山野の一角を、「ナナカマド」が赤く染め上げています。
「ナナカマド」と云えば、卒業(定年)記念旅行で妻と訪れた、北海道函館市の街路樹として植えられており、その赤い並木が強く印象に残っています。(北海道・東北地方では、市(町)木としている自治体も多いようですね)
ここ中国地方では、ナナカマドは今、木全体が燃えるように赤く色付きとても綺麗です。
名前がちょっと変わっていることから、昔はどこの台所にもあった「竈・かまど」と関わりがあるのか、どうかと考える人もあると思うのですが、私の記憶では、この木は幹の部分が非常に固く、七度「竈・かまど」に入れても燃えないことかに由来するとか、やはり「竈・かまど」に関係がありました。
若者たちが今は見られなくなった、「竈・かまど」を知らないのは無理のない事としても、ただ今、現在この自然界で共存する、草花・樹木・魚・虫・鳥獣等の名前は元より、見たこともないと云う人が増えてきているのはとても残念なことです。
自然保護の原点は、そこからだと思うのですが。
ちなみに、「ナナカマド」は、果実酒にしたり、「備長炭」の原木としても使われ、炭で炭を打つと、「キーン、コーン、カーン」と澄んだ金属音がします。
「ナナカマド」の赤い葉が落ちると、残った赤い実を野鳥達が啄み、やがて雪がチラチラと舞う冬がやってきます。