~早朝の美津の港~
今朝は明け方に家を出て、久し振りに朝の海を見に行ってきました。
自宅から、車で約10分ほど半島に向かった所、ここには、海のすぐ脇に、
昔から枯れることなく湧き出る、「自然水」のある場所、水を汲みを兼ねて
やって来たと言うのが正しいのかもしれません。
それにしても、何時ものことながら、朝の海はとても気持ちがいい~。
対岸の船着きには、夜通し操業ってきたイカ釣り船がまどろみ、海では岩
場に上がって、「岩海苔摘み」に精を出す人、ほかにカナギ漁(サザエ・アワ
ビ獲り)の船が、数隻出ているだけ。
まだ集落全体が、寝ぼけ状態の様である。
港の防波堤に廻って見ると、おばあちゃんがひとり、荷揚げ場に座り込んで
、摘んできた海苔の加工(板海苔)作業に冷たい水に素手を突っ込み、手
際良く仕上げている。
聞けば、当年84歳になったと言う、「今朝早く、おじいさんの船で岩場に行
って、摘んできた岩海苔だが、もうこの集落でも、2~3人が摘みに行くだけ
になってしまった。」「昔は、自分でこうして加工し、背負い籠を担いで売りに
歩いたもんだ。」「今の若い者は、こんな冷たくて辛い作業を、年寄りに任せ
て、手伝ってもくれん・・・」等と、延々と愚痴が口をついて出てくる。
そう言えば港の人影は、年寄りばかりで若者の姿はひとりもない。
農村も漁村も、過疎高齢化の波は、荒波の様に押し寄せてきている・・・昔
は、経済的に少々苦しくても、国の宝「子」育てに、せっせと精を出したもの
だが、今は出生の絶対数が下がっているのだから、国にもっと本腰を入れ
て、取り組んでもらわなくては、国の将来が見えてこない・・・この小さな漁
村にもかつての、子供達の奇声が響く様な、活気が戻って欲しいものだ。
そうなれば、おばあさんの愚痴も、すこしは少なくなるのではないのだろう
か。
~今日も良い一日でありますように~
フランク・シナトラの「スターダスト」