テレビをつけると、あのマカロニ・ウエスタンやダーティ・ハリィーで、映画史に一時代を築い
たスーパースター『クリント・イーストウッド』の、映画が今始まったばかりであり、懐かしさもあ
って思わず見入ってしまった。
彼は、アカデミー賞を2度も受賞した名優で、監督としても素晴らしい作品を撮り続けている。
また政治家(カーネル市長)としても多彩な能力を発揮してきたが、”俳優としては、最後の仕
事”と宣言して、「頑固な元軍人役に魅かれた・・・」と、この映画『グラン・トリノ』への主演を決
めたと言われる作品である。
(あらすじ)
~フォードの自動車工場に、50年間勤めあげたコワルスキー(クリント)は、妻を亡くし、フォー
ド製の愛車”グラン・トリノ”だけを誇りに、デトロイトの街で隠居暮らしを続ける元退役軍人だ。
今でも、朝鮮戦争における己の罪の意識と記憶を引きずっており、それがための頑固さ故に、
息子さえも寄り付かず、特定の人としか口も利かない偏屈老人として、孤独な日常を送ってい
た。
そんなある日、ギャングにそそのかされた、隣家のモン族の少年・タオが、彼の愛車グラン・ト
リを狙って忍び込む・・・コワルスキーは、銃を構えてタオを追い払う・・・その後、タオの姉にホ
ーム・パーティーに招かれて思わぬ歓待を受け、忘れかけていた家族の温かさに感じる。
そんなタオやその家族との触れ合いの中で、なりゆきから姉スーをギャング達から救い、また
タオに仕事の世話をして、一人前の男に育てようと、愛をもって見守っていく。
これを快く思わないギャングと、やがて銃による報復合戦が始まってゆく・・・一方で、コワルス
キーは、自分の体が病に蝕まれていることを知る。・・・ギャングとタオ一家の抜き差しならない
闘いに”タオの未来の為”決着を付ける時が来た。
自らの命を引き換えにギャング達の住処に向かうが・・・・・・・コワルスキーの遺書には、「愛車
グラン・トリノをタオに譲る」と記されていた。~
若い頃の「荒野の用心棒」「夕陽のガンマン」「ダーティ・ハリー」等の作品や、「許されざる者」「
ミリオンダラー・ベービー」等、数々の作品の底流に流れるテーマは、それは「愛」である。
『愛』とは ”他者を思い、他者のために生きることを意味する意識(行為)” であり、また彼の
演じる役も、自己を突き放す孤独の中で、時には「己を犠牲にしても貫く愛」であり、そこが見る
ものを引きつけて止まないのであろうと思う。
~クリント・イーストウッド(84歳)は~ 「悲観論など信じるな。 自分が望む方向と、違った方向に事態が進み出したら、振り切れ! 君が雨が降るだろうと思えば、ほんとうに雨が降るぞ。」
と語っている
悩んでるあなた、実に心が晴れ上がるような言葉ではないか!
~今日も良い一日を~