語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【佐藤優】新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける77の極意 ~最強の読み方~

2017年12月31日 | ●佐藤優
 
 池上 彰×佐藤優『僕らが毎日やっている最強の読み方―新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける77の極意』 の目次

 はじめに(池上彰)

 序章 僕らが毎日やっている「読み方」を公開
【佐藤優】新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける77の極意 ~最強の読み方~

 第1章 僕らの新聞の読み方 ~どの新聞を、どう読むか。全国紙から地方紙まで
【佐藤優】新聞の読み方 ~最強の読み方(2)~

 第2章 僕らの雑誌の読み方 ~週刊誌、月刊誌からビジネス誌、専門誌まで
【佐藤優】雑誌の読み方、『失敗の本質』 ~最強の読み方(4)~」 

 第3章 僕らのネットの使い方 ~上級者のメディアをどう使いこなすか
【佐藤優】ネットの使い方、情報の新しさを判断する目安 ~最強の読み方(5)~
【佐藤優】ネット利用の3大原則 ~最強の読み方(6)~

 第4章 僕らの書籍の読み方 ~速読、多読から難解な本、入門書の読み方まで 

 第5章 僕らの教科書・学習参考書の使い方 ~基礎知識を一気に強化する 

 特別付録1 「人から情報を得る」7つの極意
【佐藤優】「人から情報を得る」7つの極意(1) ~最強の読み方(7)~
【佐藤優】「人から情報を得る」7つの極意(2) ~最強の読み方(8)~

 特別付録2 本書に登場する「新聞」「雑誌」「ネット」「書籍」「映画・ドラマ」リスト 

 特別付録3 池上×佐藤式70+7の極意を一挙公開! 

 おわりに(佐藤優)

□池上 彰×佐藤優『僕らが毎日やっている最強の読み方―新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける77の極意』(東洋経済新聞社、2016)
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【佐藤優】+【立花隆】キリスト教の神学と土俗

2017年12月31日 | ●佐藤優
 ①欧米理解にはキリスト教理解が欠かせない。
 ②キリスト教は土着の宗教と結びついて普及してきた。
 ③旧約聖書の天地創造神話には3種類のテキストがある。
 ④イスラム世界には、アラビア語の世界に加えてペルシア語の世界がある。
 ⑤キリスト教は中国では中国的に受容された。
 ⑥プロテスタント神学の構造。

①「【本】欧米理解に不可欠なこと ~『立花隆の書棚』~
②「【本】土着の宗教と結びついたキリスト教 ~『立花隆の書棚』(2)~
③「【本】旧約聖書には天地創造神話が2つある ~『立花隆の書棚』(3)~
④「【本】イスラム世界におけるペルシアの独特な立ち位置 ~『立花隆の書棚』(4)~
⑤「【本】中国で宗教が流行しているが ~『立花隆の書棚』(5)~
⑥「【佐藤優】4種類の神学 ~聖書・歴史・体系・実践~

□立花隆/写真:薈田 純一『立花隆の書棚』(中央公論新社、2013.3)の第2章、第7章
□佐藤優『神学部とは何か --非キリスト教徒にとっての神学入門』(新教出版社、2009)の「1 神学とは何か」
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【アラン】運命 Destin ~『定義集』~

2017年12月31日 | ●アランの言葉
 運命とはある存在(もの)がつくり出した虚構である。その存在には将来がわかり、それを告知できるという虚構--。それは言い換えるならば、われわれは将来を変えることができないということだ。この虚構は神学的なものであり、それは、神には何一つ知らないものはない、という神の完全性から出てきている。この虚構に対抗するには、ただ、信仰を自由の中に置くこと--実際、自由こそ信仰にほかならない--しかない。自分の運命を変えることはできないと信じている人のことを、彼は信仰を持っていない、と言う。したがって、神学者が神の意志に縛られるのは信仰を欠いているからだ、と言わざるをえない。

□アラン(神谷幹夫・訳)『定義集』(岩波文庫、2003)
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【本】1920年代の経済報道に学ぶ ~『経済失政はなぜ繰り返すのか メディアが伝えた昭和恐慌』~

2017年12月31日 | 批評・思想
★中村宗悦『経済失政はなぜ繰り返すのか メディアが伝えた昭和恐慌』(東洋経済新報社、2005)

 メディアは、時に世論をリード(ミスリード)し、時に世論に潜む欲求や希望の映し鏡となる。そして、実際の政策を決める政治・政治家の活動は世論と無縁ではいられない。経済政策の研究にとって、メディア分析はもっと重視されてもよい対象だ。本書は、1920年代の長期的な経済停滞期の報道を通じて当時の報道や論壇の通説と、それらが経済政策に及ぼした影響を紹介する。
 同時期を扱った小説では城山三郎氏の『男子の本懐』が有名だが、その虚構性を指摘しつつ、当時の主要論調「デフレ下での構造改革」が、経済にいかに大きなダメージを与え得るかを説き起こす。ポスト真実、フェイク・ニュースに注目が集まる今、歴史ファンならずとも読み返す価値のある作品だ。

□飯田泰之(明治大学政治経済学部准教授)「1920年代の経済報道に学ぶ ~名著未読・再読~」(「週刊ダイヤモンド」2017年12月30日/2018年1月6日号)
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 【参考】
【本】朝日新聞・書評委員が選ぶ「今年の3点」(抄)
【本】著者の知的誠実さに打たれる日韓問題を深く理解できる書 ~『「地政心理」で語る半島と列島』~
【本】人の判断はなぜ歪むのか/2人の研究者の友情物語 ~『かくて行動経済学は生まれり』~ 
【本】エネルギーの本質を学ぶ ~『エネルギーを選びなおす』~
【本】JR九州の勢いの秘密を凝縮 ~読んで元気が出る人間の物語~
【本】日本は英国の経験に学べ ~『イギリス近代史講義』~
【本】噴火の時待つ巨額損失のマグマ ~『異次元緩
【本】“立憲主義”の由来を知る ~『立憲非立憲』~
【本】日本語特殊論に与せず ~『英語にも主語はなかった』~
【本】小国の視点で歴史を学ぶ ~『石油に浮かぶ国/クウェートの歴史と現実』~
【本】日本における婚姻を考える ~『婚姻の話』~
【本】元財務官僚のエコノミストが日本経済復活の処方箋を説く ~『日本を救う最強の経済論』~
【本】歴史を知らずに大人になる不幸 ~『戦争の大問題 それでも戦争を選ぶのか。』~
【本】私たちの食卓はどうなるのか ~工業化された食糧生産の脆さ~
【本】歪み増殖していく物語に迷う ~『森へ行きましょう』~
【本】加工食品はどこから来たのか ~軍隊と科学の密な関係~
【本】80年代中世ブームの傑作 ~『一揆』~
【本】万華鏡のように迫る名著 ~『新装版 資本主義・社会主義・民主主義』~
『【本】『世界をまどわせた地図』
【本】率直過ぎる米情報将校の直言 ~『戦場 -元国家安全保障担当補佐官による告発』~
【佐藤優】宗教改革の物語 ~近代、民族、国家の起源~」」
【本】舌鋒鋭く世の中の本質に迫る/地球規模で読まれた洞察の書 ~『反脆弱性』~
【本】【神戸】「自己満足」による過剰開発のツケ ~『神戸百年の大計と未来』~
【本】英国は“対岸の火事”にあらず ~新自由主義による悲惨な末路~
【本】人材開発でもPDCAを回す ~戦略的に人事を考える必読書~
【本】仮想通貨が通用する理屈 ~『経済ってそういうことだったのか会議』~
【本】進化認知学の世界への招待 ~『動物の賢さがわかるほど人間は賢いのか』『動物になって生きてみた』~
【本】「戦争がつくっった現代の食卓」 ~ネイティック研究所~
【本】IT革命、コミュニケーションの変容、家族の繋がりが希薄化 ~『「サル化」する人間社会』~
【本】生命はいかに「調節」されるかを豊富な事例で解き明かす ~『セレンゲティ・ルール』~
【本】メディアの問題点をえぐる ~『勝負の分かれ目 メディアの生き残りに賭けた男たちの物語』~
【本】テイラー・J・マッツェオ『歴史の証人 ホテル・リッツ』
【本】中国から見た邪馬台国とは
【本】核兵器は世界を平和にするか ~著名学者2人がガチンコ対決~
【本】『戦争がつくった現代の食卓 軍と加工食品の知られざる関係』
【本】梅原猛『梅原猛の授業 仏教』
【本】東芝が危機に陥った原因は「サラリーマン全体主義」 ~『東芝 原子力敗戦』~
【本】バブル崩壊後の経済を総括 ~『日本の「失われた20年」』~
【本】20世紀英国は実は軍事色が濃厚 ~通念を覆す『戦争国家イギリス』
【本】時代による変化、方言など ~『オノマトペの謎 ピカチュウからモフモフまで』~
【本】冷笑的な気分に喝を入れる警告と啓発に満ちた本 ~『日本中枢の狂謀』~
【本】物質至上主義批判の古典 ~『スモール イズ ビューティフル』~
【本】日本近現代史を学び直す ~『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』~
【本】精神の自由掲げた9人の輝き ~『暗い時代の人々』~
【本】遊牧民は「野蛮」ではなかった ~俗説を覆すユーラシアの通史~
【本】いつも同じ、ブレないのだ ~『ブラタモリ』(1~8)~
【本】分裂する米国を論じた労作 ~『階級 「断絶」社会 アメリカ』~
【本】否応なきグローバル化、つながることの有用性 ~「接続性」の地政学~
【本】読書の効用、ゆっくり丹念な ~より速く成果を出すメソッド~
【本】国谷裕子『キャスターという仕事』
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【本】弱者への攻撃 なぜ苛立つのか ~小熊英二(歴史社会学者)~

2017年12月31日 | 批評・思想
 〈1〉木村忠正「『ネット世論』で保守に叩かれる理由」(中央公論2018年1月号)
 〈2〉記事「旧東ドイツ出身の記者が、故郷の変貌を暴く取材旅行に出る!」(クーリエ・ジャポン〈ネット〉12月11日)
 〈3〉嶋田崇治「独で深刻化する富の偏在」(週刊エコノミスト12月5日号)
 〈4〉ジェームズ・パーマー「劉暁波の苦難は自業自得? 反体制派が冷笑を浴びる国」(ニューズウィーク日本版〈ネット〉7月16日)
 〈5〉空井護「民主体制であること、民主体制であり続けること」(世界2018年1月号)
 〈6〉尾木直樹・岩波明・石川結貴 座談会「子どもに『死にたい』と言われたら」(文芸春秋同年1月号)
 〈7〉内閣府「『人権擁護に関する世論調査』の概要」(ネット、12月)
 〈8〉記事「まとめサイトの差別認定 大阪地裁 運営者に賠償命令」(本紙11月17日付)

 *

 みんな、何に苛立っているのだろう。何をそんなに恐れているのだろう。
 木村忠正によると、在日コリアンなどを「ゴキブリ死ね」などと侮蔑するネット投稿の「主旋律」は、「弱者利権」批判だという〈1〉。ここでの「弱者」には、「生活保護」「沖縄」「LGBT」「障害者」「ベビーカー」なども含まれる。投稿者たちは、これらの人々が「立場の弱さを利用して権利を主張」しているとみなす。「在日特権」という言葉はそうした認識を象徴するものだ。
 また木村は、ネット上の韓国・中国への侮蔑も「弱者利権」批判の延長だという。木村によればネット上の中韓批判は「歴史修正主義やナショナリズムの問題というよりも、慰安婦問題、戦争責任、戦後補償、植民地支配について、韓中にいくら謝罪しても結局(第二次大戦時における弱者の立場を盾に取り賠償金をとろうとして)問題を蒸し返されるという意識が根底には強く横たわっている」。その延長で、「弱者」の擁護者とみなされた新聞も「マスゴミ」などと侮蔑される。つまり「嫌韓・嫌中」や「マスコミ批判」も、「弱者に対する強い苛立ち」から派生しているというのだ。
 なぜ彼らは苛立つのか。木村は投稿者たちを「『マジョリティ』として満たされていないと感じている人々」と形容する。「弱者」や「少数派」より、自分たちこそ優遇されるべきだ。彼らはそうした認識に立ち、「その人たちなりの公正さ」を主張しているのだという。

 *

 だがこうした「弱者」「少数派」への苛立ちは、日本だけの現象ではない。
 ドイツのザクセン州は、旧東独の炭鉱地帯だった。東西統合後は経済的に停滞し、移民排斥運動への支持が多い。この州の統合省長官は、排斥運動の参加者たちからこう言われたという〈2〉。
 「長官さんよ、いつも難民と一緒なんだろ。どうしてまず俺らを統合しようとしないんだ?」
 彼らは、最初は難民への怒りを語る。しかし「その後すぐに、自分の話を始める」。それは、体制の変動に翻弄(ほんろう)され、敗北感や疲労感に苛(さいな)まれてきた経験だ。自分たちこそ優遇されるべきなのに、少数派や「弱者」の方に目をむける新聞や政治家は許せない。そうした心理が、難民への憎悪となるのだ。
 嶋田崇治は、排斥運動の台頭とドイツの格差拡大との関係を指摘する〈3〉。だが嶋田も認めているように、ドイツでは資産格差が広がってはいるが、所得格差は相対的に小さい。木村を始めとした日本のネット研究者は、過激な投稿をする人に、所得や学歴で顕著な特徴は見いだせないという。彼らは、必ずしも経済的な「弱者」ではないのだ。
 中国では、豊かになったはずの中産層に、「少数派」への不寛容が、ドイツとは違う形で現れている。ジェームズ・パーマーは、ノーベル平和賞を受賞しながら獄中にあった劉暁波の死に対する中国での反応をこう記している〈4〉。
 「中国の中流階級は、比較的リベラルな人々さえ、反体制派を軽蔑している。最初の反応は、何かしら非難する理由を見つけることだ。悪いのは被害者であって、彼らを逮捕し、拷問し、牢屋に入れる人々は悪くない。……
 そんな考え方に最初は衝撃を受けたが、次第に分かってきた。これは生き延びるための自己防衛であり、独裁主義に順応する1つの方法なのだ」
 パーマーはいう。「不公正な世界を前にしたとき、人間は精神的な防衛機能として、世の中は公正だと思い込もうとする」。そして「他人の苦しみを正当化する理由を探し、自分は大丈夫だと根拠もなく安心したくなる」。つまり、現状を変えられない自分の無力を直視するよりも、今の秩序を公正なものとして受け入れ、秩序に抗議する側を非難するのだ。
 もちろん中国、ドイツ、日本はそれぞれ事情が違う。だが急激に変動する現状に苛立ちながら、それを制御できない無力感を抱く人に、不寛容が蔓延する状況は共通する。ここでの決定要因は政治的・経済的な無力感と疎外感の程度で、必ずしも所得の多寡ではないようだ。
 そして世界各地では、無力感の反映としての投票率低下、少数派への不寛容、新たな権威主義が広がる。空井護はこれを「民主体制の崩壊」と評した〈5〉。

 *

 どうしたらよいか。富の偏在を抑える経済政策も重要だが、それとは別種の工夫で改善できる部分もある。
 尾木直樹は、アメリカの14歳の女性が開発したシステムを例に挙げる〈6〉。SNSに人を傷つける言葉を投稿しようとすると、「本当に投稿しますか?」と表示されるというものだ。実験したところ、93%が投稿をやめたという。【引用者注】
 過激な少数者差別は目立ちはするが、実は極端な人々の所業である。木村などの研究では、ネットで過激な言辞をくりかえし発信している投稿者は約1%だ。内閣府の調査では、ヘイトスピーチには否定的な回答が大多数で、「ヘイトスピーチをされる側に問題がある」との回答は10・6%にすぎない〈7〉。訴訟などの法的対応を含め、拡大を止める余地はある。大阪地裁は11月に、ネット上の中傷に損害賠償を命じた〈8〉。
 無力感と苛立ちを他者にぶつけても何も生まれない。逆にそれを制御する力を自覚することは、誰にとっても生きやすい社会を築く第一歩となる。新年は、そうした努力の始まりにしていきたい。

 【引用者注】この実験はアイヒマン実験の対極に位置するように思われる。
【心理】組織の論理とアイヒマン実験 ~ブラック企業の心理学~

【読書余滴】リーダーの条件 ~ミルグラム実験と組織~
【読書余滴】世間は狭い、の心理学 ~ミルグラムの「スモールワールド法」~
【読書余滴】ミルグラムの単純かつ独創的な実験~都市心理学~
【読書余滴】組織人はどこまで人道を踏み外すか ~「アイヒマン実験」~
【読書余滴】組織の中で人はどう変わるか ~集団の心理学~

□「(論壇時評)弱者への攻撃 なぜ苛立つのか 歴史社会学者・小熊英二」(朝日新聞デジタル 2017年12月21日)を引用
(論壇時評)弱者への攻撃 なぜ苛立つのか 歴史社会学者・小熊英二
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