モクズガニは、松葉ガニ等の人気蟹の陰に隠れて、目立ちませんが、とても美味しい蟹です。
蟹の季節到来、スターは何と言っても松葉ガニやベニズワイガニ、蟹に目がないご婦人達のグルメな旅まで企画されて、今、境港などの漁獲地周辺は大変な賑わいの様です。
しかし、何か忘れていませんか。
当地では、モクズガニともツガニとも呼ばれ、昔からよく食べられているこの蟹は、一部食通の間では、「〇〇蟹よりも美味い」と言われているほどで、特に濃厚なカニ味噌の部分は格別美味。
田舎育ちの私は、子供の頃、近くの小川で捕まえてきて、母に茹でてもらったり、蟹御飯を焚いて食べてきた味です。
この蟹は、川魚(甲殻)の一つで、風貌も手足には剛毛?が生え、ハサミの迫力も大変なもので、「蟹の中では俺様が一番だ。 そもそもこの川の主は俺だ。」と、言わんばかりの威厳さえ漂っています。(大海知らず?)
しかしボイルすると、蟹ほど美味しいそうな赤色に変化する食物も、少ないとは思いませんか。
山陰地方では、日本一の清流「高津川」で多く水揚げされますが、今年は残念ながら、もう時期的に終いに近くなってしまいました。