このところ、またバタバタと仕事が忙しく、家に帰ってくると、ただ晩御飯をかきこんで寝るだけの毎日が続いています。そんな毎日のなかで、楽しみのひとつが、お風呂にゆっくり浸かることと、高階秀爾先生が書かれた『名画を見る眼』を読むこと。以前、コラボを試みて、お風呂に浸かりながら『名画を見る眼』を読んでいたけれど、本を読むのに夢中になって、体がのぼせるからやめておいた(笑)。
『名画を見る眼』は、西洋美術を代表する作家数名と各1作品にスポットを当てた本です。その作家のその絵のどこがスゴイのか、を謎解きをするように話が進んでいきます。初めてこの本を読んだとき、1つの絵からこんなに世界が広がるんだと驚き、心がときめいたことを覚えています。丸谷才一が、小説の行間と行間の間には社会が書かれていなければならない、というようなことを書いていたと記憶していますが、絵を読み解くのも同じことで、ただ1つの絵があるのではなく、その絵にどんな社会が描かれているのか、あるいはその絵が生まれたときにはどんな社会があったのかを文章で記すことも大切な要素と私は考えています。
学芸員の私にとって『名画を見る眼』は、今でも作品を読み解くためのテキストです。と同時に、夜、仕事に疲れた体と頭を抱えながらでも、気楽に絵と向き合うことのできる本でもあります。今夜もまた本を開いて楽しみたいですね!
『名画を見る眼』は、西洋美術を代表する作家数名と各1作品にスポットを当てた本です。その作家のその絵のどこがスゴイのか、を謎解きをするように話が進んでいきます。初めてこの本を読んだとき、1つの絵からこんなに世界が広がるんだと驚き、心がときめいたことを覚えています。丸谷才一が、小説の行間と行間の間には社会が書かれていなければならない、というようなことを書いていたと記憶していますが、絵を読み解くのも同じことで、ただ1つの絵があるのではなく、その絵にどんな社会が描かれているのか、あるいはその絵が生まれたときにはどんな社会があったのかを文章で記すことも大切な要素と私は考えています。
学芸員の私にとって『名画を見る眼』は、今でも作品を読み解くためのテキストです。と同時に、夜、仕事に疲れた体と頭を抱えながらでも、気楽に絵と向き合うことのできる本でもあります。今夜もまた本を開いて楽しみたいですね!