~お城の内堀、日溜まりで仲睦まじく泳ぐカモのつがい~
今日は、以前、あるブログ記事で紹介されていた本を借りるために、いそい
そと図書館に出掛けて見た。
その本と言うのは、カレル・ペチャックのエッセー「園芸家の一年」だ。(紹
介にあった、「園芸家の12ケ月」とは訳者が違うが・・・)
備え付けのパソコンで検索したが、該当する本は無く、司書士の方にお願
いして、「著者」から、それと思しき一冊を、書庫で探しあてて来て頂いた次
第である。
早速、お気に入りの内堀が目の前に見える、読書コーナーに腰掛けて、触
り部分を少しだけ読んでみた。
カレル・ペチャックはチェコの園芸家で、この本は1928年に書かれたもの
だそうで、園芸家は元より、花や自然、書を愛する人々の間では、知る人
ぞ知る名著の様である。
ペラペラと捲り読みするだけでも、一人のとても熱心な園芸家が、季節、季
節における自然の移ろいの中で、花(庭)作りを通じて、人の営みや心理ま
でも、ユーモアと皮肉たっぷりに綴ったエッセーで、自然や物事の真理を、
様々な角度から描写した本である。
「なるほど、こんな見方もあるんだ・・・」と、思わず微笑んでしまう様な本で
あった。
早く読み進みたい気持に満たされて、フッと目を上げると、前のお堀では、
「鴨の番い」が仲睦まじく寄りそって泳いでいる、これがオシドリ(鴛鴦)であ
れば、なおさら「相思相愛」を絵に描いた様な図であると、言いたいところだ
が、実際にはそんなに甘いものではない、鴛鴦夫婦?は、鴛(雄鳥)が鴦
(雌鳥)を争い、やがて仲の良さを見せ付けるのだが(子孫繁栄)、その目的を
達した後は、鴛(雄鳥)の群れに帰って行き、翌年には別の鴦(雌鳥)を争う。
これが自然の摂理であって・・・何やら人間に似たところがあったりする。
チャペックであれば、この一コマをどのようにユーモラスに皮肉を交えて、
笑わせてくれるのだろうか。・・・と一瞬思ったりしている自分がそこにいた。
いずれにしても、この「園芸家の一年(12ケ月)」、園芸好きな人の真理を
見事なまでに突き、思わずふき出してしまう。
~貴方にとって、今日も良い一日でありますように~
「夕日に赤い帆」