(イスラーム過激派の訴えを見ていると、イスラエルという国は十字軍の再来だという。十字軍の遠征で中東はむちゃくちゃに虐げられた。今こそイスラームの声を上げよう、という勢力が存在する。)
それは、社会的、経済的な矛盾をそういう壮大な物語によって吸収させてしまおうとするわけだ。その人たちから見ると、イスラエルは最後の十字軍、最後の植民地に見える。だから地上からイスラエルを抹殺する、という論理になっていく。イランのアフマディネジャド大統領は、それを公約にしている。
これからの国際秩序は、暴力によって物事を変えていくという方向に変わる可能性が非常に高い。それを抑えるために、いろいろな工作をしなければならない。
〈例〉中国も国際秩序を一方向に変えていこうとしている。中国の論理とイスラーム過激派の論理は似ているところがあるわけだ。尖閣だって、「先に見つけたほうの領土になるというのは帝国主義の論理だーっ。だから日本による尖閣奪取は中国侵略の第一歩だ。だから中国は力でこの状況を変えても構わない」なんていう論理は、イスラームの過激な考えの人と似ている。
中国の過激な考えの人たちは、「レーザー照射はしていない。(軍艦でレーザー照射をしておいて)照射されたというのは日本がウソをついているのだ、こいつらは昔からウソつきの傾向があるからな」と、盧溝橋とか柳条湖とかそんな話まで持ち出して世界でプロパガンダをやっている。この面倒臭い中国をどうやって封じ込めていくか。これは、イスラームの過激な勢力を封じ込めていくということと同じ課題なのだ。今、世界はそっちに向かって動いている。
□佐藤優「イスラーム過激派に対抗する「バチカン世界戦略」」『佐藤優の10分で読む未来 ~新帝国主義編~』(講談社、2014)
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【参考】
「【佐藤優】教皇の若返りが必要な理由 ~バチカン世界戦略(2)~」
「【佐藤優】改革派の教皇、保守派の教皇 ~バチカン世界戦略(1)~」
それは、社会的、経済的な矛盾をそういう壮大な物語によって吸収させてしまおうとするわけだ。その人たちから見ると、イスラエルは最後の十字軍、最後の植民地に見える。だから地上からイスラエルを抹殺する、という論理になっていく。イランのアフマディネジャド大統領は、それを公約にしている。
これからの国際秩序は、暴力によって物事を変えていくという方向に変わる可能性が非常に高い。それを抑えるために、いろいろな工作をしなければならない。
〈例〉中国も国際秩序を一方向に変えていこうとしている。中国の論理とイスラーム過激派の論理は似ているところがあるわけだ。尖閣だって、「先に見つけたほうの領土になるというのは帝国主義の論理だーっ。だから日本による尖閣奪取は中国侵略の第一歩だ。だから中国は力でこの状況を変えても構わない」なんていう論理は、イスラームの過激な考えの人と似ている。
中国の過激な考えの人たちは、「レーザー照射はしていない。(軍艦でレーザー照射をしておいて)照射されたというのは日本がウソをついているのだ、こいつらは昔からウソつきの傾向があるからな」と、盧溝橋とか柳条湖とかそんな話まで持ち出して世界でプロパガンダをやっている。この面倒臭い中国をどうやって封じ込めていくか。これは、イスラームの過激な勢力を封じ込めていくということと同じ課題なのだ。今、世界はそっちに向かって動いている。
□佐藤優「イスラーム過激派に対抗する「バチカン世界戦略」」『佐藤優の10分で読む未来 ~新帝国主義編~』(講談社、2014)
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【参考】
「【佐藤優】教皇の若返りが必要な理由 ~バチカン世界戦略(2)~」
「【佐藤優】改革派の教皇、保守派の教皇 ~バチカン世界戦略(1)~」