2014年6月定例会で、わたしは「若者の就学、結婚生活を支援する奨学金制度を~切れ目のない少子化対策の視点から~」と題して一般質問をしました。
少子化問題に対応するため、子育てをしやすい地域づくりに向けた環境整備が基礎自治体の重要な課題となり、さらに国の方針として結婚・妊娠・出産・育児について切れ目のない支援を行うことが地方公共団体に求められていたからです。
ならば奨学金の問題はどうなのか!という思いがあり、日本の若者が結婚に踏み切れない、前向きになれないひとつの要因になっているとも思える日本学生支援機構(旧育英会)の奨学金制度問題について明らかにしたいと思いました。
また、茨木市議会が国に意見書を提出「
奨学金制度の改正と拡充を求める意見書」とされたこともあり、国に意見書をあげたいと考えました。が、公明党会派の賛同は得られず(理由:国で議論がはじまっているから必要がない)、自民党・自民無所属の会派も賛成しかねるという方針で、島本町議会が定めた意見書の提案条件を満たすことはできませんでした。
島本町独自の給付型奨学金制度を新たに求めるには、わたし自身の調査研究が不足、理想論に過ぎず「うまくいかなかった一般質問」「通らなかった意見書」として苦く記憶に残りました。
あれから2年、関心は高まったものの問題は解決には至りません。入園・入学式に参列し、子どもたちと保護者のみなさんの将来を思うと、このままなにもしないでいることはできなくなりました。
以下、長くなりますが、改めて戸田の一般質問の内容を記します(読みやすいように一部加筆修正・削除しています)。
子育て世代必見!
お孫さんのためにも、ぜひ読んでいただきたい内容です。
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戸田
教育に対する公的支出の水準が低い日本は、諸外国と比べて子ども1人当たりの教育費が極めて高く家計への負担が重くなっています。日本の大学の授業料が過去30年、どのように推移しているか把握しておられますか。
例えば、1975(昭和50)年には、国立大学3万6千円、私立大学平均18万2,677円、国立大学と私立大学の授業料の差は5.1倍でした。文部科学省が授業料の推移を公表していますが、2004年度(平成16年)には、国公立大と私立大の授業料・入学料の金額はどのようになっているでしょうか。
民間企業労働者の平均賃金は、1997年の467万円をピークに下降、2011年には409万円となり、世帯収入は減少しています。従業員の整理解雇、非正規雇用労働者の増加に伴い、親が子どもの学費を負担することが極めて困難になっています。
現在の学生が、どの程度の割合で奨学金制度を利用しているのか、その実態を把握されていますか。
教育子ども部長
それでは「奨学金制度について」、ご答弁申し上げます。奨学金制度は、国が管理する奨学金制度として、昭和18年に無利子を基本として作られたのが始まりであると認識いたしておりますが、その後、時代の変化とともに受益者負担の考え方が導入されるようになり、現在では、国が管理するもの以外の奨学金制度も含め、多くが有利子の貸付となっているのが現状です。
そのため、昨今の社会経済情勢の変化から、大学を卒業しても仕事に就けない若者や、就職をしてもすぐに辞めてしまう若者が増加しているなど、働くことへの考え方や働き方にも変化が見られ、滞納する若者が増加しているのが現状でございます。
本町におきましては、議員もご承知のとおり、高校へ進学する際の奨学貸付金制度を町単独で設け無利子で貸付しておりますが、ご質問の大学生等を対象とした奨学金制度につきましては多くの貸付制度があり、すべてを詳細に把握いたしておりません。
そのため、ご質問の内容につきまして調査した範囲内でご答弁を申し上げたいと思います。
大学の授業料につきましては、社会情勢の変化や物価上昇とともに年々高額になっており、文部科学省が公表しております国立大学と私立大学の授業料等の推移で比較いたしますと、平成16年度の国立大学の授業料が52万800円に対し、私立大学の授業料は81万7,952円と、昭和50年度に約5.1倍の差があったものが、約1.57倍に縮小しております。
一方、入学料につきましては、昭和50年度の国立大学の入学料が5万円に対し、私立大学の授業料は9万5,584円と、その差が約1.9倍であったものが、平成16年度は国立大学の入学料が28万2千円に対し、私立大学は27万9,794円と、逆転している状況でございます。
「奨学金制度の利用割合について」でございます。平成22年度の日本学生支援機構の調査によると、大学生の半数程度が奨学金制度を利用している状況でございます。
戸田
ご答弁いただいたように、経済的に恵まれない家庭環境に育ったのであれば、ぜひとも努力して国立大学にという時代では、もはやなくなっています。高等教育を受けるためには、奨学金に頼らざるを得ない人が多くなっています。
つづく
画像
水上隣保館の桜バザーにて
ゆりの礼拝堂でのハープ演奏
「懐妊の聖母」(模写)よりも古い時代の
清らかな歌とメロディが素敵でした