学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

サントリー美術館「誇り高きデザイン 鍋島」展

2010-09-28 20:54:40 | 展覧会感想
現在、サントリー美術館では「誇り高きデザイン 鍋島」展を開催しています。「鍋島」とは焼物(磁器)のことです。江戸時代、九州の佐賀藩が徳川家や各藩に贈りものとして作陶しました。「鍋島」の由来は、佐賀藩を治めていた藩主鍋島氏の名字を取ったものなのでしょう。恥ずかしながら、私はこの展覧会を知るまで「鍋島」を知りませんでしたが、とてもすばらしい磁器であることを知りました。

「鍋島」は景徳鎮の輸入が困難になったことから、その代わりとして佐賀藩が独自に考え出した磁器であるそうです。「鍋島」は、もちろん飾って楽しむものではなく、実際に人が使用していたもの。展覧会場に並ぶ「鍋島」を見て、どんな食べ物がお皿のうえに乗ったのか、考えて楽しむのもまた一興(笑)。私が特に好きなのが《薄瑠璃染付花文皿》です。花の文様を抽象化して、花火のように散らしたお皿です。現代でも十分通じるデザイン性に驚かされました。(サントリー美術館のホームページに画像が載っています)

また、江戸の新しい一面を知ることができました。とても見ごたえのある面白い展覧会!ぜひオススメです。

休日はのんびりと

2010-09-27 20:08:58 | その他
雨降る寒い一日。外へ出るのも億劫なので、一日読書をして過しました。

先日、東京へ行ってきました。目的は国立新美術館で展覧会を見ること。その後、サントリー美術館へまわって、「鍋島」焼の展覧会を見てきました。「和」はとても落ち着きます。展覧会の感想は後日ブログでご紹介したいと思いますが、その帰り、日本橋の「とらや」さんで、いよかんを買ってきました。はちみつ味です。今日は、それを食べながら緑茶を飲んで、のんびり過しました。我ながら渋い!(笑)

明日もまた雨のよう。また新しい一週間の始まり。気を引き締めて、頑張らなくてはなりませんね!

近況報告

2010-09-23 21:23:45 | 仕事
長月もそろそろ終わり。いつのまにやら、うだるような暑さもおさまり、随分すごしやすくなってきました。今日は雨。ひさしぶりにスーツのジャケットを羽織りましたら、どうもきつくて着心地が悪い。しばらく着ないうちに太ってしまったようで…。ぎこちない着こなしで、職場へ向かいました。

今はだいぶ余裕を持って仕事ができる時期なので、前倒しして仕事を進めています。余裕がないとミスが連続してしまいますが、余裕があれば見直しもできるし、それほどストレスを感じることなく仕事をこなしている今日この頃です。秋から冬にかけては、学校での出張講座や社会教育施設での講師などのスケジュールが入っており、人前で話す機会が多くあります。学生時代の私は人前で話すことなど全然できませんでしたが、慣れというものでしょうか、仕事を始めてからは緊張はほとんどしなくなりました。これからの仕事は人と人のふれあいが多くなります。臆することなく、しっかり努めなければと気を引き締めています。

明日は休日なので、東京の国立新美術館へ新制作展を見学に行きます。明日はどうやら雨のよう。乃木坂駅から雨に濡れずに美術館へ入れるのはとてもありがたい限りです。久しぶりの東京を楽しんできたいと思います。


宇都宮、歴史をめぐる②

2010-09-16 22:05:35 | その他
宇都宮城を北にまっすぐ行くと、宇都宮の中心市街地になります。ここを東西に横断するように流れているのが、釜川です。「釜川」の由来は、釜川にかかる御橋(みはし)の下に穴のあいた大きな岩があって、そのかたちが釜に似ていたから、だそうです。

釜川については、昭和初期に宇都宮中心街で生まれ、今は作家として活動をされている方からお話を伺ったときがあります。なんでも強い雨が降ると、やたらと氾濫して、橋を流したそうです。特に宇都宮は東に比べて、西が低いために、大雨になると高さのない西側に水が集中して大変だったとか。そんな被害があったためでしょう。今は二層構造河川で整備され、氾濫することはなくなったようです。




ところどころにある石垣。野面積み、といえるのかわかりませんが、石を巧く配しているように見えます。釜川は整備されたとはいえ、側面の石垣には古さを感じます。江戸時代までさかのぼらずとも、古いものをそのまま生かしているようです。



これも側面の石です。石というよりも岩ですね。とても大きいものでびっくりしました。こうしたものがたくさん使用されています。河川整備のためにここまで大きな岩をわざわざ運んでくるとは思えませんから、やはりこの岩も相当に古いものなのでしょう。釜川の側面の石は、あまり気付かれないもののようですが、私は趣があって好きです。




これが御橋(みはし)です。宇都宮城側(南側)から北に向かって撮影しました。宇都宮城の城主がこの橋を通って、北側にある二荒山神社に向かっていたために、「みはし」と名づけられたそうです。ただ、この橋には意味があって、この橋の北側は一般庶民の生活エリア、橋の南側は武士の生活エリア、というように橋を境にして生活圏が区別されていたそうです。ですから、一般庶民は御橋を渡ることはできなかったとか。さて、釜川の由来ともなった御橋の下には、今も釜のかたちをした岩が残っているのだろうか、と思って見てみましたが、よくわかりませんでした。ちょっと残念!


今はまっすぐに流れる釜川も、江戸時代の頃までは渦を巻いた流れであったとか。江戸時代の地図をみると、たしかに釜川は円を書いたようなかたちで流れています。宇都宮は二荒山神社の門前町として栄えましたが、この神社の神紋は左巴(ひだりどもえ)なのです。人々は神社と釜川の流れに共通点を見出して、宇都宮を神秘的な場所と考えていたそう。川の流れひとつ取ってみても、とても面白いですね。

次回は二荒山神社をご紹介したいところですが、写真がありませんので…また近いうちに宇都宮を歩いて、改めてご紹介します。


宇都宮、歴史をめぐる①

2010-09-15 19:56:38 | その他
栃木県の宇都宮を歩いてきました。まずは宇都宮城から…と言っても、宇都宮城のなごりはほとんどなく、いまは近年建てられた模擬天守を見ることができます。その街の歴史を知る方法はさまざまにありますが、私の場合は図書館へ出かけたり、近代であれば古写真、絵葉書などを探して過去を調査します。そうしてもうひとつ大事なこと、それは地元の方にお話を伺うことです。




宇都宮城の模擬天守は写真を撮影するのを忘れました…。代わりに撮ったのは、この1枚。宇都宮城の南にある土塁跡?です。少年時代、宇都宮城跡で育ったという男性に話を聞きましたら、子どもの頃は城の堀でよく魚釣りをしたそうです。この辺りは蛇がうようよとしていて怖かったとか。現在はその堀は埋め立てられてありません。

宇都宮城の特長は、天守に石垣を使わなかったことだそうです。土塁で建てたんですね。再建された宇都宮城も見た目は土塁のように再現されていますが、その地続きで南側にこの写真の土塁があります。男性の話によれば、おそらくこれは当時の土塁ではないかとのこと。魚釣りに来ていた当時、この土塁はあったそうです。私も土塁を見極めるほど目が肥えていないので、土塁跡?にとどめておきます。




土塁跡?の笹。見事に緑が美しいですね。たしかにこの一帯だけ、自然の草が生えていて、太い幹の木々がどっしりと立っています。今は憩いの場。私が行ったときはちょうどお昼どきで、木陰で昼寝をしている人たちを何人か見かけました。兵どもは夢の跡、ですね。





とてつもなく大きなイチョウの木です。宇都宮城から北西の方向に立っています。これは宇都宮城の数少ない遺構。宇都宮城の三の丸にあったイチョウの木です。樹齢400年と言われ、宇都宮城主本多正純(ほんだまさずみ)が街を整備し始めたころのものといいます。400年前の人々も、このイチョウを見ていたのでしょうね。写真をご覧になるとわかりますように、現在の三の丸跡は東西に大きく道路が伸びています。もともとは城郭の一部でしたから、明治になってこのように道路を作ったのでしょうね。ちょっとさびしい気がしますが、これも時の流れなのでしょう。


肝心の宇都宮城模擬天守を撮影するのを忘れてしまいました(泣)明日はイチョウの木から北に歩をすすめて、市内中心部を流れる釜川付近をご紹介します。

歴史を感じながら街を歩く

2010-09-14 22:58:11 | その他
ようやく猛暑がおさまり、涼しい日が続くようになりました。今宵は雨が降っていて、なおさら涼を感じます。ひどい暑さの夏だった…。

近頃の私、余暇を利用して街歩きを楽しんでいます。ただ歩くのではなく、その街の歴史を感じながら歩く。一年前にNHKで放送されていた「ブラタモリ」のような歩き方といえばわかりやすいのかもしれません(笑)

この間は、足をのばして栃木県宇都宮市の街なかを歩いてきました。宇都宮には、かつて宇都宮城がありました。現在は模擬天守があるものの、当時を偲ばせるものは周りにはほとんどありません。けれども、そこに城があって、街が発展してきた歴史的な事実があるわけですから、なにかしらの痕跡が残っているはず。そう思って、ぐるぐると街を歩いてきたのです。

涼しくなり、ようやく心持が良くなってきたところで、明日からは写真で紹介しながら街歩きをご紹介したいと思います!

今宵は涼しく

2010-09-08 21:44:17 | 仕事
朝から雨が降り続いて、気温もさして上がらず、とつぜん秋になってしまったような感があります。涼しくなったら涼しくなったで、あの暑さが懐かしい気持ちがしてきます。ただ、今年の暑さは異常だった!(泣)

秋。私の場合、どうも毎年秋に体調を崩すことが多いので気をつけなければならない時期。暑さが落ち着いて寒くなってくる。そうした季節の変わり目は何となく気分もどんよりして、あまり気持ちが落ち着かないせいなのかもしれません。

秋といえば…食欲の秋、読書の秋、芸術の秋、どうしてこんなに「秋」があるのかはわからないけれども、逆に申せばいろいろなことにチャレンジできる季節。このところの私はどうも気分が乗らなくて、ぼんやりと休日を過すだけになっているのですが、そろそろ気を引き締めなければな、と思います。

何だか、まったく脈絡のないことを書いてしまいました。明日は休み。しっかり静養して、英気を養うことにいたしましょう…。

筋肉痛を防ぐため

2010-09-06 19:03:47 | 仕事
そろそろ当館は展示替えがせまっています。

展示替え作業は段取りが勝負です。作品を撤去、展示する際には慎重にやらなければなりませんが、それ以外のところでいかに効率よく進めるか、というところ。仕事は段取り八分、の言葉がありますが、展示替えもまさに同じことが言えるわけです。

展示替えの仕事は何十回もこなしてきましたが、私が一番大変なのはライティング。つまり照明の調整です。当館には照明調整用の移動式の車がないため、全て脚立で行っています。この脚立の上り下りが足にこたえます…。いつも運動不足であることを実感させられる仕事なのです(泣)

筋肉痛防止のため、今日からストレッチをしようかな…と思った一日でした。



喜多方ラーメン

2010-09-04 19:40:12 | その他
今日は展覧会準備のため、キャプションや解説パネルなどを作成しました。当館はすべて手作り。パネルなどはカッターで曲がらないように気をつけながらカットしていきます。まるで職人のように微妙なコツと技術で作りますので、随分神経も使います。おかげで今日はクタクタ。

今夜は喜多方ラーメンが夕食です。会津若松へ行ったときに、おみやげで買ってきていたのです。縮れ面のうえにチャーシューやメンマ、なると、ネギなどを乗せて美味しく食べられました。ラーメンは毎日食べても飽きず…今度は本場喜多方市へ行ってラーメンを食べてきたいものですね!

明日もまた暑くなりそう。体調管理には気をつけて過して行きましょう!