。それが「ブリューゲルの動く絵」です。ブリューゲルは16世紀のベルギー生まれの画家。昨年、渋谷のBunkamuraミュージアムで版画を中心とした展覧会も行われましたね。そのブリューゲルが描いた「十字架を担うキリスト」という絵を映画にしたものが、この「ブリューゲルの動く絵」という映画なのです。

この映画は第24回東京国際映画祭にも特別招待作品として上映され、すでに今年12月からは一般公開されています。動き出す絵を映像化するということ…何だか今までありそうでなかった映画ですよね。アーティストの森村泰昌さんが映画を評価して「絵画が映画になったのではない。映画が絵画になったのだ」(2011年12月8日日経)というコメントを寄せており、この言葉に痺れました(笑)

残念ながら、私の住む地域での上映予定はないようなので、見るためには東京へ足を運ぶしかなさそうです。ぜひ、映画館の大きなスクリーンでブリューゲルの動く絵を楽しみたいものです!

古地図を片手に

2011-12-08 20:57:08 | その他
滅多にテレビを見ない私ですが、毎週木曜日午後10時からNHKで放送されている「ブラタモリ」は欠かさずに見ています。タモリさんがNHKの久保田アナとともに、古地図片手に東京の街をぶらりと歩く番組。昔の風景が今はどう変わっているのか。番組は、歴史と現在とのつながりを教えてくれます。

さて、先日とある地名の場所を調べたくて、ネット上にその地名を入力したところ、goo地図がヒットしました。それをクリックすると、なんと画面上部に「地図トップ」や「ルートガイド」のサービスに混じって「古地図」なるコマンドが…。なんと江戸時代の地図、明治の東京、昭和初期の写真が見られるサービスだったのです!なんて素晴らしいサービスなのか!(笑)

古地図を片手に街歩き。おそらく「ブラタモリ」に触発されて、新しい街の楽しみ方を実践している人も多いのではないでしょうか。私もとても好きです。周りにはマニアックだと言われますけれど(笑)寒さに弱い私なので、少し暖かくなり始めたら、gooのサービスを利用して、ぜひ東京巡りをしてみたいですね!

美術館とLED

2011-12-07 20:30:44 | 仕事
今日の新聞夕刊にフランス・ルーヴル美術館の入口前にあるガラスのピラミッドが、発光ダイオード(LED)仕様のものに変わったとの記事がありました。(12月7日付日経)

LEDは東芝が手がけたそうで、世界でも有名な美術館の入口に日本の企業が関わっていることに何だか嬉しい感じがします。LEDの明るい光ならば、ガラスとうまく融合してルーヴルのピラミッドはダイヤモンドのような冴えた光になると思いますし、電力消費量も以前のタイプから73%もカットできるそう。

近年、日本の博物館・美術館においてもLED仕様が少しずつ導入されてきました。ネットで調べたところでは、宮城県仙台市の仙台市博物館、東京の根津美術館などがいち早く採用しているようです。LEDは電力消費量を抑えるだけではなく、熱や紫外線もほとんど出ません。(紫外線については紫外線LEDと紫外線カットLEDの2種類あります。博物館や美術館では紫外線カットLEDを採用するべきでしょう)従来のライトよりも、作品へのダメージが少なくなるために今後はさらに導入が進むものと思います。

当館はというと、LEDを導入したいけれども予算がない状態(泣)

予算ばかりはいかんともしがたいところですが、時代の流れとしていずれLED仕様になっていくのでしょう。LEDがより多く普及すれば市場の単価も落ちてくるはずなので、そのときに購入することに…なるかもしれません。予算があればの話ですが…。

魅力のある講座へ

2011-12-06 20:28:03 | 仕事
久しぶりにブログを更新します。怒涛のように1ヵ月が終わりました。浜離宮や浅草寺、東京スカイツリーを見てきたのが、つい昨日のようです。

先日、当館で美術館の講座を催しました。講師は私。どのように講座を進めていくのか。講座のテーマは「近代美術」。参加者は、一般の美術が好きなお客様なので、分かりやすく、かつ面白く楽しめるような内容で行うことにしました。

でも、どのようにしたら分かりやすく、面白く、楽しめるような講座が行えるのでしょうか?

私が参考にしたのは、アップルの元CEOスティーブ・ジョブズやランディー・パウシュ(カーネギーメロン大学教授)のプレゼン。2人のプレゼンは「youtube」で見ることができますが、まじめだけれど楽しくて面白い。

そこで私が考えたのは以下の3つ。

①講座中は常に立ち、ときどき動き回りながら話をする。
②原稿は一切見ず、参加者の目を見て自分の言葉で解説する。
③スマイルで話し、たまには冗談を。

そして、当日、私はパワーポイントで作成したデータを用いながら、その通りにやってみました。お客様の反応は…とてもよかった!(ように思います:笑)お客様からまた話を聞きたいとお褒めの言葉を頂きました。本当に嬉しい気持ちで一杯でした。

仕事には改善と工夫を。今度はもっと内容に深みを持たせて、魅力ある講座にして行きたいを思っています。