語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【佐藤優】の集中講義 民族問題、2017年

2017年12月01日 | ●佐藤優
 
 第一講 なぜ日本人は民族問題がわからないのか
  大民族・日本人の盲点
  新しい「民族」が生まれるとき
  「民族」の核とは何か?
  応用問題 スコットランド独立運動を沖縄の目で見る
   琉球新報の予測はなぜ当たったのか
   グラスゴーの原潜基地問題
   「沖縄をなめるんじゃない」
  推薦図書①

 第二講 民族問題の専門家スターリン
  粗雑な理論が意外としぶとい
  グルジア人ジュガシヴィリ  
  グルジア語の特殊性
  元神学生スターリンのリアリズム
  ロシア革命は中央アジアの民族運動を利用した
  ソ連あの手この手の民族政策
  スターリンの民族理論
  なぜ竹島は韓国人の心を揺さぶるのか
  民族・亜民族・種族というヒエラルキー
  推薦図書②

 第三講 「民族」は作られるか
   -アンダーソン『想像力の共同体』批判
  もっとも有名なナショナリズム論
  ナショナリズムはいかがわしい?
  「国民」とは想像されたものである
  民族形成の鍵を握るのは新聞と小説
  「標準語」を育てた子規と円朝
  公定ナショナリズムは上からの「国民化」
  「近代国家」は模倣によって生まれた
  コピーとしての革命
  推薦図書③

  補講 シュライエルマッハー ナショナリズムと目に見えない世界
   「近代神学の父」の大学改革論
   「宇宙の公共性」とナショナリズム

 第四講 ゲルナー『民族とナショナリズム』の核心
  民族理論の最高峰
  ナショナリズムを否定神学で斬る
  「文化」か? 「意志」か?
  分業の原理と暴力の関係
  均質化を求める産業社会
  耐エントロピー構造と人種差別
  お笑い芸人がヒーローとなる理由
  「青色人」の政治学
  民族はいかにして生まれるのか?

  応用問題 ヘイト本の構造
   若手編集者たちの“共通点
   「無知は力なり」

 第五講 民族理論でウクライナ問題を読み解く
  地図は立体的に読め
  ウクライナの意味は「田舎」 
  東と西で言語が分裂
  ナチス・ドイツとソ連の狭間で
  カナダのウクライナ人が独立運動を支えた
  「r」をめぐる闘い
  「公用語」が内戦の引き金に
  ロシアの国境概念と北方領土
  何が「分断線」となるのか?
  推薦図書④

  応用問題 エスノクレンジング
   最も危険で、確実な「解決策」
   流血のユーゴと平和分離のチェコの差は?

 第六講 民族理論で沖縄問題を読み解く
   -アントニー・スミス「エトニー」概念から考える
   現場で着ける「エトニー」理論
   名前、血統、歴史、文化、領域、連帯感
   「埼玉人」はエトニーか?
   琉球語という言語
   『おもしろさうし』呪いの歌を読む
   沖縄と日本、二つの幕末明治
   米海軍の沖縄調査秘密報告書
   日本政府の「鈍感さ」はおそらく直らない
   琉球独立論の陥穽
   今こそ民族問題を学ぶとき
  推薦図書⑤

 あとがき

□佐藤優『佐藤優の集中講義 民族問題』(文春文庫、2017)
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【南雲つぐみ】ツキのある日 ~12月1日~

2017年12月01日 | 医療・保健・福祉・介護
 12月1日は「一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)」と「大安」の重なる縁起の良い日。
 一粒万倍日とは、ひと粒の籾が田んぼいっぱいの稲穂になるように、今、持っているわずかなものが、何万倍にも大きくなるという意味の吉日だそうだ。宝くじを買ったり財布を変えたり、お金にまつわることだけでなく、新事業を立ち上げる、植物の種をまくなど、スタート全般にいいとされている。
 今年の一粒万倍日はまだ数日あるが、大安と重なるのは、年内は12月1日が最後。科学的根拠はなさそうだが、やりたいことを始めるのに背中を押してもらうきっかけにはなる。例えば、来年の真新しい手帳を開いて、来年を何万倍も良くするための目標を立て、さっそく取り掛かるのも良いのではないだろうか。
 なお、12月3日は、今年最後の「天赦日(てんしゃび)」。天が赦す日という吉日だ。十二支の中で吉日とされる「甲子(きのえね)」と重なっていて、引っ越し、開業、結婚など、どんなことを行うのにも良いそうだ。

□南雲つぐみ(医学ライター)「ツキのある日 ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年12月1日)を引用
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【アジア】難産の末「イレブン」がTPPチームを再結成 ~米国抜きでの勝算は?~

2017年12月01日 | 社会
 (1)カナダもTPP(環太平洋経済連携協定)から離脱か?
 こんな報道がベトナムで流れた。11月前半、ベトナム中部の都市ダナンでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)の開催に合わせ、米国抜きの新TPP11の閣僚会合が開催された。いったんは大筋合意到達と発表されたものの、合意を確認し合う首脳会合を、カナダのトルドー首相が「ドタキャン」したのである。
 「あー、これではサッカーの試合にならない」と、シンガポールの某実業家が溜息まじりにぼやいていた。
 今年初め、トランプ政権発足直後に米国が離脱表明し、サッカー界のスーパースターであるロナウド(ポルトガル代表)級のメンバーを失って残る11カ国は意気消沈。それでも日本のリーダーシップで蘇生しかけていたTPPが、今度は同じ北米のカナダの離脱懸念により、もはやサッカーチームも組成できない規模にまで縮小を余儀なくされる、という重苦しい雰囲気が一時は漂った。
 ダナン閣僚会合で大筋合意に漕ぎ着けたが、ゴールまでイレブンの結束を維持できるか
 最終的には大筋合意をカナダも確認し、共同議長国の日本とベトナムをはじめ、参加各国は胸をなでおろした。カナダはどうも「確信犯」で、自国民やトランプ政権に対して「容易には妥協しない」というメッセージを送るための政治パフォーマンスだったのだろう。

 (2)この直前には、10月末に発足したニュージーランドの新政権下でのTPP離脱懸念が広がっていた。だが、合意見直しを公約に掲げていた新政権は、あっさりと交渉の席に着いていた。
 いささか不謹慎だが、日本、東南アジア4カ国、中南米3カ国、そしてオーストラリアの9カ国はサッカー熱が高く、TPPチームへの残留意欲が高い。一方、離脱した米国は近年でこそサッカーは盛んだが、少し前まではマイナースポーツ。離脱懸念が広がったカナダとニュージーランドではさらにマイナーであり、TPPチームに残りたいという情熱に欠けている気がする。これは偶然なのだろうが、「イレブン」という数字を見るとサッカーに関連付けたくなる。

 (3)他方、安倍晋三総理はTPP11を「オーシャンズ・イレブン」と称して、海外メディアでは「米国抜きのオーシャンズ・イレブンがTPPを救った」などという書かれ方をしている。主役のオーシャンに扮するジョージ・クルーニーをはじめ、ブラッド・ピットなどの個性豊かな豪華俳優11人が繰り広げる金庫破りのアクション映画のタイトルと、環太平洋の11カ国を引っ掛けており、お堅い日本外交にしてはなかなか洒落ている。
 ただしオーシャン役は日本ではなく、最大市場の米国に期待されている。日本は代役としてリーダーを買って出ているようなものだ。だからTPP11は米国復帰が前提で協議が進められている。ロナウドならぬドナルドに、ラブコールを送り続けざるを得ないのだ。

 (4)そうした中、TPPの動向に神経をとがらせ、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)で主導権を握ろうとする中国が、今後どのような動きをするか。米国の影響力が弱まる中、東南アジア各国、いや環太平洋諸国の多くが中国に擦り寄っている印象が強い。このままだと、強豪サッカーチームのキャプテンも豪華映画の主役も、中国に持っていかれてしまうかもしれない。

□矢野暁(シンガポール在住企業アドバイザー)「【from アジア】難産の末「イレブン」がTPPチームを再結成/米国抜きでの勝算は?」(「週刊ダイヤモンド」2017年12月2日号)
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 【参考】
【中国】世銀ランキングが示す中国のビジネス環境鍵は「時間」の読み方
【米国】ハリウッドに蔓延するセクハラ、男性支配の構図は崩れるか? ~ハリウッドのパンドラの箱~
【米国】とメキシコ国境に建つトランプの「壁」の試作品 ~国境の街の反応は?~
【中国】日本の6倍売り上げる店もローソン快進撃の理由 ~日系コンビニ初の南京出店~
【アジア】タイとマレーシアが外国人労働者の人権対策を進める理由
【欧州】もう一つの東西分裂 ~ LGBTへの偏見が深く残る東欧諸国~
【中国】新任常務委員お披露目 ~ネクタイの色が示す習総書記の権力基盤~
【米国】トランプ大統領が描く従来と違うレッドライン ~北朝鮮は世界の問題に~
【欧州】英航空・防衛大手企業が受注苦戦で大リストラ ~英国のEU離脱も影響か~
【アジア】度重なる不祥事で日本企業のイメージ失墜 ~アジア商戦にも逆風~
【中国】で日本の「どら焼き」や「カステラ」が売れない理由 ~風土で違う味覚~
【中国】ユニコーンが55社、加速する起業ブーム ~課題は人材確保~
【欧州】ドイツ議会選挙で極右政党が大躍進 ~危機感強める経済界~
【米国】サンオノフレ原発の核廃棄物移転を訴えた地域住民が“勝った”理由
【欧州】カタルーニャ独立は正しい選択なのか? ~住民投票で9割支持~
【米国】トランプ大統領のころころ変わる政策に振り回される不法移民
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