西部劇『真昼の決闘』 ゲエリー・クーパー
この映画『真昼の決闘』、何度見たことか!
制作されたのは私がまだ小学生の頃、初めてスクリーンで観たのが、それから7~8年も経ってから
のことだろうと思う。
ストーリー的には、保安官が無法者を倒すという典型的な西部劇で、既にお茶の間のテレビ「ララミィ
ー牧場」や「シャイアン」「ブロンコ」等で、西部劇の大ファンとなっていた当方ではあるが、保安官・ケ
インと無法者ミラー達との、ラストの決闘シーンには度肝を抜かされたものである。
刻一刻と迫ってくる ”真昼の決闘” に向けた時間の流れが、繰り返して映し出される時計によって、
緊張感を次第に高めて行く。
とてもリアル感のある描写は、何度見ても”お見事”の一語に尽きる。(これぞ西部劇だ!)
また、主演のゲーリー・クーパーの、悲しみと憂いを秘めた様な瞳が、孤立無援の中で決闘に臨む保
安官ケインの心情とピタリと合致していて、思わず応援したくなる。
さらにモノクロ独特の「光と影」が、この映画のテーマである、乾いた「真昼の決闘」シーンに巧みに生
かされている。
この映画には、保安官・ケインの妻・エミィ役で、後のモナコ王妃となったグレース・ケリーの、初々し
かった頃の、美しさに再会できるのもまた懐かしい。
(少しストーリー) 西部開拓時代、小さな町で保安官・ケインは妻エミィと結婚式を挙げようとしていた。そしてこれを機に
5年間勤め上げた保安官の職を辞し、親天地での新しい生活を夢見ていた。
そこへケインが昔(5年前)投獄した、無法者ミラーが出獄し子分3人を連れて復讐のため、正午に街
にやって来るとの知らせを受ける。
妻と馬車に乗って、親天地に向かって立ち去ればすむことだが、人一倍責任感の強いケインは、街に
残って彼らと対決する道を選ぶ・・・しかし、街の人は無法者に怖気づいて誰一人として彼を助けようと
しない・・・そんな中で真昼(正午)は刻々と迫って来る・・・
悪者を保安官(善人)がやっつける西部劇の典型であり、観終わって胸がスカッとしてくるような映画
で、さすがアカデミー賞受賞作である。
~今日も良い一日であります様に~