4月からの展示、何とかメドがたちましたので、
ちょっと残業して作品の調査をしていました。
学芸員といえば、調査・研究が第一と思われる方も多いと思います。
(実際、学生時代の私はそう思っていました)
ところが、日々の業務は、HPの運営やワークショップの段取り、
公募展の準備などで時間を取られ、勉強の時間はほとんどありません。
ほとんどの学芸員が、時間外や休日を使って研究に励んでいるようです。
私も例外ではなく、早く仕事が終わったときには、
今日のように収蔵庫へこもって勉強をしています。
学芸員は、本当に好きでないと出来ない仕事ですね(笑)
どの仕事でもそうか!
今日は未整理になっているスケッチブックを整理しつつ、
実際の作品と見比べて、相違点などについてメモを取っていきました。
大抵のスケッチブックには、その日付が書かれているのですが、
いらなくなったチラシや紙の裏側にスケッチしているものも
あり、書かれた年代がはっきりと特定できないものも多く・・・。
微妙な鉛筆のラインから、どの時期なのかを判断するしかありません。
シャーロックホームズの如く、タッチや筆圧、用紙から
判断するのですから、まるで探偵のようです。
スケッチブックは、作品の基となるだけではなく、
完成した作品同様に、むしろそれ以上に作者の気持ちを
感じることがありますし、創造に苦闘した様子も垣間見ることができます。
一人の人間が必死に絵と格闘した様子が想像されて、
とても興味をそそられるものです。
もしも、他の美術館に行かれたときに、
何かしらのスケッチブックと出会うことがあったのなら、
完成した作品と見比べたり、作者の心のうちを想像してみると
面白いのかもしれませんね。