お金とはなんだろう。お金があれば、私たちは贅沢ができる。生きるために必要とされる衣食住はすべてまかなえるし、そもそも仕事をしないでも遊んで暮らせる。毎日が楽しくなるだろう。けれど、そこに幸せがあるのだろうか。そもそも幸せとは何?と、考え出すと、とたんにきりがなくなります。
ハウフ『盗賊の森の一夜』を読了しました。小説のプロットとして、盗賊に襲われる可能性のある旅籠での話が大きな筋になっていて、そこに夜通し話しをする人物たちの短編が入ってくる、というものでした。短編のほうは、メルヒェンを通して、人間とお金との関係、あるいは幸せとは何かがテーマになっていたような気がします。金におぼれるものは身を亡ぼす。よく言われるテーマですよね。私が気になっていた「冷たい心臓」の続きが、ハッピーエンドだったのは救いです(笑)
この小説のように、一室に集まって、男たちが夜通し話をする。同じようなスチエーションで日本と関係するものがなかったかなあ、と考えてみるにありました。江戸時代の百物語です。一部屋に集って夜通し怪談話をし、100話目の話が終わると、ろうそくが消えて幽霊が出る、というものですね。19世紀初頭の日本とドイツ、電気もない時代、どの世界でも似たようなことがあったのかもしれません。
ハウフ『盗賊の森の一夜』はメルヒェンとしても、そしてお金に対する教訓としても、私たちを今なお楽しませてくれます。
・『メルヒェン集 盗賊の森の一夜』ハウフ作、池田香代子訳、岩波書店、1998年
ハウフ『盗賊の森の一夜』を読了しました。小説のプロットとして、盗賊に襲われる可能性のある旅籠での話が大きな筋になっていて、そこに夜通し話しをする人物たちの短編が入ってくる、というものでした。短編のほうは、メルヒェンを通して、人間とお金との関係、あるいは幸せとは何かがテーマになっていたような気がします。金におぼれるものは身を亡ぼす。よく言われるテーマですよね。私が気になっていた「冷たい心臓」の続きが、ハッピーエンドだったのは救いです(笑)
この小説のように、一室に集まって、男たちが夜通し話をする。同じようなスチエーションで日本と関係するものがなかったかなあ、と考えてみるにありました。江戸時代の百物語です。一部屋に集って夜通し怪談話をし、100話目の話が終わると、ろうそくが消えて幽霊が出る、というものですね。19世紀初頭の日本とドイツ、電気もない時代、どの世界でも似たようなことがあったのかもしれません。
ハウフ『盗賊の森の一夜』はメルヒェンとしても、そしてお金に対する教訓としても、私たちを今なお楽しませてくれます。
・『メルヒェン集 盗賊の森の一夜』ハウフ作、池田香代子訳、岩波書店、1998年