学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

月曜日の越しかた

2017-07-31 20:19:52 | その他
美術館に勤めていると、休館日の月曜日が休日になります。月曜日に休めるメリットは、どこへ行ってもガラガラでゆっくりショッピングやランチが楽しめること。逆にデメリットは、他の博物館や美術館の展覧会を見られないこと。最近では国立新美術館のように月曜日でも開館する美術館がいくつかありますが、やはり基本的には休みの館が圧倒的に多いのです。今は夏真っ盛り、外はぎらぎらと照り付ける太陽にて、いくらガラガラでも外へ行く気にはならず、一日家で過ごしていました。

部屋の片づけをしていたところ、以前はまっていたスーパーファミコンが出てきて、よせばいいのに「信長の野望 覇王伝」をやってみることにしました。1551年スタートで、大名は北出羽(今の秋田県あたり)の安東愛李を選択。まず隣の長尾家と最上家と同盟し、大名の安藤にありったけの兵をつぎ込んで南部家を攻略。次に伊達家、蘆名家と攻略。東北を統一(最上や従属の蠣崎はいますけれど)すると、必ずぶつかるのが小田原の北条家。佐竹、結城、上杉家と同盟を結んだうえ、内政で国力をあげてから、宇都宮家を攻略し、いよいよ北条の川越城へ。南部家に居た戦闘値の高い九戸政実に攻略を任せたところ、北条と同盟を結んでいた武田から援軍がやってきて大混戦。北条を相手にするだけでも大変なのに、武田まで加わると武将の質ではかなわない…。訓練度の差で何とか川越城を攻略して…と、あまりやりこむ気はなかったのですが、久しぶり過ぎてついついやりすぎてしまいました。

ま…たまにはこういう休みの過ごし方もありか…な(笑)
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バッティングセンターで思うこと

2017-07-30 21:26:44 | その他
ストレス解消を目的にバッティングセンターへ通いだしてから、おおよそ2年になります。そこそこ速い球を打てるようになってきて、私にとって楽しい時間を過ごすことができています。

時間帯にもよるけれど、バッティングセンターには色々な人が訪れます。親に連れられた小中学生やバッティングセンター近くの高校生、スーツ姿のサラリーマン、いかにも野球をやっていそうなガッチリとした体形の大人など。ときどき、若い女性が打っている姿も見かけるので、ずいぶん幅広い年齢層の人たちが通っているようです。

私が気になるのは、バッティングセンターで子供を指導する親の声。構えがおかしい、もっとひきつけて打て、ボールをよく見ろ…子供たちは大抵が親から怒鳴られていて、隣で打っている私も聞いているだけで心が痛くなります。もちろん、親は子供をもっと成長させたくて、熱の入れた指導になるのでしょう。それはとてもわかるのだけれど、子供が委縮してしまわないのかなあ、と私はいらぬ心配をするわけです。

もし私が親だったら、まずボールに目を慣れさせるために数球はボールの速さを知ることに使う。バットは持たせず、バッターボックスにただ立たせるだけ。次はバットを持たせて、なんでもいいから当てることに集中してもらう。あくまで当てるだけ。打たなくてよし。次は実際に打ってみる。フォームにこだわらず、ただ打ってみる。ゴロでもバウンドでもボールが前に飛べばOK。最後に打ち方のコツを教えてあげる。私は野球経験者ではないので、せいぜいそこまで。あとは子供が楽しめればよし。

子供のころ、私は臆病な性格だったから、怒鳴られると委縮してますますダメになる体質でした。私にはまだ子供はいないけれど、もしも息子や娘ができたら、そんな感じで教えてあげたいものです。甘い親になりそうかな(笑)
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専門の外の世界へ

2017-07-29 19:05:05 | その他
博物館、美術館の学芸員は、それぞれ得意としている分野、つまり自分が研究している専門分野を持っています。基本的に、学芸員(と限定せずに研究者全般ですね)はその分野に関する研究成果を、展覧会、カタログ、紀要、学会などで発表し、実績を積み重ねていくことになります。ですから、あの分野の研究に関しては誰それに聞くのが一番、というのがあって、実際にそういう人の書く文章はとても深い考察が加えられていて、内容も面白いことが多々有り。

先日、とある研究会へ出席してきました。そこで講師として壇上に立った方の言葉が印象に残りました。

「ある事象を研究しようと思ったら、一方向からの視点では物事の見方を誤る可能性がある。自分の専門分野から出て行って、他の分野のことをしっかりと勉強し、複合的な視点で研究にあたらなくてはいけない。もちろん、他の分野へ出て行くことは、場合によっては赤っ恥をかくこともある。が、それを恐れていてはだめだ。他の分野へ出ていくことは自分の視点を広げるだけでなく、新しい人脈をつくることでもある。それが、私の学問に対する取り組み方だ。」

自分の専門外へ出ていくこと。そういえば、作家の丸谷才一さんも著書『思考のレッスン』のなかで、自分の専門分野(ホームグラウンド)を持ちつつ、他の分野へどんどん出ていくことを勧めていました。

実際、その方の研究発表は、言葉を実証するかのように、ある事象に対して色々な分野からのアプローチを試みたもので、大変面白いものでした。自分の専門分野から出ていく、ということはなかなか難しいこととは思うのですが、今後の私の研究態度のひとつの指標となるような、得難い経験をさせていただきました。
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伊達政宗の生誕450年

2017-07-28 22:48:40 | その他
今朝起きてみれば、いつの間にか頭痛は止み、快適な朝を迎えることができました。やはり、早めに薬を飲んでおいて正解でした。健康第一ですね。

最近、私が読んでいる本は『東北の中世史4 伊達氏と戦国争乱』(遠藤ゆり子編 吉川弘文館 2016年)です。今年は私のふるさと、宮城県の先人、伊達政宗の生誕450年にあたり、現在の東北における中世史の最新の研究が知りたいと思い、買ってきた次第。まだ読みかけではあるのですが、中世の東北は領主間の複雑な婚姻関係のなかで、大崎氏や伊達氏の内乱、そこに勢力を伸ばしてきた出羽の最上氏が絡み合って、まさに戦乱真っ只中。『応仁の乱』と同じで、ちょっとメモを取りながらでないと登場人物がわからなくなる…。ただ、文章自体は読みやすいので、じっくり楽しみたいと思っています。

仙台市博物館では、10月から伊達政宗展を開催するそう。その予習も込めて、本を熟読したいものです。
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難敵、頭痛!!

2017-07-27 21:30:39 | その他
久しぶりに頭痛襲来です…。仕事中になんとなく頭が重くて眠気が取れないな、と感じていましたが、帰宅してから頭が締められているようにズキズキと始まりました。もうこうなるとお手上げです。

私は頭痛が始まると、まず頭痛薬を飲む(早めに飲まないと頭痛の痛みが治まりにくいのです)。それから、氷枕をして頭を徹底的に冷やす。もう対処方法はそれしかありません。

今回の頭痛の原因は…目の使い過ぎでしょうか。カタログ作成のための本読み、そしてデータによる原稿作成は、目に相当負担がかかって頭痛が起こるのかもしれません。明日の業務に支障をきたさないよう…今日は布団に入ることにします。では、おやすみなさい。
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すみだ水族館へ行く

2017-07-26 22:10:47 | その他
東京スカイツリーのなかにある、すみだ水族館は私のお気に入りの水族館のひとつ。国立科学博物館の「深海」展のあとに寄ってみました。

この水族館の特徴のひとつが、水槽内のライティングの美しさとゆったりと動く壁面の映像によって、水草や魚、クラゲなどの生きものが映えて見えること。水槽と生きものが演出する世界は、まるで現代アートを見るような感覚で楽しむことができます。現在は時節柄、企画展として金魚展とゲゲゲの鬼太郎とのコラボ展が開催されていました。夏祭りの夜店で見る金魚すくい、けれど、すみだ水族館の手にかかると、金魚がひどく高級魚のように見えてくるから不思議(笑)ゲゲゲの鬼太郎とのコラボ展も、ふわふわと浮くクラゲの性質を人魂や妖怪に見立てて展示するもので、とても面白いものでした。

見せ方、というのは美術館においても、とても重要なことです。作品の展示方法によって作品の印象がまるで違ってくる、それは分野は違えど、美術館も水族館も同じことなのかもしれません。今度、新しい展覧会を開くうえでの示唆を与えられたような気がしました。
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国立科学博物館「深海」展を見る

2017-07-25 21:09:23 | 展覧会感想
子供のころ、ドキドキハラハラしたアニメ映画のひとつが「ドラえもん のび太の海底鬼岩城」でした。いつもの仲間たちで、ドラえもんの秘密道具「テキオー灯」とバギーで、海底深くまで潜り、キャンプをして楽しむけれど、海底人と知り合うことでアトランティスの謎が…という話。私はミステリーが好きな子供だったので、特に魔の海域バミューダトライアングルにまつわる話にはドキドキしたのを覚えています。

現在、国立科学博物館では「深海 2017」展を開催しています。「深海」とは海の表面から200m以上深いところを指す言葉だそう。まだまだ謎の多そうなイメージの「深海」が気になって見てきました。「のび太の海底鬼岩城」では明るい世界が広がっていた海底も、現実では当然のことながら光が届かない暗い世界。深海に住む生きものたちの紹介から始まり、光を使ってわが身を隠すもの、光を使って餌をおびき寄せるもの、光がレスキューの合図となるもの…深海の生きものにとって光は非常に重要な役割を果たしていることを教えてくれます。美味しい美味しいホタルイカも深海の生きものだったことを知りました。さらに進むとダイオウイカのホルマリン漬けもあります。スルメイカと比較すると、もう何十倍もの大きさです。そして、東日本大震災のメカニズムも紹介。震災3日後に、潜水調査船で三陸沖の海底を調査し、プレートのゆがみでできた亀裂を突き止めるなど、巨大津波の謎を科学的に解明するのに寄与したことも初めて知りました。

いつも仕事で美術のことばかりを考えているせいか、全く分野の違う科学の世界を知ると頭がリフレッシュするような気がします。そういえば、私たちはいつの間にか文系と理系のうちどれか一つを選択肢として選ぶ生き方を取るような時代になっていて、ひとつを選択してしまうと、もう一方への関心や興味が薄くなっていく傾向があるように思います(私だけかな)。文系、理系の境界線を外して、興味や関心の幅を広げていくと人生がもっと楽しくなるのかもしれません。実際、今日は楽しい人生でしたし(笑)とても混んでいたけれど、また行って見たい展覧会でした!
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芥川龍之介没後90年

2017-07-24 21:03:57 | その他
1927年(昭和2)に岩波文庫創刊、と以前のブログで書いていて、ある一人の小説家を思い出しました。小説家の名前は芥川龍之介。90年前の今日、満35歳でこの世を去りました。岩波文庫からも新刊で『芥川追想』が刊行されていますね。

一時期、芥川の小説はずいぶん読みました。『鼻』、『芋粥』、『藪の中』、『地獄変』、『煙草と悪魔』、『河童』など。まじめな小説ばかり書くのかと思いきや『桃太郎』や『猿蟹合戦』などの変な小説もあって。私が特に読んでいたのは『歯車』、『ある阿呆の一生』でした。芥川の最晩年であまり精神状態がよろしくない時期に書かれた2作。当時私自身がなんとなく世の中につまらなさや生きにくさを感じていて、そんな部分と共鳴したところがあったのかもしれません。

今は芥川の小説をほとんど読まなくなってしまったけれど、手元には以前神田神保町で買い求めた単行本が一冊だけ残っています。『大道寺信輔の半生』(岩波書店)で、小穴隆一装幀、芥川の亡き後の1930年(昭和5)に刊行されたものです。小説を読んでいると、その作家と対話しているような気がする、という思いはほとんどしたことがないのですが、この本だけは読んでいると芥川の精神に触れているような気がするのです。本が辿ってきた歴史の重みもあるのかも。

90年後も読み続けられる小説を書いた芥川龍之介。今日は改めて芥川の冥福を祈ることにしましょう。
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カタログ作成開始

2017-07-23 21:50:35 | その他
企画展準備も佳境。今日から、いよいよカタログ作成です。カタログに掲載するものは、論文、図版、参考文献、年譜、作品リストなど。言葉で書くと、ただこれだけなのですが、執筆する分量はものすごく多い。また、展覧会の記録として残るのがカタログであり、後の調査研究に寄与する必要性があることから神経をものすごく使います。

集中して文章を書く、という行為は体力を消耗します。今日は朝イチから執筆に取り掛かったものの、集中力が継続したのは午前中まで。午後になると、参考文献を読んでも頭に入らず、文章を書くスピードも落ちてきたので、思い切って今日は切り上げて、散らかった机上整理を始めました。今日はざっと30ページほどが終了。久しぶりに根つめたせいなのか、体にどっと疲労感がでて、帰宅した今もヘトヘトです。

久しぶりのカタログ作成だったので、自分の執筆ペースを忘れてしまったのかもしれません。まだ時間に余裕があるので、少しずつ丁寧に進めていくことにしました。今日はビールでも飲んで寝ることにしましょう(笑)それではおやすみなさい。
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足利市立美術館「リアルのゆくえ」展を見る

2017-07-22 21:24:07 | 展覧会感想
私が小中学生だったとき、上手な絵とは写真のように描くことだと思っていました。というのも、私の友達は絵を描くのが得意で、美術の授業で彼の絵を見るたびにうまいものだと感じましたし、現に先生もべた褒めしていました。小中学生のときは先生の評価が大きな基準でしたから、それはそれは影響を受けたものです。けれど、だんだん年を経て、いろいろな絵を見ていくうちに、あれ、必ずしも写真のような絵がいいわけでもなさそうだぞ、と思うようになりました。あくまで表現方法のひとつであると。

栃木県の足利市立美術館では「リアルのゆくえ」展が開催されています。リアル、すなわち写実とは何か、を高橋由一や岸田劉生、そして現代の作家まで幅広い作品によってたどるものです。ぐるりと展示を見て感じたことは、一言で「リアル」といっても、その解釈の仕方は時代や作家ごとに違っていること。そして、岸田劉生の存在がカリスマ的であり、同時期あるいはそれ以降の作家にかなりの影響力を及ぼしていること。展覧会場では、それぞれの作家が考える、リアルとは何か、を示唆する言葉がパネルになっているおり、絵を読み解いていくうえでの手掛かりになるのでありがたい。

展覧会場はお客様でいっぱいでした。展覧会自体が面白い試みであることは間違いないと思うのですが、もちろん高橋由一や岸田劉生のビッグネームが見られるということと、そして抽象ではない写実への安心感を持つ人が多いこともあるのでしょう。個人的なことを申せば、最近の私は現代アートを見ることが多かったので、こうした絵らしい絵、すなわちリアルな絵を見ることに、どこかホッとするところがありました。どうも私の頭のなかには、小中学生のときから写実への安心感が根付いているのかもしれません(笑)
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