時折、強い海風が吹き上げてくる、日本海を見下ろす断崖の先端、風になびく形の松の根方、
岩の窪みの少しの土に張り付く様に、ツワブキ(石蕗:艶蕗)の花が咲いている。
釣り場へと続く石道脇の、松の木陰や、盛り上がった岩の陰に、目に鮮やかな黄色いツワブキ
の花が咲いている
この蕗は、「石蕗:艶蕗」と言われるように、石(ツワ)蕗あるいは、艶(ツヤ)葉蕗(艶のある葉
の蕗)が転じてツワブキとなったそうな。
海辺に住む人達は、昔からこの艶葉になる前の、赤味を帯びた若い蕗を摘んできて、うまい具
合に煮て食べる。
今では、このツワブキが、「道の駅」などで売られていて、私はよく買ってきて食べるのだが、味
に蕗独特の癖があって、これがまた格別に美味しい。
これから季節、風が吹き荒れるだけの殺風景な海辺に、ツワブキの花が物陰から、そっと彩り
を添えてくれる。
当県西端の「西の小京都:津和野町」の、地名の由来は「石(ツワ)蕗の野」であると言われてお
り、何かしらの縁(えにし)を感じる野草である。
~先程から、台風が近づきつつあり、少し風が出てきた様だ。~