学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

今夜の晩御飯

2006-11-29 21:22:35 | Weblog
今夜の晩御飯は、まいたけの味噌汁と大根の煮物です。
冬は煮物を作ると、体が温まりますし、翌日の朝にも
食べることができるので重宝します。

自分の作った料理は、そこそこおいしいと思うのですが、
母の料理には到底かなわない。
だから、実家へ帰ったときには、御飯がおいしくてたまらないのです。

これからワインを飲んで寝ます。
気ままな一人暮らし!
今日は、晩御飯のお話でした。


混雑する展覧会なら

2006-11-28 21:17:00 | Weblog
今日、職場に出勤したら机の上に東京都美術館からの
パンフレットが置いてありました。
「オルセー美術館展」(展覧会名は正しくないかもしれません)で、
ゴッホが表紙を飾っています。
展覧会は面白そうでしたが、同時にかなり混雑しそうな予感もしました。

混雑している展覧会をスムーズに見る方法はないものでしょうか。

私は混雑すると思われる展覧会にいく場合、まず、ある程度出品作品の
予習をしていきます。例えばオルセー美術館展なら、オルセー美術館の
概要、コレクション、次にゴッホ、ホイッスラーなどの作家について調べる。

そのように予備知識を付けたうえで、展覧会会場へ入ります。
会場では、展覧会場の初めにある「ごあいさつ」だとか、テーマごとの
説明文は飛ばして、いきなり作品を見に行きます。
(担当学芸員の方、苦労された文章なのに申し訳ないです!)
予習のおかげで、自分なりの見所を掴んで居るため、
惰性で絵を観ることがなく、短時間で十分味わうことができます。

一通り見終わったら、引き返し、気になる作品をもう一度見に行くわけです。

美術館を見るのに予習するの?
少し堅苦しいのかもしれませんね。
でも、とても短時間で面白く絵が見られますよ!


オススメ本 2

2006-11-27 19:49:25 | Weblog
今日は頭痛がして、体調不良。
しかし、私はブログを更新せねばならない(笑)
昨日は帰ってきたのが深夜12時過ぎてしまったので、
更新かなわず・・・。
頭痛は多少の疲れ?

オススメ第2弾は「ギョッとする江戸の絵画」辻惟雄 著です。
内容は江戸時代における異端の画家を独自の視点で紹介するものです。
辻先生の名著のなかに「奇想の系譜」と「奇想の図譜」があるのですが、
その内容をわかりやすくしたものといえるでしょう。
岩佐又兵衛、狩野山雪、白隠、曾我蕭白、伊藤若冲、長沢盧雪、
葛飾北斎、歌川国芳の8名が登場します。
前述したように文章が平易であること、また、一風変った作家を
取り上げているので、これから日本美術を学ぼうとする人にとっては
取っ掛かりやすいテーマなのかもしれません。
私はお風呂の中で、ゆったりと読んでいました(笑)

どうぞ辻先生の「ギョッと」する文章を味わって見てください!

むかしのこと

2006-11-25 22:12:44 | Weblog
帰宅後「若冲と江戸絵画展」の図録を読んでいたら、
ふと懐かしい記憶が蘇りました。

彼女・・・もう別れてしまいましたが、美術が好きな人で、
その日も絵画の話をしていました。
いつの間にか狩野派のことに話が及び・・・。

彼女「狩野派っていいよね。」
私 「狩野派?どこがいいんだ?(学芸員としてではなく、個人的な意見です:笑)」
彼女「見ていて落ち着くじゃない。」
私 「そうか?俺は若冲の方がずっと好きだけどな」
彼女「あ~だめ。それは。私のセンスと合わない。」
私 「あ~そう。じゃあ西欧ならどうだ。」
彼女「私はロートレックとかモンドリアンかな。」
私 「ドラクロワは?」
彼女「暗くて嫌!」

そんなたわいもない話をしたものです。

本を閉じ、ソファーへ横になってみる。
部屋のなか、私は一人ためいきを。
遠くで電車の音がする。
今宵は悲恋の子守唄。




岡山旅行計画中!

2006-11-24 21:14:25 | Weblog
私は歴史ある街並みが好きです。
福島県の会津若松、宮城県の登米、山形県の鶴岡など、
どれも素敵な街でした。

そこで12月に岡山、倉敷へ旅行に出ようかと思います。
自分を探しにね(笑)
もちろん、きままな一人旅です。
今日は旅行案内を買ってきて、コーヒーを飲みながら、
何処へ行こうか考えていました。

そんなゆったりとした休日。
明日からまた仕事。
この旅行をモチベーションにして、一生懸命頑張ります!

テレビ局の取材を受ける

2006-11-23 20:34:24 | Weblog
学芸員がいくら魅力的な展覧会を行ったとしても、
当然のことながら、広報をしなければ意味がありません。

私の勤める美術館では、
1.市の広報誌に展覧会情報を掲載
2.ホームページ
3.マスコミ関係者へPR活動
4.県内博物館、美術館にパンフ及びポスターの送付
5.市内のお店へ伺い、ポスターを貼っていただく。
以上の5つを広報活動として行っています。

このなかでも最も効果が大きいのが、やはりマスコミです。
新聞、テレビに取り上げていただけると、翌日の入館者が
一気にアップします。

前置きが長くなりましたが、今日はテレビの取材を受けました。
学芸員がカメラの前で解説するケースもあるのですが、
今日は展示室風景のみを撮影です。
学芸員一年目の頃は、記者さんに対して気を使いすぎていたらしく、
「いやあ、私も長年記者やってますけど、あなたほど腰の低い学芸員は
見たことが無いですよ。」と言われました(笑)
今となっては、いい思い出?ですね。

テレビを見て、少しでも多くの方が美術館を利用してくれれば・・・
と思います。


私の食生活

2006-11-22 20:10:02 | Weblog
私は一人暮らしをしています。
大学時代は実家から通っていましたので、一人暮らしは
就職してから。
料理なんて絶対にできない!と思っていたら、
追い詰められる?と意外に出来るもので、
時間に余裕のあるときには自炊をしています。

得意料理は・・・なんだろう。
館長直伝の野菜スープかな・・・。
寒い時期などはにんにくを入れると、体がとても温まります。
この時期には欠かせない料理!

お昼は、基本的にお弁当を買いに行きます。
ですから、たまに自分で作ってくると、スタッフから
「誰に作ってもらったわけ~?」と冷やかされます(笑)
「いや~まいったな~」と切り返す自分も自分ですが。

学芸員は体力勝負。
きちんと栄養をつけて、仕事に望みます。
(以前、朝食抜きで展示替え作業をやっていたら、眩暈がして
ダウンした経験があるのです)
明日の献立はどうしよう・・・。
そんなことを考えながら、スーパーの店内を歩くのでした。

学芸員になったきっかけ

2006-11-21 21:03:10 | Weblog
この仕事をしていると、どんなきっかけで学芸員になったのかを
聞かれることがあります。
改めてきっかけと言われても・・・ととまどってしまうのですが、
私の個人的な青春?を思い出しながら、御紹介しましょう。

私は小学5年生の時分、友達の影響で歴史が好きになり、
殊に戦国時代に興味・関心を持ちました。
ちょうどその時期、校外学習で仙台市博物館に行く機会がありまして、
伊達政宗の甲冑に、ただ単純にかっこいい!と感激したのです。
当時は学芸員という職があるのを知らなくて、考古学者になりたいと
考えていました。今思うと、ちょっと見当外れですよね(笑)

高校3年生になり、いよいよ進路を決めざるを得ません。
適当に就職の本をめくっているうちに、学芸員の職を発見!
これだ!と思って、史学科のある大学を受けましたが、
落ちました(泣)それなら、ある程度妥協するしかないか・・・と
美術を学べる大学に進学したのです。
結果的に、それが功を奏しました。

大学では日本美術全般を学びましたが、特に伊藤若冲を
中心に勉強をしていました。
卒論は「旗指物のデザイン」。
歴史と大学で学んだ美術を組み合わせた論文でした。
就職ではやはり苦戦を強いられ、周りのみんなが次々に決まっていくのを
うらやましく思ったり・・・。
茨城の美術館を受けた帰りは、余りの情けなさに泣けてきました。
本当、みっともないですよね(笑)
でも運良く大学4年の2月、もう卒業ぎりぎりでしたが、
就職が決まり、現在に続くわけです。

この仕事に就いて、良かったと思うこともあり、
やめたいと思ったこともあり・・・。
半々くらいでしょうか。
初めの頃、私は学芸員になって、何をやりたかったんだろう?
ふと考えたりもしました。
結局、大学の時分は、ただ単に学芸員になりたいと思っていただけで、
何をやりたいのかを具体的に考えていなかったんですね。
今は将来のビジョンを持って、仕事に取り組むようになりました。

私の学芸員になったきっかけはそんなところです。
大学時代のことなどは、そのうちもっと具体的に紹介できればと
思っています。
そんな私の他愛も無い話でした。



オススメ本 1

2006-11-20 21:24:39 | Weblog
突然ですが、これからは、ときどき「オススメ本」として
美術を学ぼうとする方に本を御紹介していきたいと思います。
なるべく絶版のものは紹介しないように気を付けますね。

第1回目 「名画を見る眼」 高階秀爾著 岩波新書
高階先生が書かれた西洋美術入門書です。
第一版が1969年ですから、もう随分前になるわけですが、
文章は決して色褪せてはおりません。
15世紀のファン・アイクから19世紀のマネまでの16人と
各作家の代表作1点を選び、深く読み解いていこうとするものです。
絵のなかに隠された秘密を紐解いて真実を探ろうとすることは、
ミステリー小説にも似た感覚を覚えます。
展覧会においては、絵を一目見たときの自分なりの印象も大事ですが、
歴史的背景を知ったうえで、絵を見るとまた違った印象を持つ場合も
あることを教えてくれる本です。
(絵を見るうえでは自分のセンスも勿論大事ですから、時代背景が
全てではないことを断っておきますね)
文章も平易ですし、新書ですから手軽に読むことができます。

ちなみに、私は高階先生にお会いしたことが一度だけあります。
いや、正確に申せば、遠くに見かけただけなのですが(笑)
私のようなまだまだ若手?の学芸員にとっては雲の上のような
方なのです。私にとって憧れの先生ですね。

今日も、明日も論文フェア?

2006-11-19 23:19:37 | Weblog
今日は、一日のほとんどを論文を書くのに費やしました。
午前中に細々とした仕事を終わらせ、午後から一気に取り掛かり、
<はじめに>は何とか終了!

私の場合、事務室で論文を書くことはほとんどありません。
お客様なり、電話が鳴ったりで集中できないからです。
たいてい美術館では材料をメモなりコピーをして、
家で取り掛かることがほとんどですね。
ですから、今日は本当にまれなケース!

明日から連休ですが、教育普及の論文(前述した論文とは
別件です)を書く予定です(泣)
どうも一日雨のようですから、おとなしくしていたほうが
良さそうですしね。
それでは、おやすみなさい。