学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

文学の旅(仮)

2007-08-30 22:08:07 | Weblog
ここ数日、すっかり涼しくなりました。帰り際、駐車場でコオロギを見つけました。私の存在に気づいたのか、コオロギは飛び跳ねてしまい、すぐにどこかへ消えました。8月も明日で終わり。秋がやってきますね。

さて、以前申し上げていた9月の連休ですが、東北一周の旅に出ようかと計画中です。テーマは名づけて「文学の旅‐東北篇‐」です。(ちなみに関東篇や中部篇などをやるかは全くの未定です)5日間の連休、文学に浸ってこようかな、と思うのです。ちょっと地味ですかね(笑)

今のところ固まっているのは、岩手県の宮沢賢治、石川啄木、青森県の太宰治、山形県の斎藤茂吉のゆかりの場所を・・・。つまり、ほとんどまだ思いつきの段階で、具体的な計画には着手していないのです(笑)これからコースなどを考えてみたいと思います。

たまには豪勢なディナーを!

2007-08-29 22:40:59 | Weblog
今日は久し振りに友達と外食をしました。イタリア料理です。平日だったせいか、お店は私たちの貸し切り。お店の人が、私たちのテーブルにキャンドルを灯してくれて、雰囲気だけはとてもロマンチック。でも、男2人じゃあ絵にならないよねえ(笑)男2人で何の話をするかと申せば、もっぱら仕事の話。そうはいっても、真面目で深刻なわけではなく、ときどき笑いながらの軽めのお話。人と話をすると、とてもリラックスします。同期ですから、ほとんど気を使わなくてもいいのがまた良かったりしてね。コース料理は大変おいしかったです。次に来るときには、手打ちパスタをいただこう!と決意表明?して帰ってきました。

リラックスしたところで、また明日から仕事を頑張ります!!

随筆 クモのある部屋

2007-08-28 22:12:28 | Weblog
夜。往来を行く車も少なくなり、虫の音がいっそう聞こえるようになった。虫の音はどこか淋しげで、早くも秋のわびしさがそこはかとなく感じられる。時折吹く風もきわめて涼しく、そんな風にススキがそよそよとなびいている。季節が夏から秋に変わるときほど、さびしいものはない。それまで賑わっていた何かが少しずつ消えうせてしまうような感覚がある。

今、部屋の中にいるのは私と一匹の虫である。その虫は、残念ながら美しい音色を奏でることはない。なにしろ、クモなのだから。天井に張り付いたきり、ほとんど動かない。人間と同じでクモも動かない方が楽なのかもしれない。ただ、人間の場合は、それを怠惰という。

私はクモが嫌いである。私の実家は、夏場になると異様にクモが繁殖する。そのたびごとに私はクモを退治していた。だが、あるとき突然退治するのがいやになってしまった。あまりに増殖しすぎて、もう勝手にしたらいい、と私は根負けしたのだった。以来、クモを見るたびに心持が悪くなる。

そういえば、子供の頃に呼んだ昔話で「夜のクモは縁起が悪い」と書いてあったのをふと思い出した。なんでも夜に現れるクモの正体は、妖怪なのだそうだ。妖怪が、家を偵察に来ているという話である。そう考えると、我が部屋もいよいよ妖怪に狙わるはめになったらしい。しかし、狙われる理由がわからない。

天井のクモが少しずつ動き出した。ゆらりゆらりと揺れながら、糸をたどって、カーテンのほうへ向かっている。どうも偵察がすんだらしい。どんな報告がなされるのか知る由もないが、きっとろくなことは言うまい。

こうして再び部屋には私一人が残された。私の心持を悪くするクモではあるが、いなくなればなったで、少し寂しい感もある。ここで動いているのは、私だけ。人間、心細いと虫にすら友情を求めたがる。

休館日出勤!

2007-08-27 21:19:52 | Weblog
本日は、月曜日のため美術館は休館です。よって、本来なら学芸員も休みのはずです。けれども、今日は展示替えのために休日出勤をしました。本来、2、3日かけてやるべきことを1日でやってのけようという話です。忙しかったのですが、おかげさまで何とか展示替えが無事すみ、明日から再び新しい展示でお客様を迎えることができそうです。

ちなみに、今回の展示ではキャプション(作品タイトルや制作年、サイズ等の情報を記すプレートですね)記載事項と配置を少し変えました。記載事項は「技法」と「サイズ」を取ってしまい、最低限の情報のみにとどめ、その代わり文字を大きくしたのです。また、これまで額の大きさに合わせて、絵の左側にキャプションを配置していたのですが、全て一定の高さにそろえることにしました。目の上下の移動が疲れることと、なによりキャプションが下過ぎて見えにくいとの声が寄せられたための対処法です。これで少しでも見やすくなってくれれば良いのですが・・・。

明日から、また沢山のお客様が来てくださることを祈ります。

福島県猪苗代へ行く

2007-08-25 20:30:57 | Weblog
なんとはなしに福島県の猪苗代へ行ってきました。

始めは、裏磐梯にある諸橋近代美術館へ行きました。道中、車で山を登っていくわけですが、大変に涼しい。道路にある「ただいまの温度」はなんと26℃。どうりで涼しいわけですね。

諸橋近代美術館へは、かつて美術館ツアーの同行で伺ったことがあります。あのときは、ツアー参加者のお世話をするのに精一杯で充分に作品を観ることができなかったのですが、今回は一人でのんびりと堪能しました。ダリの不思議な世界に頭をほぐされて、新収蔵品であるシスレーの作品をみたり・・・。始めは軽くざっと見て歩き、印象に残った作品をじっくりと考えながら見ていく方法で見学しました。絵を見ることは、自分自身と向き合うことでもあるような気がします。とても充実した時間を過ごすことが出来ました。

次はもはや修学旅行の定番となった野口英世記念館。ここに行く予定はなかったのですが、かつて小学校時代の修学旅行で来たことがあったので、どんなものだったろうかと見てみました。そういえば小学生のとき、野口英世に憧れたものでした。よく伝記を読んで、いろりでの事故や苦学して医学を修めたこと、そして病におかされた野口が発した「わたしにはわからない」の悲しい最期の言葉。懐かしい記憶がよみがえります。館内はあまりにもお客さんが居過ぎて、ゆっくりと見るわけにはいかなかったのですが、野口英世に向学心を忘れないよう諭された気持ちになりました。

最後は天鏡閣です。明治後年に作られた洋館です。建物のなかは大変素敵!!アールヌーヴォー様式の内部。純和風の立派な日本家屋にも憧れますが、こんなロマンチックな生活も憧れますね。戸外ではハーモニカによる野外コンサートが行われていました。洋館を見ながら、戸外から流れてくるハーモニカのリズムに耳をすまし、心が大変休まります。今まで色々な洋館を見ましたが、天鏡閣はベストです!!(写真は天鏡閣です)

こうして、またも日帰り(連休が取れないのです:泣)の旅が終わりました。大変疲れましたが、やはり満足のいく旅でございました!!

善光寺参り その4

2007-08-24 22:15:17 | Weblog
日中も湿気がほとんどなくなり、気温が上がってもカラッした天気ですから、大して苦にはならなくなりました。久し振りに朝は歩いて出勤。歩くと少し暑いけれど、車だとすぐに通り過ぎてしまうような花や小川のせせらぎを聞くことができます。これからますます涼しくなれば、散歩にはうってつけの季節になりますね。

さて、「善光寺参り」も今日が最終回。最終回は、真田氏の城下町松代です。かつては海津城があった場所でもあり、あの有名な川中島の戦いでも舞台になったお城ですね。

駐車場に車を止めると、辺り一面田んぼです。風が稲穂をさらさらと流して、とても心地よい音を奏でます。稲穂は日光に照らされて、ときどき反射して光り輝いて見えます。まるで波のよう。こんな光景、子供の頃に見たことがあったような・・・と郷愁の念が起こりました。

松代でお昼を取りました。
信州へ来たら、もちろん?そばですよね。
とてもおいしくいただけました。

写真は松代城に立つ「風林火山」の幟。ちょうど大河ドラマの舞台ともなるところですから、やはりありましたね(笑)幟の裏に電柱さえなければ、ベストショットだったのに・・・と思った一枚です。

こうして長野旅行は終わり。日帰りでは少しもったいない気もします。次回、長野へ行くときには松本辺りまで足を伸ばせたら、と思います。

いえ、それよりも先に祖母の回復です。
早く良くなってくれることを祈ります!!

善光寺参り その3

2007-08-22 21:04:50 | Weblog
今日も暑い日でした。ただ、夜になると大分気温も下がり、北からの風が気持ちよく部屋の中を駆け巡ります。今日で高校野球も終わり、いよいよ夏も終わりに向かっていきます。私の場合(というよりも学芸員のほとんど)は、もちろんお盆休みがありませんでしたので、9月に遅い夏休みをいただきました。どこかへ旅にでも行こうかと思うのですが、さてどちらへ行ったらいいものかしら?と迷っている次第です。

さて、「善光寺参り その3」です。

善光寺を詣でた後、須坂版画美術館へ向かいました。
駐車場に車を止め、戸外に出ると、むっとした空気。
やはり夏ならではのまとわり付くような湿気があります。

駐車場から美術館へ行くのに、ちょっとした林を抜けていきます。
林のなかに入ると、そこは別世界。
大きな葉が直射日光を防ぎ、林のなかは涼しい。
道のところどころ、木漏れ日が差し、とても美しいものでした。

美術館のすぐそばには、ブドウ畑。
まだ1つずつ、丁寧に包まれておりましたが、
あまり見たことのないブドウ畑に少し見惚れていました。

美術館のなかに入ると、やはりひんやりとして冷たい空気。
そこでゆっくりと作品を見ました。
鈴木敦子さんの優しくて、心が安らぐような版画、
山口進の山岳風景は通称ビショビショ刷りと呼ばれる
水気を多く含ませた刷りで、大変面白い作品でした。
木版画の良さ、改めて感じ入った次第です。

善光寺参り その2

2007-08-21 06:58:54 | Weblog
本堂のなかは、大変に薄暗い。
外光が、本堂のなかに少し差し込んでいる。
上を見上げると、高い天井に何か彩色がなされている。
暗くて何だかよくわからない。
けれども、それが一種、神秘的な空間をかもし出す。

私は本尊に向かって、祖母の病気平癒をひたすら願った。
私が、今もなお病と闘う祖母にしてあげられることは、
仏様に向かって祈るだけしかない。
病気平癒祈願の願いが届いてくれれば良いのだが。
こればかりは誰にもわからない。

本堂から降り、再び正面に立つ。
参拝客が大分増えてきた。
一人の中年男性が、右手に持った傘で本堂を差し、
「あそこに行こう。」
と言った。
本堂を傘で差す行為は無礼である。
この男性には、到底御利益なぞありそうにないと思った。


善光寺参り その1

2007-08-19 20:39:39 | Weblog
外はまだ暗かった。街灯がまだ点っていたし、
市内のほとんどの信号は、赤がしきりに点滅を繰り返していた。
車内のラジオをつけると、まだNHKラジオ深夜便が流れている。
番組のなかで、アナウンサーが千葉県の地震を何度も伝えていた。
ここのところ、日本各地で強い震度が観測されている。
まったく恐ろしいが、天災であるがゆえ、こればかりはどうにもならない。
私たちは常にその用心をするしか手立てがない。

群馬県の伊勢崎から高速道路に乗って、ひたすら長野県へ向かう。
道中、予想通り霧が濃くなってきた。
このまま進むと、どこか別な世界へ行ってしまうのではないか。
そう思うほどに、濃い霧だった。
写真は群馬県と長野県のほぼ県境、横川PA.で撮影したもの。
途中、高速道路の標識に何匹ものカラスが止まっていた。
こんな高所までカラスが来るのは少し意外な気がした。

幾度となく続くトンネルを抜けると、目の前に青空が開けてきた。
長野県は暑くなりそうな予感があった。
長野IC.で降り、ひたすら善光寺を目指す。
まだ朝が早いこともあって、往来は車の通りが少ない。
もちろん気は抜けないが、周りの景色(ビルがほとんどだが)を
見ながら、のんびりと運転をしていた。

そのうち、善光寺に着いた。
予想通り、朝が早いため、参拝客はほとんどいなかった。
ただ、そこには本殿に圧倒された私が居るだけだった。

明日は善光寺参り

2007-08-17 22:42:30 | Weblog
明日は久し振りの休みなので、長野県の善光寺へお参りしてこようかと思っています。祖母の病気が早く治ることを祈って。

ちょうど、昨年の今頃にも長野県へ行きました。須坂、長野、松代、上田と巡ってきたのですが、どの街も城下町の気品が漂っていて、とても素敵な場所でした。

特に松代は、真田氏の武家屋敷などがそのまま残っていて、とても感動した覚えがあります。

明日はどんな旅になりますでしょうか。目的は善光寺参りですが、再び上田、そして小諸、佐久あたりを巡ってこようかと思っています。

それではおやすみなさい。