とだ*やすこの「いまここ@島本」

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大阪府島本町議会議員
とだ*やすこの活動報告

情報公開請求、異議申立2

2012年05月23日 | ごみ問題学習会・島本PJ
島本町情報公開審査会会長宛に、弁明書(島都環第171号)に対する反論書を提出しました。ネット上でも、情報不存在に対する反論等公開されているようですが、まずは市民感覚を大事にして訴えることとしました。

反論書提出と同時に、意見陳述の申請を行い、補佐人として、ごみ問題学習会・島本プロジェクトでともに活動している住民(国内外でプラントでの職務経験が豊富な技術者)の同席も申請しました。
     
反論書
戸田靖子は、平成24年4月13日付で提起した「情報不存在通知書(島都環第1507号)に対する異議申立」について、平成24年5月7日付で送付を受けた弁明書の内容に納得できかね、次のとおり反論する。

1.弁明書に記載された「本事件の経過」の記載事実は認める

2.異議申立人の反論及び主張
1)当該文書は、「文書の公開については情報公開請求による手続きをお願いいたします」と回答された段階で、公開質問状とその回答において、異議申立人と担当課の双方が既に特定していた文書である。にも拘わらず弁明書では、既に担当課が特定している文書について、「この段階では情報公開請求の事務手続きのみを説明したものであり、情報存在の有無の確認を行っておらず、情報が存在している前提で情報公開請求による手続きを促したわけではない」と主張しており、きわめて不当、かつ不適切、不誠実である。

特定された文書の存在を認知することなく「情報公開請求による手続きをお願いいたします」ということは通例ありえない。制度の存在ならびにその手続きを説明するだけなら「情報公開請求という制度があり、所定の手続きがあります」と言うはずである。

島本町情報公開条例(閲覧等の請求手続)第6条2項には、「実施機関は、請求者に対し、当該請求に係る情報の特定に必要な情報を提供するよう努めなければならない。」とある。また、4項には「実施機関は、当該請求に係る情報を管理していないときは、その旨を明示して請求を受理しないものとする。」とある。弁明書にある主張が4項に反するのは明らかである。

今後、こういった不当かつ不適切、不誠実な対応が、実施機関によって繰り返され、正当化されるならば、きわめて遺憾、問題であると考える。認識を改め、事務処理における改善が行われることを求める。

2)弁明書でも述べられているように、島本町衛生化学処理場の加圧浮上装置は、水域への汚濁物質量を抑制に重要な役割を果たしている設備である。既に異議申立書において主張したとおり、2)不存在の理由が「保存年限の経過によるもの」であることは極めて不当である。

対象となる情報は、加圧浮上装置そのものが現在稼働中であることから、都市環境部環境・産業課において「保管」され「常用」されてしかるべき文書であり、本来ならば保存期限を定めるに値しない状態にある。そうでなくとも「島本町文書取扱規程・第33条で定められている「永年保存」に値するものである。

当該施設が昭和56年に設置されていることから、当該文書を昭和56年頃に作成された文書とし、「現行の『島本町文書取扱事務規程』は昭和58年に改訂されているため、(中略)通常の工事関係書類として、5年保存として文書管理がなされ、保存年限経過後に破棄されたものと思われる」という弁明であるが、あくまでも推測である。

しかも、その保存年限が経過した昭和61年には、現行の「島本町文書取扱規程」が存在し、これによって文書管理が行われていなければならない。弁明にはこの視点が欠けている。推測による実施機関の主張は、昭和58年以前に存在していた文書管理に関する規定が、昭和58年に改訂された「島本町文書取扱規程」に適切に移行されていないと述べているに等しい。情報の不存在の理由として、到底、認めがたいものである。

「情報不存在として本件処分には、違法又は不当な点は何ら存在しないものである」という当該課の主張を是とする実施機関は、文書管理と施設維持補修管理の杜撰な現状を調査によって把握し、改善に向かって検討する姿勢を欠いている。異議申立人は、ここに大きな問題があると考えている。

以上のような理由により、「保存年限の経過により不存在」とする決定は、速やかに取り消されるべきである。

最後に、当該文書の情報不存在については、「不適切な事務処理による誤った廃棄」あるいは「紛失」によるものと考えるのが妥当という考えに至った。弁明書における当該課の主張が認められるならば、島本町における杜撰な文書管理と情報公開、ならびに不適切な施設維持管理を容認することになり、意義申立て人はこれをもっとも懸念している。

以上


滋賀県・唐崎での研修の朝
近江八景・唐崎神社の境内を散歩
琵琶湖はわたしの第2の故郷です

情報公開請求、異議申し立て

2012年04月13日 | ごみ問題学習会・島本PJ
情報閲覧等異議申立書を期限最終日、自治防災課に提出しました。生みの苦しみを味わいました(悩み疲れました)。平野議員も別途、同じ情報について情報公開されていましたので、ごみ問題学習会・島本プロジェクトで共に議論し、異議申し立てはそれぞれに行いました。非公開のものに不服を申し立て公開せよというのではなく、「不存在」のものについて「不存在であるが故の非公開」に異議を申し立てる・・・はじめての経験でしたが、これが思いの他難しく、悩みに悩んで整理した文書を下記に記します。

大きくめざすところは、庁内のさまざまところで起こっている設計図書等、施設・施設整備の維持管理に必要と思われる重要な書類の適切かつ法に準じた文書管理です。住民ホールのアスベスト対策の際にも設計図書などがなく、内部の構造がわからないということが起こっています。氷山の一角・・・かもしれません。ふれあいセンターも維持補修の時期を迎えています。公共施設を資産ととらえて総合的に維持管理していくために、文書の保管、常用は欠かせないものです。

第1回定例会、2月会議において、戸田が総務文教委員会で、平野議員が建設水道委員会で連携、会派で厳しく追及しました。今回は、議員としてではなく、一請求人として、「不存在ゆえの非公開」に異議を申し立てるものです。住民のみなさん、すべてに開かれている制度であり、権利です。今回の場合はいささか複雑かつ高度ですが、多くのみなさんの参考になればと思い、公表します。そして、環境産業課の弁明を待ちます。



平成24年4月13日                        
情報不存在通知書(島都環第1507号)に対する異議申立ての理由

私、戸田靖子は、市民グループ「ごみ問題学習会島本プロジェクト」(以下、プロジェクトという)に属し、島本町のし尿処理施設の課題(近隣自治体との広域連携による処理・島本町内での新設等)について、現在、調査研究をしています。それに関連して行っている島本町衛生化学処理場でのし尿処理過程の現状調査に必要な情報として、平成24年2月2日、「衛生化学処理場の加圧浮上装置」(※参考画像1)①設計図書②契約書類(仕様書含む)③装置の取扱説明書(以下、請求情報)の公開を求めました。

これにつき、受け取った情報不存在通知書(平成24年2月13日・島都環第1507号)の決定内容におおいに不服があるため、下記のように異議申し立てを行います。

異議申し立ての趣旨ならびに理由
1)平成24年1月20日現在、対象となる情報のうち①設計図書は存在していた、もしくはその可能性があると認識している。「不存在」として公表されないことは不当である。
その理由:対象となる情報「加圧浮上装置の設計図書」については、プロジェクトが提出した質問状(※資料1・11月30日)の再質問5②により情報の特定がされたうえで、回答(島都環1259号・平成24年1月20日※資料2)において「文書の公開については情報公開請求による手続きをお願いいたします」とされたものである。
これを受けて、私、戸田靖子は2月2日に情報公開請求を行っている。従ってこの時点で当該文書は存在していたと考えるのが妥当である。

2)不存在の理由が「保存年限の経過によるもの」であることは、著しく不当である
その理由:対象となる情報は、加圧浮上装置そのものが現在稼働中であることから、都市環境部環境・産業課において「保管」され「常用」されてしかるべき文書(※イ)であり、本来ならば保存期限を定めるに値しない状態にある。そうでなくとも「島本町文書取扱規程・第33条で定められている「永年保存」(※ロ)に値するものである。
よって「保存年限の経過により不存在」とする決定は、不当である。

異議申し立てに至る背景
加圧浮上装置の①設計図書ならびに③取扱説明書が「不存在」であるならば、第一義的には「島本町文書取扱規程」に基づいて適正な文書管理が行われていないことが問題と考えますが、そのことによって私ならびに当プロジェクトの知る権利が保障されず、「住民の知る権利を制度的に保障する情報公開制度の趣旨」に反することとなっています。

また、対象となる情報「加圧浮上装置」の①設計図書②取扱説明書の「不存在」は、設備の適正な管理運営、ならびに、し尿の適正な処理、場合によっては合法的な処理に支障をもたらしかねません。さらには、日常の運転業務や多額の費用を投入して行っている維持管理補修、それに伴う工事発注や備品購入等が適正に行われているかどうかにも関連し、非常に重要な問題を含んでいると考えます。

不存在の理由は、「島本町情報公開・島本町個人情報保護制度の趣旨と解説」に記されている不存在理由のエ「保存期間が経過し、破棄」に該当するものですが、「島本町文書取扱規程」に定める適正な廃棄手続きに則ることなく「廃棄」もしくは「紛失」して「不存在」と主張している可能性があるのです。よって文書取扱規程に基づいて適正に廃棄(※ハ)されたことが証明されなければならないと考えています。

島本町においては、情報の管理に関する義務等は「島本町文書取扱規程」で規定されており、これについては「情報公開制度が直接的に関与するものではない」とされていることは認識しています。しかしながら、上記、異議申し立ての趣旨ならびに理由1)2)で述べているように、「不存在」を理由に対象情報の公開に応じないことは問題であり、「不存在であることを正当に証明」することを目的として、「文書取扱既定に基づいて適正に廃棄」したことがわかる情報の開示を、間接的に関与することが可能な範囲で求めるものであります。

以上


画像は、島本町衛生化学処理場 加圧浮上装置の一部
右の緑の設備が加圧浮上槽 主にCODを除去する目的で設置されています
平成23年6月15日に現地調査にて撮影


参考画像1:島本町衛生化学処理場内の「加圧浮上装置」(一部分)
資料1:ごみ問題学習会島本プロジェクトより島本町長ならびに都市環境部・環境産業課長宛に提出した質問状(2011年11月30日)
資料2:「衛生化学処理場について(回答)」島都環第1259号(平成24年1月20日)
島本町文書取扱既定より
※イ:(用語の定義)
第3条 用語の意義
(6) 保管文書 完結文書で保存するに至るまでの間、各課において一定期間保管するものをいう。
(7) 保存文書 総務部総務課(以下「総務課」という。)において一定の年限保存する文書をいう。
(9) 常用文書 各課において常備し、執務上常用する文書をいう。
※ロ:(保存年限の種類)
第33条 文書の保存年限
永年保存
(10) 契約に関する文書で重要なもの
(11) 財産及び町債に関する文書で重要なもの
※ハ:
(保存文書の紛失等)
第49条 保存文書を紛失し、又は汚損したときは、借覧者は、主管課長の意見を付けた始末書を総務課長に提出しなければならない。(平18訓令3・一部改正)
(文書の廃棄)
第50条 保存期間が満了した文書は、毎年4月末日までに廃棄しなければならない。
2 総務課長は、保存期間中の保存文書で保存の必要がないと認められるものがあるときは、主管課長と協議してこれを廃棄することができる。
3 総務課長は、保存期間が満了した保存文書であっても、なお保存の必要があると認めるときは、さらに期間を定めて保存することができる。
4 前項の規定により保存期間を延長したときは、当該文書のファイル基準表及び文書保存箱に延長した保存満了年月及び保存年限を記入しなければならない。
5 永年保存の文書については、総務課長は、10年ごとに当該文書の関係部長又は関係課長と合議のうえ、その必要性を精査し、保存の要否を決定するものとする。
6 課長は、1年保管の文書については引継ぎの際に、軽易の通知等については常時、適宜に廃棄しなければならない。(平18訓令3・一部改正)
(廃棄の方法)
第51条 文書は裁断し、又は焼却する等印影その他の不正使用の防止に留意のうえ、廃棄するものとする。

し尿処理課題検討で「市民力」!

2011年05月29日 | ごみ問題学習会・島本PJ
ごみ問題学習会島本プロジェクトのメンバーで行った「~市民と一緒に検討しました~し尿処理課題についての検討報告会」。本降りの雨にもかかわらず、10名近くの方が参加してくださいました。

前半1時間を報告会とし、後半は6人のメンバーを含めて、参加者全員で意見交換しました。報告の内容を次に示します。また。これらは現在、検討報告として文書にまとめ、編集作業を進めているところです。

1.島本町のし尿処理の現状と課題                   
   これまでの経過
   生活排水処理について
   し尿処理施設(島本町衛生化学処理場)の概要
   処理の仕組み
   現施設の問題点
   し尿処理施設に関わる経費
   新しい方式の仕組み 

2. し尿処理施設の調査に基づく5つの提案
   調査した施設
    ①高槻市唐崎クリーンセンター
    ②乙訓環境衛生組合 クリーンプラザおとくに
    ③城南衛生管理組合 クリーンピア沢

3.新たな中間処理施設(希釈後放流方式)や広域化の比較検討

今日の報告会のタイトルには「市民とともに検証しました!」とあるのですが、住民からの参加がなければ、報告内容はここまで熟成したものにはならなかったと思います。このことは、アドバイスをお願いしている学識経験者の先生がわかりすく講評(理由を解説しての批評)してくださいました。

それは「経済・財政」「技術」の視点から「し尿処理問題」をみる視点が多くの議員に欠けているということ。たったふたりの住民参加が、これを補うどころか見事な「市民力」で活動を支え、導いたことを高く評価してくださいました。

専門家ではないので能力的に欠けているのは、ある意味やむをえないにしても、課題検証に欠かせない重要視点を抜きにしての議員活動などあってはならないのです。そこで市民参加が鍵となります。

市民が、自ら民間企業と自治体の運営には異なる視点が必要ということを理解し、就業により永年で培った知識と経験を活かして市民活動を育て、政治を育てる原動力となる。今回の報告会では、そのことが肌身にしみてわかりました。

わたしは、議員は市民の代弁者であってはならないと考えます。誤解を招く表現ですが、代弁するだけではだめという意味です。その先の一歩が「政治」であると・・・まだまだ微力ですが、住民のみなさんともに「市民力」「議員力」を養えるよう頑張ります。

自ら住んでいる町に「市民」としての関心を注ぎ、いままであまりにも無関心、任せきりだったのではないか、と、メンバーが今日、静かに発言しました。深く感動しました。「市民力」とはこういうものかと実感できた瞬間でした。既にある資料を精査するのに、なんの権力も必要としないことを、黙々と示してくれたメンバーです。

自分はあまりにも無関心であった、政治に背を向けていた責任があるのではないか。この感覚は、わたし自身が、かつて短い間ながら一票の権利をもたずに、幼子とに暮らした海外経験で得たものと共通しているはずです。議会のなかにいると忘れますが、見失うことはありません。

発露はひとりひとり違っていてよい。政治が暮らしそのものであることを気づいたら、それがはじめの一歩です。思えば、30年前、メゾン水無瀬で、澤嶋真紀子さんの活動をみていて学んだことです。つながっています。

画像は、5月の大原寂光院参道の新緑



し尿処理課題について、考えます!

2011年05月27日 | ごみ問題学習会・島本PJ
明日の学習会
~市民と一緒に検討しました~
し尿処理課題についての検討報告会

5月28日(土)2時~4時
ふれあいセンター3階 第4学習室
参加無料

主催:ごみ問題学習会島本プロジェクト

今、最終準備にあたふた、追われています
ぜひともご参加ください


画像は、5月のある日の京都大原・建礼門院陵
ちょっと気分転換に綺麗な画像をお届けします

ごみ学・島本プロジェクト

2010年06月04日 | ごみ問題学習会・島本PJ
今日の午後は、久しぶりの「ごみ問題学習会・島本プロジェクト」でした。会派「人びと」の議員3人と住民で、一般廃棄物処理計画(案)に関するパブリックコメントの成果を検証しました。

住民の方から「成果」「計画」は、ごみを「質」「量」でみることはあっても「金額」でみるという概念が抜け落ちているというご指摘がありました。そのことに議員が充分に気づいていないことを講師の先生から指摘され、はっとしました。たった1年で感覚が麻痺しています。

「成果」とはなにかという点でも、行政職員の感覚は民間企業で努めた経験のある者には理解しがたいものです。「なにを」「どのようにして」「その結果どれだけコスト削減できたか」ではなく「このような会議を行いました」という報告で先へ進む「計画」に実効性は期待できません。

「現場」からかけ離れたところで「計画」が作られているというご指摘もありました。高額の委託料を支払って外部組織に丸投げしていますが、その「成果品」である計画(案)を精査する職員に、プロ意識と専門知識と現場感覚が欠如しており、委託業者の「ゆるみ」を育てています。入札というある種の「価格破壊」が内容を低下させ、計画がますます現場から遠ざかっています。

この悪循環を止めるのは「課題に目覚めている」住民の参画しかありません。専門家の幅広い経験を活かした学習会を経て、住民とともに学びながらパブリックコメントを提出できたことはたいへん意義あることと感謝しています。議員はみなさんのお力を借りて、はじめてよい仕事ができます。議会という表舞台に立つのは一瞬です。

画像は、高槻市のし尿処理施設・唐崎クリーンセンター(6月2日見学)

し尿処理施設見学

2010年06月02日 | ごみ問題学習会・島本PJ
午後、高槻市東上牧にある島本町のし尿処理場と、高槻市の唐崎クリーンセンター(し尿処理施設)を見学しました。小沢福子府議、高槻市議3名、平野、澤嶋、戸田の7名で行動しました。高槻市、島本町、いずれも担当部職員による丁寧な説明をいただき、専門的な内容は理解できかねるものの、おおまかな流れと課題を把握することができました。

施設の老朽化が問題になっている島本町のし尿処理ですが、設備機器等に関しては更新が行われていることもあり、また維持管理の努力もあって基本的には健全に運転されているという印象を受けました。搬入、化学処理、淀川に排水される様子まで順を追って見学できたことの意味は大きいです。

高槻市の唐崎クリーンセンターは平成16年に施設を改修し、現在は衛生処理ではなく希釈で処理されています。処理方法が簡素な希釈後の下水道放流であれば、必要な敷地は大幅に縮小するということが実感できました。

島本町のし尿・浄化槽汚泥を高槻市唐崎クリーンセンターで委託処理していただく「広域行政」については、数字上、量的にはなんら問題がないというのが共通認識であると確認できました。机上の計画では成立可能ですが、しかしその一方で、日常的に周辺住民と向き合って現場で働いておられる方の発言から、「ことはそう簡単ではないのだ!」ということがよくよく理解できました。

引き続きこの問題に関心を寄せ、より多くの住民のみなさんと情報を共有し、解決策に近づけるよう努めます。

画像は島本町のし尿処理場

「ごみ・し尿処理問題」と広域化

2010年04月12日 | ごみ問題学習会・島本PJ
「一般廃棄物(ごみ・し尿)処理基本計画(案)を読み解く」というタイトルで原稿を執筆しました。「ごみ問題学習会・島本プロジェクト」でお世話になっている森住先生が理事をされている「NPO大阪ごみを考える会」の会報から転載させていただきます。

以下、先生の許可を得てご紹介します。合併問題とからみます。

去る2月6日(土)、森住明弘先生を講師にお招きし、「ごみ問題について学びましょう」と称する学習会を開きました(主催:平野かおる・澤嶋真紀子・戸田靖子 於:島本町ふれあいセンター)。5年ごとに見直す一般廃棄物(ごみ)および生活排水(し尿)処理基本計画の素案に対するパブリックコメント募集に先駆け、島本町のごみ問題の課題について住民とともに学ぶ機会を持ちたいと考えました。

島本町の「清掃工場の更新」と現在高槻市東上牧地区にある「衛生化学処理場の移転問題」は、既に新聞報道などでご承知のように、高槻市との合併議論を含む広域化行政の最重要課題となっています。そういったことから今回森住先生は講演のテーマを「島本町の広域化・合併問題にどう関わるかを考えよう」とされ、市民が「ごみというモノ」ではなく「お金の流れ」=「経済」に関心を持つことの重要性を説かれました。

自治体財政を厳しくチェックする立場にある議員である我々主催者も、「透明性」だけにとどまらない「効果的な財源の使い方」が提案できる活動を目指す必要があります。しかし実力は伴わず、また政治家の仕事は人々の暮らしの多様性に比例して多岐にわたっており、自らが個々の課題に専門性をもつにはなかなか厳しい現実があります。

そこで、森住先生のお力をいただき、住民の智恵を集めて、まずは基本計画案の策定作業に支払われた委託料409万円(生活排水計画を含む)に値する計画案かどうかを学習することからはじめることになりました。2月14日(日)、先の学習会の参加者10数名の中からこの日都合がつく5名(内議員2名)が集いました。

人口比率でみるとお隣の高槻市ならば10倍、約30名の市民参加があったに等しいと森住先生に励まされ、「家電リサイクル対象品に、液晶テレビ・プラズマテレビ・衣類乾燥機が加えられていない。平成21年4月1日に改正施行された『家電リサイクル法』に基づいた見直しがされていない。さらに担当課による校正もできていない」という鋭い指摘が飛び出しました。暮らしの目線で住民側から「法令の検討が不充分である」という指摘ができることに気づき、座は一気に盛り上がりをみせます。

初歩的な分析の誤りも多数見受けられ、たとえば「世帯数は減少の傾向にあります」とある同じ章の表で、平成19年以降、世帯数が増えている数字が示されています。総合計画で定めた将来の人口目標(平成31年)32,000人は現人口を約2,000人も上まわっており、世帯数減少という変化動向はこの点でも整合性がないといえます。

「収集体制は委託によって行っています」という一文に至っては、委託品目、委託条件、委託単価、現在の問題点とその対策を記述することが最低条件ではないかという指摘があり、もっともなことです。全般的に、経済面・技術面・制度面の観点からの現状分析を欠いたまま「考えられる」「思われる」等の「伝聞」に基づく「推測」が殆どであり、具体的施策が不充分で計画と呼べるに値しないと評価されてしまいました。

業務委託先のコンサルタント能力が疑われ、委託料409万円の成果品としてはあまりにも杜撰すぎました。加えて素案をチェックできていない担当課の意識が問われており、実はこの意識こそ、高槻市との広域化行政勉強会再開に際して「合併の議論を含めた」という文言を織り込まなければならなかった要因につながっているとわたしは考えています。

ひとことで言うならば 「課題解決に導く視点が抜けている」ということです。ご承知のように、ごみ処理の広域化については、ダイオキシン発生防止のために一日100t以上の処理で全連続運転を基本とし、人口規模の小さい市町村においては隣接市町村と連携して一定規模以上の全連続炉への集約化、広域化を図りなさいと国が通知しています。

循環型社会形成推進交付金の交付対象が人口5万人以上、面積400k㎡以上であることから、島本町の施設更新には交付金が適用されません。平成11年3月に定めた大阪府の「ごみ処理広域計画」でも、ごみ処理施設は日量100t以上、可能な場合は日量300t以上の全連続炉と規定されており、広域化は島本町の取り組むべき最重要課題であるにもかかわらず、このことがまったく記載されていません。ことの重さがまったく認識できていない。あるいはそういう「ふり」をしているのかもしれません。

平成19年7月、大阪府により「高槻市の前島クリーンセンターの更新計画に参加するなら今」と指導(アドバイス)を受けた後も、高槻市との実りある話しあいの実現には至っていません。「島本町衛生化学処理場」は老朽化が進んでおり、地元住民からの要望により高槻市から再三の立ち退き要請があったにもかかわらず、町内での候補地を粘り強く模索したという事実がありません。

忌避施設の設置には、すべての自治体が苦労して智恵を絞り、努力を重ねています。そのことを放棄したまま、委託による広域化を単純に望む「高槻市へのお願い」が島本側の基本姿勢である限り、「それならば合併も含めて」と高槻市は明確に述べているのです。

そもそも「広域化」には、「高槻市民のごみ・し尿の処理が島本町内の施設で行われる」という可能性が含まれています。また「合併」となれば、「かつて島本町であった高槻市の一区域」(合併により名称が変更する可能性は少ない)に、新しい基礎自治体である「高槻市の市民(現在の高槻市民&島本町住民)のごみ・し尿処理施設」が設置される可能性を含んでいるのです。

島本町の認識は、議員も含めてあまりにも甘すぎるのではないかとご指摘を受けています。
しかし、今回示された「生活排水処理基本計画」(案)の基本方針には、驚くなかれ「島本町衛生化学処理場にて処理を継続するものとします」と堂々記載されています。こういった担当課のあり方を住民側がどこまで糾せるのか、パブリックコメントはそのほんの入り口にすぎません。

一般廃棄物処理施設は、人の営みがある限りどこかでだれかが負わなければならないものです。単独で施設を設置運営できないならばまずは広域化行政に真摯に取り組むべきであり、合併にからむ問題となった場合は、住民に正しい情報を提供した上での議論が必須です。「ごみ問題学習会・島本プロジェクト」を引き続き定期的に開催し、縦横のつながりを大事にし、経済的な視点を盛り込んだ解決策を示せる活動をめざしたいと思います。

画像は一重のヤマブキ 町の花です 4月9日我が家の庭で撮影