3.11以降、世界観や大事なことが変わり政治も予算も命の支援、生活再建を応援するように優先順位を変えていかなくてはならないときに、あいかわらずブレ続ける政権政党・・
本書では、社民党が連立から離脱した普天間問題の舞台裏の様子が・・。著者、福島瑞穂は「5月末」と期限を付けた時から失敗の始まり。交渉事では、期限をつけた方が負け、と。裁判を経験した弁護士らしい著者は、同じく弁護士出身のルース米大使との話し合いでも「14年間議論した結果、辺野古しか残らなかったんですよ」と言う大使に、「でも14年間検討しても辺野古にはできなかったんですよ」と切り返す。このようなアメリカに対して堂々とした受け答えは、残念ながら日本のマスメディアにはみることができなかった。マスメディアは、ただただアメリカが怒っている、怖い怖いのバイアス(偏向)のかかった論調が目立ち、交渉の足を引っ張ったかたちだった。
鳩山(当時)総理のナゾの腹案・・。著者は、秀吉太閤殿下にずけずけ直言する江姫のように、「腹案とは何ですか」と直接聞きに行ったという。本書ではその中身は・・。ただ鳩山総理もかなり真剣に考えていたようだ。一方罷免の日、家康役?の小沢一郎氏からは“瑞穂江姫”に「あなたの方が筋が通っている」との電話が・・。
日本国土の0.6%の沖縄県に、在日米軍基地が75%結集している。沖縄には35の基地がある。そのたった一つの普天間の移設が解決できない日本の政治の哀しさ。
小中学校の時、必ずクラスに一人はいそうな勉強ができて正義感の強い学級委員の女の子のような瑞穂さん。今月1、2日にはギリシャのアテネで世界の社会民主主義政党でつくる国際組織、S I(社会主義インターナショナル)の会議で、「脱原発プログラム」を提案、各国党から強い支持決議を得ている。
政治も恋愛も一瞬一瞬が大事だ、と元気な瑞穂さん。アスキーから面白い1冊が出たもんだ。ぜひ一読を。
迷走政権との闘い (アスキー新書) | |
福島瑞穂著(社会民主党 党首) | |
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