とだ*やすこの「いまここ@島本」

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大阪府島本町議会議員
とだ*やすこの活動報告

愚痴から議会運営を考える

2013年08月30日 | とだ*やすこの町政報告
29日の夜は、「ザ・ギャラリー北摂連絡会」の例会が島本町ふれあいセンターで行われ、客員として会議の受入れを担当しました。ザ・ギャラリーとは「傍聴」を意味し、北摂各自治体の市民のみなさんが主体となり、議会運営、議会改革について情報交換、意見交換をされている市民グループです。

島本町議会の議会改革は、他市に先行して平成22年3月に特別委員会を設置(改選により解散)していながら、議会基本条例の策定には到底及ばす、わたしのなかに疲労感と無力感が漂っています。議会改革とはそもそもなにか、なんのための議会改革か、その理念が共有できていなかったからだと思います。

さて、議会活動における愚痴をみなさんにお伝えします。実は、平成24年度各会計決算についての会派代表等による大綱質疑、戸田が行った通告で、議会事務局から削除または訂正を求められた文章があります。

福知山市の花火大会での露天商の燃料爆発事故、東近江市で起こった消火訓練でのアルコール引火事故などを受けて、平成24年度における消防本部の業務内容について確認、質問しようとした次の項目の一行目に問題があると議長、議会事務局長から指摘されました。

12)イベントにおける模擬店出店の安全対策
福知山市の花火大会での露店爆発事故を受け、祭りにおける火気の取扱の指導の必要性が再認識されました。商工会青年部が主催される島本の夏祭り、人権・福祉関係団体主体のふれあい夜店においても模擬店が出店されます。

イベント開設時の模擬店出店の届出、配置図や店舗数などの提出、消火器設置の義務付け、当日の巡回などは行われているのでしょうか。また、火災予防条例上、これらはどのように位置づけられていますか。


この質問のどこに問題があるの?島本町議会の特徴である「ルール」「決まり」重視の不可解な議会運営については「つける薬がない」と思えます。「福知山市の花火大会での露店爆発事故を受け、祭りにおける火気の取扱の指導の必要性が再認識されました。」を問題視する理由は次のようなものです。

「平成24年度の決算に対する審議なので、平成25年度に起こった事故のことに言及しては平成24年度の決算審議にならない、このままの表現では平成25年度のことを問うことになる」

東日本大震災の際はどうだったでしょうか。社会的に見逃せない惨事を受けて、今、現在の見解で、平成24年度の事務執行について審議する、そのことで平成25年度以降の業務改善につなげようとする発言に、なんの問題があるのか理解できません。

「平成24年度においても」などの表現を追加すればよいことなのですが、あまりに頑なに問題とする態度に「議会審議において、なにが大事なのかが忘れられているのではないか」と応じました。

議長と議会事務局長、双方の意向であること、なおかつ、議場で他の議員の理解を得られないであろうこと、さらには戸田にだけ認めれば不公平になる(???)というような発言もあって、さすがに声を荒げて応じました。が、毎度のことながら無駄なことです。課題の重大さに比べて枝葉のことと自分自身に言いきかせ削除することにしました。このレベルの戦いは島本町議会で日常茶飯です。

しかし、ここには議会運営、議会改革上の重要な課題が潜んでいます。「会計決算」についての大綱質疑とあるように、「会計決算」に特化すれば確かに質問の幅が限られてきます。問題は、島本町議会が予算決算常任委員会を設置せず、所管事務事業の審査と会計審査を同時に行おうとしていることです。

「予算決算特別委員会(当時は議員がふたつの常任委員会に所属できなかったので「特別」委員会)は過去に試行的に設置していた時期があったが導入に至っていない」と主張する議員がいますが、地方自治体が健全な財政を維持する経営能力が問われている今、以前とは社会的な背景が変わっています。

自治体の著しい財政悪化が明らかになったように、従前の制度では事態が深刻化するまで状況が明らかにならない、議会の役割が充分に果たせないという課題を行政も議会も抱えているといえます。

議会改革はその延長線上にあります。ひとりの議員が複数の常任委員会に所属することが制度上可能になった今、予算・決算常任委員会を設けて、自治体の会計をより詳細に「決算から予算へと継続性をもって」審議すること、所管事務事業の審査を深め、政策提案ができる場をタイムリーに担保することは議会改革の重要な課題です。少なくとも、わたし自身はそのように認識しています。

だからこそ、定数削減により3つの委員会が総務建設水道常任委員会と民生教育消防常任委員会に統合されようとしたおり(議員から提案に賛成多数で可決)、予算決算常任委員会の設置の必要性を訴えました。予算ならびに決算は分割せず(分割は違法)、継続性をもって審議するべきと考えますが、改選後に先送りされ現在、議会運営委員会に委ねられています。

町の課題、所管事務の審議についていったいどこで行うのか、継続性をもって会計予算決算審議を深める機会をどのように担保するのか・・・そのことを真剣に考えないと、今後も質問の削除、訂正が頻発するでしょう。当面は、総務建設水道ならびに民生教育消防常任委員長の見識と力量、さらには良識が問われることになります。



平成24年度決算に対する大綱質疑

2013年08月30日 | とだ*やすこの町政報告
平成25年度定例会9月会議で行う、平成24年度(2012年度)決算への大綱質疑は、人びとの新しい歩みを代表して、戸田が行います。9月6日になると予想しています。持ち時間は質疑応答ともに60分(二人会派の場合)です。

国内各地で頻繁に起こっている大雨土砂災害、都市型集中豪雨による内水被害は、昭和の人口増加時期に有効であった都市計画を見直す必要があることを示しています。2012年12月に発生した中央自動車道笹子トンネル事故をきっかけに、公共施設インフラ整備の老朽化問題、メンテナンスの問題にも関心が高まりました。従来の都市計画や公共施設のあり方を、人口減少時代に順応したものに変えていく必要性に迫られています。

「地域主権改革一括法」が施行され、まちづくり基本条例の理念に則り、基礎自治体は自らの判断と責任において、これらの問題を解決していかなければなりません。4月1日より再び乾副町長が就任され、その後、再任用職員に参与という位置づけがされ、賛否はともかく、さまざまな事務事業が積極的に進められた年度でもありました。

1)集中豪雨による浸水被害をふりかえって
2012年8月14日の集中豪雨は、未明から早朝にかけて最大時間当たり降雨量111mmを記録し、町内各地で道路冠水、家屋床上・床下浸水などの被害をもたらしました。被害総額は12億7662万9141円、災害復旧費は30,621,568円。職員のみなさんの災害復旧作業と被災住民に対する支援に改めて感謝し、また「災害の記録」としてまとめて後世に記録されたことを高く評価するものです。

①一方、災害対策委本部の初期体制、住民との協働には課題が残りました。これについてはどのように総括されていますか。
②今回の経験をもとに、災害時における議会の対応や危機管理、復興時における議会の役割ついて、執行機関として望まれることはどのようなことでしょうか。 

2)まちづくり基本条例の基本理念は活かされていますか
基本条例第4条に掲げている「まちづくりの基本原則」は活かされ、守られていますか。
町は、住民、議会に対し情報を積極的に提供し、信頼関係に基づき対話を重ね、ともにまちづくりを進められる環境づくりに努めておられますか。議会に対して会派を問わずに公平に情報を提供し、議員ひとりひとりの人権を尊重する姿勢で臨んでおられますか。

3)各種団体補助金制度の見直しについて
「第5次行財政改革プラン」において運営経費に対する補助から事業費補助へと、目指すべき方向は定まっています。公益性・公平性・透明性の確保のために必要不可欠な改革です。新旧問わず、あらゆる団体に機会が均等に与えられた公募制の補助金制度を設ける必要も訴えてきましたが、調査検討の状況を問います。

4)文書取扱規程の抜本的な見直しは進んでいますか?
施設整備の設計図書の類は施設や設備がある限り保管するものです。施設設備の適正な管理や修繕を行うためにも、住民への情報公開に応えるためにも、本来あるべき文書管理について、庁内で統一した見解をお示しいただかなければなりません。メールや電子データについての取扱規程も必要です。文書取扱規程の改正について進捗状況をお示しください。

5)職員の法令遵守(コンプライアンス)と組織機構について 
2012年10月12日付けで、人権文化センターに配置された教育委員会職員の出勤簿虚偽記載による無断欠勤事案に対する懲戒免職処分、1月19日に起こり4月25日に管理職に事態の報告があった民生部での養子縁組届受付事務での過失など、職員のコンプライアンス意識とスキル及び教育長及び町長の監督責任が問われる事件が相次ぎましが、組織としては、執行体制と職員配置の見直しなど、適切な組織機構の再構築が必要ではないかと考えます。認識を問います。

6)都市計画道路の廃止に伴う影響と対応
11月22日付けで島本町内における事業未着手の都市計画道路は全線廃止されました。未整備の都市計画道路の実現性は低く、事業化の困難さは理解できますが、現状ではJRを縦断する路線のうち、実質、水無瀬鶴ヶ池線(役場前道路)以外は、災害時に緊急車両が通ることが難しいと思われます。代替路線の機能強化を検討する必要がありませんか。

7)男女共同参画の実現を目指して
「しまもとスマイルプラン~第2期島本町男女共同参画社会をめざす計画~」に基づき、2012年度は、広く住民、事業者に理解を広めるためどのような啓発事業を行われましたか?

8)町立幼稚園・就労支援型預り保育の試行の成果は?
保育所過密状況の改善を目的として、町立幼稚園において、就労援型の長時間の預り保育を開設されました。中長期的には、子育て世代にとって新たな選択肢になり得ても、緊急的に保育所の過密状況を改善できるものではないことは明白でした。試行的導入の総括と本格実施後の現状と課題をお示しください。

また、新たな民間保育園が開設されることになった今、町立幼稚園・就労支援型預り保育の今後について、町の見解をお示しください。

9)母子健康事業、療育支援事業の充実を求めて
乳児家庭全戸訪問事業「こんにちは赤ちゃん訪問」や乳幼児健康診査、育児相談、ポニーの教室、ことばの相談等療育支援事業を通じて、近年の育児環境にみうけられる傾向、子育て世代が抱える課題、支援の拡大を必要とする点など、特筆すべき点、課題等をお示しください。

10)インフラ・公共施設などの社会的資本整備計画について
「橋梁長寿命化修繕計画」に基づき、高速道路関連社会貢献協議会の助成金を活用され、名神高速道路に架かる東大寺跨道橋の補修工事を行われました。また、社会的資本整備総合交付金を活用して「町営住宅長寿命化計画」を策定されました。

インフラ整備においては新規事業よりも既存の施設の長寿命化、維持補修管理が優先的課題になっています。JR島本駅西側や阪急水無瀬駅前の整備など新規の大型事業に着手できる環境ではないと考えますが、町の見解をお示しください。

11)イベントにおける模擬店出店の安全対策
商工会青年部が主催される島本の夏祭り、人権・福祉関係団体主体のふれあい夜店においても模擬店が出店されます。イベント開設時の模擬店出店の届出、配置図や店舗数などの提出、消火器設置の義務付け、当日の巡回などは行われているのでしょうか。また、火災予防条例上、これらはどのように位置づけられていますか。

12)公害対策、大気汚染に係るPM2.5対応について
現在、日本では大気汚染防止法に基づき、全国500カ所以上で常時監視が実施され、役場庁舎の屋上にも大阪府の大気汚染観測局が設置されていました。健康被害が懸念されるなか、3月、小学校の卒業式では風邪とは異なる咳が止まらない児童が少なからず見受けられました。学校や幼稚園、保育所ではどのような対応、注意喚起をされていますか?

13)確かな学力の育成、国語教育の取組について
国際的な活躍を担う人材の育成は、英語力もさることながら、母国語における思考の深さや母国の歴史文化芸能への造詣の深さによるところが大きいものです。国語科を中心とし、それ以外の教科でも言語活用能力育成に視点をおいた研究授業や研究討議が行われているとのこと、取り組みの概要と成果、今後の展望をお示しください。

14)課題を抱えた生徒と教師の支援について
吹田子ども家庭センターや茨木少年サポートセンターなどとの積極的な連携によって、課題を抱えた児童、生徒に対する支援指導が行われたとのことですが、具体的にはどのような連携が行われたのでしょうか。子どもの視点に立った教育相談体制の整備、充実をどのように図られましたか。

一方、小中学校の教師に対して、心身両面の健康管理、カウンセリングやコーチングについては、現状、どのようになっているのでしょうか。教師に対する健康相談、健康管理、職務相談体制もまた喫緊の課題と考えます。見解を問います。


15)教職員の勤務評価と「授業アンケート」問題
若手の教職員の比率が増える中、小中学校すべてに首席を配置、次期管理職候補として育成することをめざしておられます。今後は経験年数だけではなく、実力ある教師を登用するとの方針も示しておられます。

しかしながら、授業を受ける側からみた「授業力」を教員評価に反映させる、大阪府教育委員会が実施する小中学校における授業アンケートの実施についてはおおいに疑義があります。配布と活用について島本町の実態をお示しください。

16)国民健康保険の医療費
国民健康保険制度は、国の適切な財政支出があってはじめて成り立つ医療保険です。ひとり当たりの年間医療費が、一般被保険者分は258,236円、退職被保険者分が232,199円と、前年度に比べてそれぞれ1.4%、2.6%増えています。被保険者の健康保持増進を図る取組みともに、徹底したレセプト点検が課題です。レセプト点検については、どのような取り組みをされていますか。

17)公共下水道高川雨水幹線接続工事について
公共下水道高川雨水幹線接続工事が完成とほぼ同時に、都市型集中豪雨による浸水被害が起こり、下水道整備の重要さを再認識しました。スクリーンに絡まるゴミや落葉については当初から議会で指摘されていました。

新たな措置について、大阪府との協議を経たと島本町が判断した工事は認められず、紆余屈折を経ての工事完了です。府との協議において行き違いがあったことについて、問題点はどのようなところにあったと考えておられますか。


以上です。
他の会派ならびに会派に所属しない議員の大綱質疑は島本町議会HPに掲載


画像は、香港ビクトリア湾に沈む夕陽
昨年の夏、家族で友人を訪ねた際
レストランの窓から撮りました

1992年~1999年香港に住みました
地縁血縁ない土地で行政の支援もなく
一票の権利をもたずに子育て、自分育てをした街

しばらく香港の画像をUPします

9月の一般質問「共通番号制度」のこと

2013年08月29日 | とだ*やすこの一般質問
一般質問は、通告した内容に添って行います。担当課で答弁原稿が作成され、部長、町長部局における調整を経て、用意された原稿がそのまま「朗読」されます。誰の質問に、どこまで答えるか、どこで事実を明らかにするかには政治的判断がつきまといます。質問の順番にこだわる議員が多いのもこのためです。

一般質問の一問一答制を議会改革の課題に掲げる議会が多いなか、島本町では、わたしが議員になったときにはすでに試行的導入され、現在は本格実施になっています。通告を全部読上げてからまとめて答弁をもらう総括方式を選択することも可能です。

一問一答式の場合は、通告内容に対する答弁の後、自由に再質問を組み立てることができるので、丁々発止のやりとりが繰り広げられます。ただ、通告の段階である程度練っておかないと、限られた時間を有効に使うことも、望むべき答弁を引き出すこともできません。時間配分を考えて、削ったり足したり、順序を考えたりする作業にエネルギーと時間を費やします。

今回、行う「共通番号制度の問題点を問う」は、まだ、制度の詳細が明らかにされていない段階で、議会という場でその存在と問題点を公にすることを目的に、町執行部の認識を行うものです。


Ⅱ)「共通番号制度」の問題点を問う

去る5月24日、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用に関する法律」が成立してしまいました。共通番号制の先進国、アメリカや韓国では「成り済まし事件」「大量の個人情報流出」などが社会問題化し、既にアメリカでは個別番号制への移行が検討されているとも聴き及ぶなか、初期ならびに運営費用の試算もあいまいなまま、「マイナンバー制度」という親しみやすい通称で導入されます。

①住基ネットの準備段階から現在までの所要経費は概算でどれくらいになるか把握しておられますか。
費用対効果をどのように評価していますか。新たに、重ねて導入される共通番号制度に、住基ネットに勝る利便性、導入の妥当性があると考えておられますか。

②国や府からどのような工程が示され、島本町として予定している事務事業はどのようなものでしょうか。また、平成26年度の予算要求の内容はどのようになると考えておられますか

③担当職員の増配置が必要ですか。DV等の問題を抱える世帯への対応、個人情報保護の対策などは島本町が徹底して行わなければなりません。これについて、検討していますか

④既存の事務事業ならびに関係機関の事務事業にどのような影響が及ぶのでしょうか。これについての調査研究は進んでいますか。基礎自治体として把握している課題等があればお示しください。


以上です
議員の一般質問の通告内容は島本町議会のHPに掲載されています

9月の一般質問「公共施設」のこと

2013年08月28日 | とだ*やすこの一般質問
8月23日に一般質問の通告、27日には会派を代表して行う大綱質疑(平成24年度決算に対するもの)の通告を終えました。このあたりが議会準備期間の大きな山場のひとつです。集中できる時間を確保しようとすると深夜に及び、睡魔と戦いながら明け方までという日が続きます。

常に通告内容のことが頭にあって他のことが頭に入らないのに、肝心なときには睡魔が・・・丑三つ時を超えるとライティングハイに突入、頭も目も冴えまくり、録画したTVドラマ「半沢直樹」などを観てますます眠れなくなってしまったりしています。

平成25年第4回定例会9月会議では、6月に引き続き「公共施設の老朽化、更新問題」を取り上げます。以下、その内容をお知らせします。予定では9月4日、場合によっては9月3日の夕方に質問の順番がまわってきます。ご都合よろしければ傍聴をお願いします。


Ⅰ)公共施設適正化調整会議
~  子ども、若者、次世代のための適正化を ~

昭和の高度成長期時代に建てられた公共施設が一斉に更新を迎えるのとあわせるように、高齢化と人口減少が進んでいます。財政収入が自然と縮小していくなか、公共施設の問題を長寿命化だけで解決するのは非常に危険です。

公共施設の量を維持するばかりに、より必要性の高い必然的な施設まで良好な状況で保てなくなる状況を既に迎えています。目先の便利さや豊かさを求めて、あるいは既得権を手放さずに結論を先送りしては、次世代に無理な財政負担を強いることになります。

以下、そのような考え方に基づいて質問します。

1.
公共施設適正化調整会議の進捗状況と今後のスケジュールをお示しください。いつまでに方針を定め、いつごろ計画の素案を策定される予定か、目標とされる期日をお示しください。

2.
既に少なからぬ自治体が「公共施設白書」を策定しておられます。6月、戸田の一般質問「公共施設の全体構想」において、総合政策部長が「個々の施設についての検討、基礎的な検討は必要」「それを集約した一元的な検討結果については一定、計画書、報告書として策定をしてまいりたい」、というように発言しておられますが、これは「島本町公共施設白書」の作成を意味すると理解してよいですか。

3.
まず、どれだけの施設があって、維持管理費にどれだけの費用がかかり、現状どのように活用されているのか、全体像を示して公開し、そのうえで、どこまで総量を減らすのか、なぜ減らさなければならないかを、行政、議会、住民が共有しなければなりません。

そのためには、量(ストック)経費(コスト)利用状況(サービス)の視点から、現状と課題を明らかにする白書の公表が効果的です。具体的な計画を適正化調整会議でつくってしまう前に、まずは白書を作成して公表する必要があると思います。見解をお示しください。

4.
施設老朽化の問題において、着目すべきは、バブル期崩壊後の景気対策によるハコモノ整備の存在です。具体的には、ふれあいセンターと緑地公園町営住宅です。いずれも借金の返済が終わる時期には、長寿命化のための維持補修管理費が膨らんでくるのではないですか。

5.
秦野市の白書から、公共施設の性質別内訳をみてみると、学校教育施設が土地の31%、建物の62%。生涯学習施設を含めると土地の56%、建物の79%が教育関連施設です。量的にみて教育委員会所管分が圧倒的に多く、これは島本町においても同じことがいえるでしょう。

インフラ系、プラント系を除けば、公共施設の更新問題は、生涯学習も含めて「教育」の問題であることが白書から鮮明にみえてきます。義務教育(小中学校)、幼児教育と子育て支援(幼稚園)、生涯学習(スポーツ文化施設等)についての方針は、それぞれに異なってくると思います。

現時点で、教育委員会としてのお考え、それぞれの方針をお示しください。

6.
公共施設の再配置を検討する際、もっとも優先して考えるべきは幼い子どもたちが保護者から離れて長時間過ごす保育所ではありませんか。

老朽化著しい町立保育所は耐震化を検討するまでもなく、建て替えを決断し、そのためにどうするか課題解決を考える方が、耐震診断や実施設計などに時間と費用とエネルギーを費やすよりもはるかに合理的であり、また防災の視点からは「建替え」「移設」以外に選択肢がないという考えに、わたし自身は至りました。

保育所の更新時期がやがて来るなら決断は早い方がよい。町の意思をお示しください。

以上です。
これに加えて、もうひとつ「共通番号制度」の問題点についても問います。



公共施設のグランドデザインを描こう(2)

2013年08月13日 | とだ*やすこの町政報告
6月に行った一般質問の内容を、できるだけ割愛せずにUPします。「議会傍聴を体験する」つもりで読んでみてください。質問に許されている時間は20分、答弁を含めてトータル50分が、島本町議会内で運営上、定めているルールです。

なお、議場での「質問」は、わからないことを訊くのではなく、あらかじめ調査研究したことを確認、追求しながら「望む答弁を引き出す」、質問することによって「課題を共有し、議論を公にする」ものです。


「公共施設の全体構想 ~維持管理計画の策定を目指して~」
戸田 公共施設のあり方については、すでに庁内でプロジェクトチームを立ち上げて、今後検討するとご答弁されています。そこで質問します。 

問①.検討の対象とする公共施設とは、具体的にどのような施設ですか。総務部、民生部、教育委員会、さらには都市環境部、上下水道部が所管される各施設を対象として、全庁的に整理するものと理解してよいですか。

総合政策部長 それでは、戸田議員の一般質問であります「公共施策の全体構想~維持管理計画の策定を目指して~」につきまして、ご答弁を申し上げます。

「検討の対象とする具体的な公共施設について」
社会資本には、学校・図書館・公民館・公営住宅及び地域活動を支えるための公共施設と、道路・橋りょう・上下水道などのインフラ系の設備、ゴミ処理施設及びし尿処理施設などのプラント系の施設がございます。

今回、検討の対象とする施設につきましては、これらの社会資本のうちインフラ系を除く、いわゆる「箱もの」施設を中心に、検討を進めてまいりたいと考えております。なお、ごみ処理・し尿処理施設につきましては、別途、これらの施設に特化して検討をしてまいりたいと考えております。

戸田 問②.今後の人口規模と年齢構成に応じた施設のあり方を、中・長期的な視点で、総合的に検討する必要があるかと思いますが、プロジェクトチームはどのようなメンバーで構成するのですか。また、検討の手法をどのように想定しているのですか。

「プロジェクトチームの構成及び検討の手法について」でございます。
まず、プロジェクトチームの構成につきましては、本町職員のうち、主に公共施設を所管している課長級職員で構成する組織として、新たに設置いたすものでございます。

なお、検討の手法につきましては、前の議員のお尋ねにもご答弁申し上げましたとおり、公共施設総量の圧縮、機能優先への転換と多機能化の推進、計画的な維持保全による長寿命化・管理運営の効率化、そして財源確保への取り組みなどについての基礎的調査を実施し、それぞれの施設ごとの基本的な方針について検討してまいりたいと考えております。

戸田 多くの公共施設は住民ニーズがあって建設され、愛着を持って使用されてきたもので、施設の廃止や縮小・統廃合は、住民の立場からすれば、できれば避けて欲しいのが当然です。住民ホール、町立プール、体育館、テニスコート、町立キャンプ場など、スポーツ・文化施設はまさにそういう施設です。

私は、平成23年に行われた町立プールの現況調査結果を調べて、その老朽化の深刻な現実を知り、この問題は教育委員会だけで解決できる問題ではない、公共施設の全体構想、いわゆるグランドデザインを描く必要があると痛感し、訴えてまいりました。

以来、使用停止となっている住民ホールの問題、さらには体育館のあり方なども、この全体構想において考え、財政的な情報とともに住民に開示していく必要がある。そうでない限り、住民の納得は得られない。特に、施設を廃止・縮小・統合する場合は、理解が得られないと訴えてきたつもりです。

もとより行財政改革、財政健全化に欠かせない重要な課題であります。財政困難と繰り返しながら、現状のまま維持管理・補修や、土地の賃借料を負担し続けることは得策ではない。
そこで、お尋ねいたします。教育委員会に問います。配管の老朽化著しい町立プールを、今後どうされるお考えですか。

教育次長 町立プールにつきましては、以前より、この議場の場でご質問もいただいてまいりました。老朽化が相当進んでおりまして、改修をしていくのか、廃止をするのか、新たに造るのか、そういう決断をしなければならない時期に来ているというのは事実でございます。またあわせまして、各学校のプールの活用ができないかということも検討しなければならないというふうに思っております。

今、耐震の問題が、非常に急がなければならない課題がございます。そういったことも含めて、教育委員会として、体育館も含めた施設は、全庁的に見ましても一番多い部署ではないかというふうに思っておりますので、プールにつきましても、今の時点でどうするという結論は出ておりませんけれども、財政との整合も図る必要がありますので、いつまでも検討というわけにはまいりませんので、これも早急にどうするのかということについては、結論を出せるように努力をしていきたいというふうに思っております。

戸田 私は、個別の施設を単体でバラバラに考えるのではなく、島本町にとって本当に必要なものは何か、何を継続して、何を諦めていくのか、そういうことを考える必要があると思っているわけです。主権者である住民にも説明できるよう、また納得していただけるよう、わかりやすく整理しておくことが、グランドデザインを描くうえで必要不可欠であると、今まで総務文教委員会で訴えてまいりました。

そこで問います。このプロジェクトチームにおいては、公共施設の一元的把握、それから将来の費用負担推計等を行われますか。そして、検討の報告書は作られるのでしょうか。

総合政策部長 今回の公共施設の適正化調整会議の役割でございますが、これにつきましては、できるだけ速やかに公共施設全体のあり方について検討するということでございまして、これについても、その検討結果については住民の皆様にわかりやすく、丁寧に説明する必要があるというふうに考えております。

そして、個々の施設についての検討も当然、基礎的な検討は必要ではございますが、それを集約した一元的な検討結果、それについては一定計画書、報告書として策定をしてまいりたい、このように考えております。

戸田  一元的把握、費用負担推計、そして検討報告書は必要だと思っています。昭和の人口急増期に建設された公共施設が一斉に更新の時期を迎え、すべての自治体が公共施設アセット・マネージメントの必要に迫られ、少なからぬ自治体が、すでにその重要性を認識しています。

ただ、導入事例が少なく、ノウハウが圧倒的に不足しています。専門的技術、そして専従職員の存在なくして、この問題、アセット・マネージメント的な発想での取り組みを、この島本町で行うことは大変厳しいと私は考えています。
そこで3点、質問いたします。

問①.自治体職員を対象に、公共施設アセット・マネージメントについての見識と技能を高めるための研修は開催されているのでしょうか。あれば、職員の受講を実現して欲しいです。いかがですか。

総合政策部長 まず、今後の計画策定にあたっての「職員の研修の体制について」でございます。これにつきましては、現時点で具体的なアセット・マネージメントについての特化した研修ということではございませんが、市町村アカデミーというふうな研修機関もございまして、そこの25年度の研修予定では「公共施設の有効活用」ということで、今後、施設の更新・改修、そういったことの対応についての研修を予定しておりますので、そういったことにも積極的に参加をしてまいりたいというふうに考えております


②点目.埼玉県では、市町村が取り組む公共施設アセット・マネージメントというものを支援して、それに基づく各種取り組みへの財政的な支援を行うと言っておられます。橋りょうの長寿命化は、国の方針です。基礎自治体から大阪府や、あるいは国に、ソフト面での支援や財政的支援を求めていく必要があると思いますが、現在、大阪府の取り組み状況はどうなのでしょうか。

一つの事例として埼玉県での取り組み、財政支援ですね。これについてお示しがございました。これについても、このアセット・マネージメントを具体に策定されている自治体は、まだ全国的には非常に少ないというふうに考えております。そういった中で、先進的には埼玉県が取り組みをされておるということもお聞きをいたしておりまして、その中で、いろんな形での支援のあり方があろうかと思います。

ただ、現時点で大阪府では、今、埼玉県で実施されているような技術的な支援ですとか財政的な支援、こういったことはございません。今後、必要に応じて、そういったいろんな支援の形についても検討してまいりたい、そしてまた要望もしてまいりたいというふうに考えております。


③点目.課長級の職員で構成されるということですが、総合政策部政策推進課で所管されることと聞きました。公共施設の管理は総務部の担当事業なので、総務部が主管されるものと私は認識していました。これを総合政策部政策推進課とされたのはなぜでしょうか。お考えをお聞かせ下さい。

公共施設の今回の適正化計画の事務局の関係でございますが、これは施設全体、総務部のほうで管理をいたしておりますが、今後の施設の管理もそうなんですが、総合的なあり方と、あと財政的な面での整合性を図る、こういったことが大変重要になってまいります。

その施設の維持・改修、耐震化、こういったことについて多額の費用が当然発生するわけでございますので、そういったことの平準化を図りながら、適切な維持補修に努めていく、耐震化を進めていく。そういった必要性がございますので、そういったことも勘案いたしまして、総合政策部のほうで所管をさせていただいたということでございます。

戸田 ご説明いただいたことは、一定、わかりました。若手職員級の職員がこの事業に関わられることは非常に重要で、よろしいのですが、課長はもともと間口の広い日常業務ですでに多忙、そして中心となる政策推進課にはJR島本駅西側の事業計画があります。

この検討プロジェクトは、片手間で取り組めるような事業ではないので、ここに不安を私は感じています。これについて、町の見解をお聞かせ下さい。もっと踏み込んで言えば、専門的な、専従でのプロジェクトチームが必要ではないですか、ということです。

総合政策部長 今、戸田議員のほうからご指摘いただきましたとおり、現在、政策推進課のほうではJR西側の区画整理事業について、事務局として参画と言いますか、ご支援をさせていただいております。そういった意味では、かなり事務量が増加をしておるというのは、これはもう現実でございます。

そういった中で、今回の計画の策定にあたっても、専従的な形でというのが一番好ましいというふうには考えておりますが、限られた職員の中で様々な事務事業について実施をしていく必要がございますので、その点につきましては必要に応じて、事務局は総合政策部でございますが、各部との連携を十分図りながら、個々の施設については個々で、きちっと基礎調査を実施をしていって、そして集約的な形で総合政策部のほうで取りまとめを行ってまいりたいというふうに考えております。

非常に事務量が、この問題に関わらず、やっぱり増えてきているのが現状でございます。そういったことも踏まえて、今後、適切に対応してまいりたいというふうに考えております。

戸田 通告の質問に戻ります。
役場庁舎の耐震補強工事費用並びに第一中学校の土地の地盤、基礎的部分の弱さなど、耐震診断結果並びに実施設計の内容などにより明らかになった問題は深刻です。これらについては、「建て替え・移設も視野に入れて検討」するということでしょうか。確認します。

また、第一中学校移設、あるいは施設統合型小・中連携校、小中一貫校などで新築するとした場合、平成28年度の「中学校給食導入についても根本的に見直すこと」になるのではありませんか。

総合政策部長 
「役場庁舎の耐震補強工事及び第一中学校の耐震補強工事について」
「役場庁舎の耐震補強工事について」でございますが、役場庁舎につきましては災害時における災害対策本部となりますことから、これまでの検討を踏まえまして、実施に向けての一定の実施設計を終えたところでございます。

しかしながら、具体的な実施設計の結果、耐震補強工事の実施にあたり、当初の見込みを大幅に上回る工事費が必要となっております。また「第一中学校の耐震補強工事」につきましても、同様に当初見込みを大幅に上回る結果となっており、「中長期財政収支見通し」による数値と、大きく乖離する結果となっております。

従いまして、現地での耐震工事の実施、あるいは建替え、または移設など、残された耐用年数や仮設施設の設置にかかる経費を含めた総合的な判断が必要となるものと考えております。
このような中で、本町の保有する公共施設の今後のあり方などにつきましては、慎重かつ十分な議論が必要であると考えております。

なお、お尋ねの「中学校給食」につきましては、第一中学校の耐震化など、今後の公共施設の整備のあり方や方針によっては、費用対効果などを総合的に検討し、今後、適切に対応してまいりたいというふうに考えております。


戸田 ④「JR島本駅西地区まちづくりとの関連」
保育園、幼稚園、小学校など、次世代を担う子ども達のための公共施設の環境整備は、計画が進められているJR島本駅西地区のまちづくりの内容と、深く関連しているはずです。土地区画整理事業が行われた場合、今後の公共施設のあり方の検討に、その影響をどのように関連させていくのですか。町の見解を問います。

総合政策部長
「JR島本駅西地区のまちづくりとの関連について」でございます。
当該地区のまちづくりにつきましては、現在、地権者の皆様によって土地区画整理準備組合を設立され、まちづくりの構想案をもとに協議を重ねられております。

なお、現在のまちづくり構想案につきましては、土地活用ゾーン、文教ゾーン、住宅ゾーン、そして農地ゾーンに、それぞれ区分をされております。また住宅ゾーンにおいて当該地区に新たに増加する人口につきましては、数百人程度と見込んでおります。

なお、少子高齢社会・人口減少社会の伸展を考慮いたしますと、仮に本事業において当該地区の人口が増加することになっても、町全体における公共施設の大幅な整備や、規模を拡大する必要性は低いものと考えております。

しかしながら、当該地区のまちづくりが行われることにより、人口分布や地域における年齢構成などが変動し、園区・校区の変更等の影響は生じる可能性があるものと考えております。このため、この点につきましては十分留意するとともに、必要に応じて適切に対応してまいりたいと考えております。

なお、現在の区画整理事業区域の区域内に第三小学校も含んでおりますが、本町として、今後の公共施設のあり方を見直す中で、当該地区の区画整理事業が実施されることにより、将来にわたりどのような影響が生じてくるのか、十分議論する必要があるものと認識いたしております。

このため、町域内における土地利用計画の全体構想と並行し、検証していく必要があるものと考えておりますが、現時点におきましては、新たな町立の公共施設を設置する構想はございません。


戸田  プロジェクトの検討内容は多岐にわたり、方向性を定めるだけでも慎重な議論が必要な案件ばかりです。学校教育施設の統合は、十分な検討期間と情報開示――統合というか、新設・移設を含めて様々なことは、保護者や住民の一定の納得を得ないと、決して実現できない大きな課題です。

ところが一方では、導入期限が確定している中学校給食がございます。これをどのように考えたらよいのか、正直、私は頭の整理ができません。教育委員会にお答えいただきたいと思います。

もう一つ、このプロジェクトにおいては、小・中施設一体型の高校のあり方や、幼保一元、これ、どうなるかわかりませんけど、保育所の施設の問題並びに保育所のあり方についても、このプロジェクトで検討されたり推進されたりするということですか。確認します。

教育次長
「中学校給食について」のお尋ねでございます。
中学校給食につきましては、現在のところ、第二中学校で調理をしまして第一中学校に運搬するという、中学校の親子方式を考えているわけでございますが、第一中学校のあり方をどういうふうにするかということによりましては、例えば建て替えということになれば、第一中学校にその拠点を持っていくとか、そういう変更はあり得るかというふうに思っておりますが、その時期ですね。先ほどおっしゃいましたように、もし移転というようなことになれば、そう簡単に進むものではない。

保護者の方々も含め説明を丁寧にしていく必要がありますので、そう考えますと、今の大阪府の補助金の関係もございますので、その辺、どうしていくかということはございます。大阪府の補助金の活用なしには実施は難しいというふうに考えております。長期化して、結論がなかなか出ないというような場合には、第二中学校に計画どおり造るということも一つであるというふうに思っております。

第一中学校の耐震補強なり移転があった場合にも、第二中学校から配送するということも一定考えていかなければならないというふうに思っております。ただ、今の現時点で結論は出ませんけれども、少なくとも中学校給食の導入は進めていきたいというふうに考えておりますし、大阪府の補助金の期限であります平成27年度末までには、何らかの形で整備は終えたいというふうに考えております。

総合政策部長
今回の西側地区の区画整理事業のゾーニングの一つとしまして、文教ゾーンとして予定をされております中には、中・高の一貫校が予定されております。今後の議論の進展にもよりますが、そういった文教ゾーンと、それとあわせて、今現在、既存の保育所のあり方・耐震化も含めて、これは町全体の土地利用計画の中の全体構想、いわゆるグランドデザインの中で、こういったことも視野に入れて検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

戸田
学校に関して言えば、どこか一つの小学校と、例えば第一中学校だけが施設統合型になるとすれば、そんなことがはたして、互いの顔が見える、この島本町の規模にふさわしい教育行政なのか、私は理解できないんですね。その学校施設等の問題と、スポーツ・文化などの生涯教育施設との問題では、検討や対象の質が全く違うと思っています。

もう一つは、JR島本駅の西側についてです。現在は準備組合において、事業のあり方をめぐって検討が行われている段階ですから、計画が具体化しているわけではありませんが、おっしゃるように第三小学校がこのエリアに含まれているのですから、様々な全体構想を描く中で、JR島本駅の西側の事業計画と公共施設の全体構想は、全く関係が見えないとは言えないと私は思っています。

もう一度、確認のため訊きたいと思います。当プロジェクトチームの目的と中長期的展望、短期の目標を、整理してお示しいただけますか。

総合政策部長
まず、JR島本駅の西側の今後の区画整理の状況でございますが、これも先ほどもご答弁申し上げましたが、現在、準備組合におかれまして、そのゾーニング等について協議・検討がなされております。今後の西側の事業計画について、今後、当然変更もあり得るわけでございますので、そういったことも含めますと、直接、そこに公共施設を設置するという構想はございませんが、土地利用全体の中で考えるうえで、そういったことも町全体の今後のあり方として検討していく必要はあるものというふうに考えております。

今回のプロジェクトチームの設置目的といいますか、所掌事務についてでございますが、これにつきましては本町の公共施設の適正化の計画案の策定を行う。それと、その適正化の策定に関して、それに関連する重要な課題についての調整を行う。こういったことを目的に設置をいたす予定でございます。

あわせまして、当然、今現在、中長期の「財政収支見通し」がございますが、これが大きく耐震化、施設の老朽化対策によって数値が異なってきておりますので、そういったこともあわせて、今回、見直しもあわせて調整をしてまいりたいというふうに考えております。


戸田 人びとの新しい歩みは、かねてより保育所・幼稚園など子どもを育む施設、それから学校・教育施設の耐震化対策と老朽化の問題等については、財政的・技術的、住民福祉の視点で総合的に検討して、その内容を情報公開し、住民置き去りの施設統廃合とならないように、と指摘してまいりました。

小学校、中学校、それから幼稚園、保育所の問題についても言えることだと思います。このプロジェクトにおかれましては、耐震化のみならず耐用年数等、次世代にふさわしい公共施設のあり方をじっくり検討いただきまして、また土地活用の視点が優先されることがないよう求めたいと思います。

また、次世代に無理な財政負担を強いることがないよう、本当に必要な施設と、それから、あればあったことが望ましいけれども、はたして島本町の人口、それから財政規模でそれが支えられるのか。そういった視点をしっかり精査して、それを住民にわかりやすく説明できる、そういうプロジェクトの検討内容であって欲しいと、私は願っています。
そのことを強く訴えまして、私の一般質問を終わらせていただきます。


以上です。
振り返って、ここでもうひと押し、ひとことが足りないと思います。今後の課題です。たったひとりで大きな舞台に立つ心境で臨みますが、その背後には市民のみなさん、応援してくださるみなさんのお力があります。

次回の質問では、過日、近畿市民派議員学習・交流会で拝聴した「秦野市の公共施設更新問題への挑戦」(講師:政策部公共施設再配置推進課の志村高史さん)での学びを活かして、次のステップに進みます。

わたしには建築技術に関する知識がないので、一級建築士の資格をもっておられる住民の方、実施設計など町の資料が読み解ける方の主体的な関わりが必要と痛感しています。情報を共有し、意見を交換し、島本町民としての主体的な取り組みをしてくださる方の参画を希望します。

公共施設のグランドデザインを描こう(Ⅰ)

2013年08月12日 | とだ*やすこの町政報告
6月の一般質問で、戸田は公共施設の更新問題を取り上げました。
タイトルは、「公共施設の全体構想~維持管理計画の策定を目指して~」

公共施設は、その建設費をはるかにしのぐ修繕・保全・更新・運用費など、様々な維持管理費がかかっています。建物のライフサイクルコストという考え方があって、一般的に、解体撤去されて役割を終えるまでの総費用の内、建設時の費用は全体の25%しか占めていないと言われています。

しかしながら、これまで、一部の技術職員を除き、自治体職員にはこのことが重要と認識されていなかったと思えます。新築するときの国庫補助金や助成金獲得に力を注ぎ、予算単年度主義で、壊れたら直すという事務作業を行っていました。

一方、公共施設は市民の財産といわれながら、市民もまた公共施設の管理にどれぐらいの費用がかかっているのか、費用対効果はどうなのかについて、おおよそ無関心であり過ぎたとわたしは思っています。

議会での議論は、サービス向上や特定箇所の修理など個別の要望や提案に偏りがちで、人口減少社会を迎えて、島本町という人口3万人規模の町が、今後、どれだけの公共施設を維持管理していけるのかという大きな視点を欠いていては、次世代に無理な負担を強いるだけという危機感がわたしにはありました。

加えて、比較的新しい(築18年)ふれあいセンターも、維持管理に多額の費用を要する構造になっている上、雨漏りや設備器具の取り換えなど長寿命化への対策が必要になっています(ここが非常に重要とわたしは考えています)。

近年、基礎自治体の大きなテーマは耐震化対策、よって島本町も耐震診断、工事の実施設計を順次行っていますが、庁舎の耐震化工事と耐用年数、第一中学校の耐震化工事と既存校舎の構造問題に深刻な現状が判明しています。いずれも難しい対応を迫られています。

これらの状況をふまえて、既に、公共施設のあり方については、庁内でプロジェクトチームを立ち上げて検討するという答弁が3月議会でありました。そこで、6月の一般質問では公共施設のあり方検討について質問をしました。

既に文化スポーツ公共施設の問題については、1期目に総務文教委員会において繰り返し質問していましたが、いまひとつ議論が熟していませんでした。次の記事で、会議録の未校正原稿から編集して、6月の一般質問の内容をお知らせします。

役場、ふれあいセンター周辺の変容

2013年08月10日 | とだ*やすこの活動日記
午前10時半、役場周辺地域の都市計画の見直し~企業立地の促進に向けて~、住民対象の説明会がありました。都市計画法上の正式な手続きに則ったもので、執行機関からは総合政策部長、理事、課長、係長、担当職員が出席しました。議員は7月30日の議員全員協議会で説明を受けていましたが、住民のみなさんがどのように関心を寄せておられるのかを知るために参加しました。参加者は13名、内9名が議員でした。

役場周辺区域に、研究施設を誘導して集約していくとして、小野薬品工業(株)水無瀬研究所及び町有地鶴ヶ池住宅跡地(約2.6ha)の都市計画の用途地域を「第二種住居地域」から「準工業地域」へ変更する計画です。「準工業地域」にすると、現状では建てることができない商業系の建築物(劇場、映画館、料理店、ダンスホールなど)の立地が可能になってしまいます。そこで「地区計画」を定めて周辺の居住環境と調和しがたい建物について立地を規制するというものです。

町は、当該地区にある企業(他に関西電力㈱・サントリー研究センター・積水化学工業株式会社水無瀬研究所)を対象に、現状の土地活用と今後の方針についてアンケート調査を行っています。小野薬品工業(株)から研究棟新設のためとして鶴ヶ池住宅跡地の取得希望があり、今年5月には町長宛に要望書も提出されています。

今までの経緯と説明会の資料からみてとれるのは、電力需要による計画停電リスクを避けるための自家発電装置を設置、石油類など危険物の貯蔵、処理量を現行よりも多く扱うことができる施設建設を可能にするための「準工業地域」ということです。

ここで問題にしたいのは、既存施設周辺には近年になって新しい住宅(8軒)が建っているということ。もし島本町に、計画的な都市計画、まちづくりの理念と戦略があれば、ここに住宅地が建つことはなく、今回、対象となる区域約2.6haと一体化した用途地域変更ができ、研究施設などを誘導、集約できたはずです。隣接する区域に建てられた家を買われたばかりの方にとって、今回の用途地域の変更はあまりに辛く、重い出来事です。計画がしっかりしていれば、あらかじめ防げたと思え、残念でなりません。

企業からの希望をきっかけに、島本町の都市計画をあわせて変更していく・・・JR島本駅西側も保育所の新設にも同じことが言えると思います。民地の土地活用にどこまで議会側が関われるのかも含めて、まちづくりのプロセスに、いかに市民がかかわるかが重要です。法や計画を遵守することでよしとする行政、資産運用を優先する地権者、追認、承認型の議会では、魅力的な将来像は描けません。

鶴ヶ池町営住宅跡地(町有地:ふれあいセンターが出来た当初には、平屋の木造住宅が並んでいました)売却にあたっては、一般競争入札を行うと町は言っています。現状の「第2種住居地域」でも企業誘致は可能で、本来、ホテル、自動車教習場、パチンコ屋、工場(一定の基準はある)なども建てられます。従って、入札にあたって地区計画で規制しておくことは望ましのですが、内容をみると、小野薬品工業(株)の希望される自家発電装置設置を唯一可能にしています。入札結果によって、ここが盲点にならないのか懸念します。

そもそも、ふれあいセンターに隣接する区域を、敢えて準工業地域にすることが望ましいでしょうか。優良事業者である小野薬品工業㈱の事業展開と施設拡充を促進することも、まちづくりに欠かせない視点ですが、見解の分かれるところです。現在、周辺では、関西電力㈱がグランド等スポーツ施設の売却方針を発表、サントリー研究センターは2015年精華町に移転と公表されています。蛇足ですが、町が売却しようとしている鶴ヶ池住宅跡地には、かつて陸軍の射撃訓練所がありました。

今回の都市計画、用途地域の変更に関する今後の予定は、9月には計画案を縦覧したうえで、市民だれもが意見を提出することができる機会があり、そこで出された正式な意見を参考資料にして10月に島本町都市計画審議会が開かれ、議論、審査されます。みなさんのご意見をお寄せ下さい。スケジュールは広報しまもとに掲載されますので注目していてください。


島本町子ども・子育て会議、発足!

2013年08月10日 | やります!子ども・子育て・人びと支援
「島本町子ども・子育て会議」公募委員を2名募集しています。
締切:8月14日(水)
800字の作文:テーマ「子育て支援」を役場1階6番窓口まで持参(平日)
または郵送 〒618-8570(住所不要)島本町「子ども支援課」まで
※町のHPで公募委員応募申請用紙と作文用紙ダウンロードできます

任期:2年(年間6回程度)
募集:2名
条件:町内在住、今年4月に18歳以下の児童を養育、子育て支援に関心がある
委員報酬:日額7,500円

問合せ:子ども支援課962-7461 FAX:962-5652
詳細は、広報しまもと8月1日号2ページ 


昨年8月に「子ども・子育て支援法」が通常国会にて可決されました。2015年4月に施行を予定している新しい法律です。現在大きな社会問題となっている少子化問題を解消する手段の一つとして制定されたものですが、これにより「子ども・子育て支援新制度」が2015年4月からはじまります。

新制度への移行に先立って、市町村は、国が定める「基本指針」に基づいて、地域の保育需要等を踏まえた「子ども・子育て支援事業計画」を策定することとされています。

よって島本町でも「島本町子ども・子育て会議」を発足し、地域における子育てニーズを把握し、これを基に「島本町子ども・子育て支援事業計画」を策定します。会議は、保護者を含む子ども・子育て支援の当事者などの意見を聴き、地域の子どもや子育て世代の実情を踏まえて施策を実施していくことを目的としています。

委員は、子どもの保護者、保育園など事業主を代表する者、保育等の現場で働く者の代表、子ども・子育て支援事業(幼稚園・保育所など)の従事者、学識経験者で構成されます。「子ども・子育て支援新制度」の目的は次の3つです。

1.質の高い幼児期の学校教育・保育の総合的な提供
2.保育の量的拡大・確保
3.地域の子ども・子育て支援の充実

施設整備の促進など保育の「量」の拡大と、職員の処遇や配置に関する改善など保育の「質」の向上、どちらもが必要ですが、いずれにしても島本町の現状を踏まえて、地域に適した改善が図れるよう、「島本子ども・子育て会議」での議論は非常に重要です。対象者のみなさん、奮ってご応募ください!


議会だより、一般質問の質問者を記名!

2013年08月09日 | とだ*やすこの町政報告
ヒロシマ・ナガサキ、日本の夏は戦争をふりかえる夏。わたしは戦争を体験していない世代ですが、戦後は終わっていないという思いが強い。一度戦争をすれば100年以上、さまざまに影響が続くと思います。まだ、その道半ば。先行きがみえない経済や内政への不安から、安易なナショナリズムに着地することがないよう、ひとりひとりが「自分で考える力」「悩み抜く力」をもたなければならない。

さて、島本町政です。改選後、議会だより編集委員会のメンバーが変わりました。それにより、長年「ただいま検討中」として「凍結」していた(とわたしは思う)一般質問質問者の記名が実現しました。みなさんに読んでいただける、町政に興味をもっていただける、議員の活動を知っていただく議会だよりにするために当然のこと。本来、すぐできる議会改革でした。

編集委員会において(戸田は傍聴)、岡田副委員長より提言があり、野村委員長のもと、記名する方針で前向きな議論がされ、編集委員会としては全員合意。後日、議員全員協議会にてそのことが報告されました。全員協議会では依然として抵抗、反対する議員はあったものの(一名)、特に異論はないという意思表示や委員長を援護する発言が多く、積年の課題が解決しました。9月に発行される議会だよりから、誰の質問なのかがわかるようになります。

蛇足ですが、わたしは議員になる前に、議会事務局に「なぜ載らないの?」と問うています。その答えは「検討中」でした。もう7年も前のことです。

議員になって過去4年間、戸田が所属していた議会編集だよりで述べられていた反対理由(公式・非公式)は、「議員の売名行為」(???)「自身のビラでアピールされたらよい」(???)「質問する人としない人と不公平」(???:議長以外全員に認められる権利ながら、会派によっては質問者を調整するから?)「発言内容により家族が怖い目にあったら誰が責任を取るのか」(?!?)などでした。

「検討のなかみ」に驚愕と失望。反対のための無理な理由が横行し、また、それに同調する委員が多く、「一般質問は個人のものなので掲載するのは議案審議だけでよい」という、まことしやかな発言までありました。「今日の議題は、レイアウト!ルールを守れ!」と議論することもままならない環境に、議会改革とはなにか、だれの為の、何の為の改革なのか、疲れ果てた一期、4年間でした。

今回、改選直後に、新たな議員で構成される議会で、質問者記名が鮮やかに実現したことで、民主主義は数でもなく、会派の力でもなく、「個の成熟」であると実感しました。選挙は市民ができるもっとも身近で重要な議会改革であることも痛感しました。逆にいえば改悪にもなるということです。有権者のみなさんには、常に主体的に町政に向きあうためにも、ぜひとも議会だよりには目を通していただきたいと思います。

「議会改革」を知り、考える市民

2013年08月07日 | とだ*やすこの議会報告
現状は、町長追認+要望&利益誘導が政治力、まとまりのある議会と思われていないか・・・
移動中の公共交通では「『質問力』からはじめる自治体議会改革」(土山希美枝編著)を読んでいます。

今、地方議会の役割がなぜ、どのように高まっているのか。議員に求められている力、能力はどのようなものか。そもそも議会とはなにをするところで、今、全国的に行われている議会改革とはなんなのか。さらに落とし込んでおきたい。そのうえで、みなさんにわかりやすく発信していきたい。

と思いつつ、今年は、積年のテーマ、宿願の「大山崎町との連携」「子ども、子育ての視点からのまちづくり」に注力しなければなりません。明日は、近畿市民派議員学習・交流会で明石市に行ってきます。