この時季、海を見に出掛けてみると、必ず、海に突き出した防波堤や、風
雪吹き荒ぶ波止めブロックの先等に、海を見詰めるように、カモメの一群
が同じ方向に向いて、仲良く並んで羽を休め、暖をとっている。
一体、どれほどのユリカモメが、越冬のために日本列島へやって来ている
のだろうと思う。
群れの中の一羽が、海に向かって滑空する様に飛び立つと、これを機に、
一角から崩れるように次々と飛び立って行く。
若山牧水の代表的なな短歌
『白鳥(しらとり)は かなしからずや 空の青 海のあをにも 染またずただ
よふ』
~白鳥(しらとり)は哀しくないのだろうか。 空の青にも海の青にも染まる
ことなく、真っ白な姿でただよっている。~
白鳥(しらとり)の姿に、牧水が若き日の「孤独と悲哀」を重ね合わせた歌
として、今も人々に愛唱されている。
この歌は、カモメが海に漂っているところかなのか、それとも空を軽やかに
滑空しているところをとらえたものなのか。(定まらない不安定な心境を示し
ているのだろうか・・・そんな気もする)
いずれにしても、白鳥の「白」は、海や空の青によく映える。
だが白鳥は、海の深い群青、空の明るい青(スカイブルー)にも染まること
なく、ただただ、揺れてただよっている。
ここでは、純粋で傷つきやすい、青春の「白」を、孤高の象徴としているの
であろうか。(牧水自身の、その時の心境を詠んだものであろうか・・・・)
これは、若山牧水が若干23~4歳の頃、詠んだ歌である。
たしかに、誰にも若い日には、こんな「孤独と悲哀」を感じた時があった様
に思う。
~貴方にとって、今日も良い一日であります様に~
五輪真弓の「恋人よ」 何回聴いても、いい声、いい歌ですね~