とだ*やすこの「いまここ@島本」

暮らしの豊かさ最優先!
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大阪府島本町議会議員
とだ*やすこの活動報告

JR島本駅西土地区画整理事業 ~認可当初の計画と現在~ その7

2023年07月22日 | JR島本駅西まちづくり
☆彡つづき

6月定例会議の一般質問「JR島本駅西土地区画整理事業 ~認可当初の計画と現在~」を細かく掲載してきましたが、最後になる「その7」のテーマは「税」です。

土地区画整理事業は換地、精算が終わって完了することになります。既に区画内に建物が立ち始めていますが、現在は、登記上の土地所有者が、換地、精算後の実際の所有者とは異なる状況になっています。

これについては、区域内の固定資産税・都市計画税等の課税について、土地利用の実態に応じて課税が行えるよう、使用者を所有者とみなして課税するよう、令和4年6月定例会議において島本町税条例を一部改正しています。


7)区域内の固定資産税・都市計画税等の課税について 
Q:
使用収益と課税のタイミングについてご説明を。令和4年6月定例会議における税条例の一部改正についても再確認しておきたい。

A:
JR島本駅西土地区画整理事業に係る固定資産税・都市計画税の課税については、令和5年度は、従前地の所有者に対し課税を行った(農地と変わらない課税)。仮換地先において、実際に家屋の建築等でその土地が使用されている場合は、その実態に応じ当該土地の使用者を所有者とする「みなす課税」を行っている。

令和6年度は、土地区画整理事業の施行区域内の全域において、使用収益開始の通知が行われる予定であり、換地処分に伴う登記が完了していれば台帳課税主義に基づく課税、登記が完了していなければ換地先の地権者等を土地所有者として「みなす課税」を行う予定。


固定資産税・都市計画税の納税義務者は、原則として登記簿に所有者として登記された者とされています(台帳課税主義という)。しかしながら、現状のように仮換地の段階で土地利用がはじまっている場合、台帳課税主義を用いると仮換地前の土地に対して課税されることになります。

そのため、課税上の不均衡を是正するため、仮換地指定の段階で土地が使用されている場合には使用者を所有者とみなし課税することができる「みなす課税」を、島本町税条例一部改正により設定した、とこういうことになります。

これらのことを踏まえて(台帳主義と「みなす課税」が並行して用いられる)、令和6年度の当初予算には歳入の税収に反映させることになります。現時点で町は具体的な税収増についての算定は行っていません(仮に行っていても公表に値しない)。

なお、議会が終わって担当課に確認したところ、大阪府が行っている「財政収支見通し(令和5年5月)」では税収増として直接的には反映していない(できない)ものの、開発に伴う人口増は見込んでいるため(令和7年度をピークとみている)結果的には一定の税収増が反映されているとのことでした(府による積算法)。

さて、過去資料などに目を通していると、JR新駅設置の構想のなかで、住民的議論を経て、西側を含めてまちの将来像を考え、都市計画決定を行い、開発が行われていく、というのがしかるべき筋道であったのではないか、と改めて強く思います。

JR島本駅西に最大15階建ての大型高層マンションが建つことは、景観保全や住環境保全からして決して歓迎できるものではありませんでした。

もはや単に人口が増えればよいという時代ではありません。防災、減災の視点を常に意識し、都市をゆるやかに適切な人口にコントロールしていかなければなりません。

けれども今、新たに住まわれる方をわたしたち既存住民が歓迎し、島本町のよさを実感していただけるよう、そして、まちづくりの担い手となっていただけるよう、町長とその施行部、議会、住民がそれぞれに政策課題に向き合っていかなければ、と思います。

「住む人みんなが主人公」となり得る、住民自治のまちづくりを進めていきたい。引き続き、島本町政に関心をお寄せください。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。。



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7月の京都は祇園祭
前祭の芦刈山の会所飾り
今年は「芦」を新調されたよう

謡曲「芦刈」に因んだ山
ちなみに谷崎潤一郎の「芦刈」は
芦の生い茂る淀川山崎の中州が舞台

JR島本駅西土地区画整理事業 ~認可当初の計画と現在~ その6

2023年07月11日 | とだ*やすこの一般質問
☆彡つづき

暑いです。湿気が若干少くなくなって風が涼しくなりましたが、やはり暑いです。今日の午前中は、引き続き、町内の障害者施設を訪問しました。新旧ともに施設の抱えておられる課題がわかりました。

障害者自立支援法(2006年一部施行、同年10月全面施行)され、これを改正するかたちで「障害者総合支援法」(2013年4月施行)ができていますが、正直、なかなか理解できません。


が、明らかになにかが大きく変わりました。果たして自立への支援になっているのか?福祉がビジネスになってしまったのでは?という批判も含めて、これを理解する一歩はやはり「現場」と「ヒアリング」です。

町政の範囲は、その死も含めて「人の生」すべてに関わっています。引き続き「JR島本駅西土地区画整理事業 ~認可当初の計画と現在~」の掲載を続けます。

6) 開発行為の事前協議について
Q:
「JR島本駅西地区 まちづくりガイドライン」をどのように活用しているか。これまでの事前協議において、意匠、設計の変更等、応じていただいた事例はあるか。

A:
通常、計画立案の際、町に開発行為等に係る制限等の調査や相談に来られる。その際に「JR島本駅西地区 まちづくりガイドライン」を渡し、その理念や指針などの内容を説明。可能な限り計画に反映いただけるよう協力を求めている。

現在のところ、基本的には、提出された事前協議書の計画については、可能な限りガイドラインを反映していただいているものと認識し、協議を進めているところである。


かつて北摂の他の自治体に問い合わせた際、およそ10年を経た今では、協議を行う段階で既に練られた計画が提出されるようになったと担当職員がおっしゃっていました。粘り強く続けていくことで街区の魅力を高めていかなければなりません。

JR島本駅西地区の開発を契機として、景観や住環境に関する住民意識は高まり、個別の事例への対応から広く町の都市計画や景観計画への関心が深まりました。

このことが「JR島本駅西地区まちづくりガイドライン」の策定、島本町景観条例の制定、島本町景観計画の策定につながりました。言い換えれば町がこれに応えたからこそ実現したことです。

そして埋蔵文化財。雨水貯水池を設置するため、埋め戻して保存することできませんでしたが、池泉跡をはじめ井戸や柱跡など、往時を偲ぶことができる重要な遺構の発見がありました。

ホームから見える田園の風景は失いましたが、それに代わって得たものがある、ととだ*やすこは思います。これを次にどういかしていくかが問われているといえます。


つづく☆彡

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奈良の圓成寺 2022年2月撮影
庭園は平安時代末期に整備され
明治期には異なる姿をしていたとのこと

昭和時代に現在のような庭園に戻され
平安時代の浄土式庭園として貴重な存在
大日如来坐像(国宝)は運慶初期の作品

JR島本駅西土地区画整理事業 ~認可当初の計画と現在 ~ その5

2023年07月10日 | とだ*やすこの一般質問
☆彡つづき

JR島本駅の西側は土地区画整理事業という手法をつかって面的に整備されました。組合施行(土地の所有者または借地権者が7人以上共同して土地区画整理組合を設立して施行)という手法でもって行われたものです。

土地区画整理事業では施行地区内に保留地を定め、保留地を売却することによって事業費に充てることができます。つまり地権者がこれを負担する(売却する分、所有する土地面積が減る)ことになります。これを保留地減歩といいます。

また、駅前広場、道路、公園、雨水調整池などの公共インフラ整備に係る土地は、地権者からその権利に応じて少しずつ提供してもらうことで調達します。こちらは公共減歩と呼ばれます。

事業資金に充てるのが保留地減歩、公共用地に充てるのが公共減歩です。地権者にとっては所有する土地面積が小さくなりますが(減歩)、公共施設が整備され土地の区画が整うことにより利用価値の高い宅地が得られることになります。

4)減歩率について
Q:
認可当初の「事業計画書」では減歩率33.84%、内公共減歩率18.15%であった。現時点の減歩率はどのようなものか。

令和2年4月24日当初認可時
減歩率33.84% 内公共減歩率18.15%

令和5年3月15日(第3回変更)
減歩率33.64% 内公共減歩率17.96%


現時点で減歩率は当初計画よりも若干少なくなっています。減歩率をみる限り、事業の採算性が立ち行かなる状況ではなかったと思います。土地区画整理事業は十分に成り立ち、おおいに成功されているといえるでしょう。

そうなれば、第1号公園をもう少し広く展開したり、越谷遺跡の岬状の地形を活かした公園的な整備を行ったり(これについては庭園の苑池の州浜と町は認めず)、こういった住民の願いや望み(市民的議論)は、必ずしも行き過ぎたものではなかったと思えてなりません。

もっとも減歩率の数値はあくまでも平均であって、個々の土地の形状、道路に接していたかどうかなどの条件によって、地権者それぞれの減歩率にはかなりの差があると思われます。

5) 島本町の支出について
Q:
当該区画整理事業について、島本町が行ったものは、事業計画上、公共下水道汚水管築造・津梅原水路付替・柳原水路付替事業の3件でした。それぞれの事業費とその総額を確認する。

初期の段階で行ったまちづくり活動支援業務とこの3事業の総計が土地区画整理事業への支援になると思うが、JR島本駅西のまちづくりにおける町の負担額はどれくらいになっているか。改めて確認する。


A:
町負担額の総額 2億5882万5593円

内訳
・公共下水道雨水管築造
平成30年度及び令和2年度 実施設計業務 2,993万600円 
令和2年度~令和4年度 汚水管築造工事 7,480万5943円
合計 1億473万6543円

・津梅原(つまいばら)水路付替及び柳原水路付替
令和元年度 実施設計業務 1,353万円
令和2年度~令和3年度 津梅原水路付替工事 1億853万3700円
令和4年度 柳原水路付替工事 2,502万1700円
合計 1億4708万 5400円

・まちづくり活動支援業務
平成22年度から平成29年度 *ただし26年度を除く
7年間で総額700万3650円



島本町は、まちづくり活動支援業務と称して、組織の立ち上げから業務代行予定者が決まり実際に業務がはじまるまでの間、当該準備組合の事務局を担い、公益財団法人大阪府都市整備推進センターに業務を委託していました。

財政的支出に加えて、人材という点でも町はこの10数年、限られた職員数のなかで本事業に実に手厚い支援を行ってきました。

これを議会から身近にみてきた者の一人として思うことは、これからは文化・教育行政に力を入れていかなけらばならないということです。

開発に伴う埋蔵文化財調査で明らかになった貴族的な人の営み(池跡・井戸の遺構など)は、当該地区に庭園的な広がりがあったことを物語っていました。

島本町の歴史的、文化的価値を高める重要な要素となり得る一連の遺構を、今後の文化財行政に活かしていかなければなりません。引き続き、とだ*やすこは、文化施策の充実(財源、人材確保、方針)をめざしてまいります。


つづく☆彡

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京都花園の法金剛院
待賢門院(鳥羽天皇妃)ゆかりのお寺
蓮の花が美しい(本日撮影)

昭和の発掘調査によって
待賢門院時代の浄土庭園を復元
ご本尊は阿弥陀如来(国宝・平安時代)


JR島本駅西土地区画整理事業  ~認可当初の計画と現在~ その4

2023年07月09日 | JR島本駅西まちづくり
☆彡つづき

引き続き、とだ*やすこの6月定例会議の一般質問、JR島本駅西土地区画整理事業 ~認可当初の計画と現在~に基づき、雨水調整池について、ここに記しておきます。 

雨水調整池について
区域内ふたつの公園の地下にはそれぞれ雨水調整池が設置されています。既に町に移管され、今後は町が管理していくことになります。そこで今後のメンテナンスについて問いました。

Q:
今後、浚渫を含めたメンテナンスや点検業務はどのように行うのか。浚渫工事はどれくらいの頻度で行い、どれくらいの費用を要すると想定されているか。

A:
調整池に貯水した雨水を排出するためのポンプにつき、定期的な点検が必要となる。専門業者と委託契約を締結し、ポンプの定期的な点検など日常的な維持管理を行う。

堆積する土砂などの浚渫については、堆積する土砂の量によって頻度が異なるが、当該調整池は道路の表面排水や公園、緑地、宅地からの流入が主であり、山地からの流入ではないことから、比較的少ないものと認識している。

類似事例を参考に推測すると年間約30㎥から40㎥程度の堆積土砂量を想定している。今後、状況を確認し、設計時に容量を算出するにあたり設定した埋設土砂容量約640㎥を目安として、堆積量を注視しながら必要に応じて浚渫を実施していきたい。

浚渫費用の算出は困難であるが、参考としては、町が今年度実施する他の箇所においては1㎡あたり約7万円となっている。当該調整池については浸水被害を軽減する重要な構造物であるため、適切な維持管理に努めてまいりたい。

Q:
瑕疵担保を4年とされている(通常は2年とのこと)。大雨災害時に、仮設水路の不備に起因する柱の破損など、非常に残念な出来事があったことを考えると、瑕疵担保期間の点検業務が極めて重要な意味をもつと考える。お考えを。

A:
桜井せせらぎ公園の地下に設置されている調整池については、8月の豪雨により調整池付近の仮排水路がオーバーフローし、調整池の掘削箇所に流入。調整池が浮き上がったことにより損傷を受けた柱の取替が行われた。

その後、学識経験者の監修のもと底盤コンクリートの補修補強をされている。瑕疵担保期間中に施工が原因となる破損などが確認されれば、当該組合および業務代行者((株)フジタ)が補修を行うこととなっている。

したがって点検業務は重要な業務であると認識している。今後、職員による簡易的な点検だけではなく、より具体的な点検の方法を検討したい。


◪この事故に関しては、しばしば「突発的な豪雨」による災害といわれがちなのですが、気象予報により降雨が予測でき、その雨量が想定外であった場合にこれを突発的な豪雨といえるものなのか、とわたしは疑問に思っています。

その豪雨が「突発的」なものか「想定外」あるいは「想定可能な」ものであったのか、ここは大事な視点と考えます。いずれにしても町に移管された後の点検業務が非常に重要という思いから、確認のための答弁を引き出したものです。

つづく☆彡

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在りし日のJR島本駅西
かつて駅前広場あたりに
蓮の花が咲いていました
2011年7月撮影

JR島本駅西土地区画整理事業 ~認可当初の計画と現在 ~ その3

2023年07月07日 | JR島本駅西まちづくり
☆彡つづき

『広報しまもと7月号』に「JR島本駅西地区はこんなところ!」と特集記事が掲載されています。この記事をみて駅西を歩いてみよう、公園に遊びに行こうという方が少なくないようです。



3) 区画内の公園について
さて、土地区画整理事業には区域内居住者一人当たり3㎡以上の公園を設けることが法的に定められています(土地区画整理法・面積基準)。駅西の開発においても当然のことながら計画上はクリアしています。

ですが、実際に住む人ひとり当たり3㎡という基準を遵守することができるかというと、実はそうではありません。これまでにもさまざまに議論があったところです。


今、桜井せせらぎ公園の設計デザインが、優れて洗練されているのを実感するにつけ、あぁもっと広ければなぁ、と改めて思います。そんな思いもあって一般質問では次のように問いました(確認の意味で)。

Q:
・現時点で、事業計画上の公園緑地面積、公園面積は、それぞれどのようになっているか。
・桜井せせらぎ公園、くすのき公園につき、計画上の面積と町が移管を受けた面積はどのようなものか。
・公園緑地面積の総面積に対する率はどうか。


A:
・2か所の公園と9か所の緑地が整備されており、それらの面積の合計は11,734.98㎡となっている。
*最新の変更計画書による

区域内の公園面積計 4,442.83㎡
桜井せせらぎ公園(1号公園) 3,522.67㎡
くすのき公園(2号公園) 920.16㎡


公園の比率について
施行地区面積129,336.99㎡に対し公園面積は4,442.83㎡
公園が占める割合は約3.44%


土地区画整理法施行規則第9条に規定されている「公園面積の合計が施行地区内に居住することとなる人口について一人当たり3㎡以上であり、かつ、施行地区の面積の3%以上となるように定めなければならない」という基準を満たしている。


公園緑地の比率について
大阪府自然環境保全条例第28条の規定に基づき、「自然環境の保全と回復に関する協定書」を当該組合と大阪府の間で締結されている。

施行地区面積129,337㎡のうち、協定対象区域面積100,775㎡に対し、公園2か所及び緑度部分(協定緑地)の合計面積が6,815㎡。その割合は6.8%。


よって「自然環境の保全と回復に関する協定実施要綱」第5に規定されている「市街化区域の場合、協定対象行為区域の面積の6%以上の面積の樹林地等を設けること」という基準を満たしている。

◪「保全」に加えて「回復」という二文字が、都市の現状を浮き彫りにしていると思えました。なお、町への移管面積は換地処分に係る測量などによって確定されるもので、計画上の面積とは若干の誤差が生じることが想定されるとのことです。

つづく☆彡

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桜井せせらぎ公園
芝生と水路の風の通り道

酷暑の昼下がりで人影はなし
7月7日撮影


JR島本駅西土地区画整理事業 ~認可当初の計画と現在~ その2

2023年07月05日 | JR島本駅西まちづくり
☆彡つづき

とだ*やすこの6月定例会議の一般質問、「JR島本駅西土地区画整理事業 ~認可当初の計画と現在~」をもとに、駅西の街区形成について記しておきます(記録的に)。


2)保留地とその処分先のこと
当初計画において主な保留地予定地とされていた13,954㎡は、阪急阪神不動産株式会社が土地を購入され、これが区画整理事業の収支の根幹をなすものとなっています。現在、大型集合住宅「ジオ島本」の建設が進んでいます。

これらのことは、業務代行予定者を選定される際(プロポーザル方式)、㈱フジタによって事業提案されたもので、阪急阪神不動産株式会社としては経営的判断、合意形成のもとに参画されたと考えられます。

さて、数字をみればわかるように阪急阪神不動産(株)のほかにも保留地が存在していました。そして今、開発に係る届出を情報公開するなかで駅広周辺に複数の保留地があることがわかってきました。

もとより、阪急阪神不動産(株)以外の保留地の位置、処分先などについては、事業主体であるJR島本駅西土地区画整理組合が決定されることであって、島本町がこれを認識するのは開発行為等の事前協議など申請の際になります。

いずれにしても、これまで阪急阪神不動産㈱以外の保留地処分先のことは特に議論されたことがなく(また議員として直接介入するものでもなく)、今後、新たに建設されていく建物とともに関心を寄せていきます。

☆彡つづく


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桜井せせらぎ公園のせせらぎ
生物多様性に配慮、御所池から
下流に流れる水をひいています

JR島本駅西土地区画整理事業 ~認可当初の計画と現在 ~

2023年07月03日 | JR島本駅西まちづくり
6月は議会の月。令和5年6月定例会議を終え、ここのところ町内のいくつかの障害者施設を訪問しています。新型コロナ感染症が収まりつつあるなか、ようやく実現したものです。

どんな思いで、なにをめざして、どんな仕事をしているか、自らの言葉で語ってくださる方は、なぜかみな女性でした。

社会福祉協議会、福祉の現場、商店街、あらゆる分野でしなやかに活躍されている女性が多い島本町。この町の大きな特徴かもしれません。


さて、JR島本駅西土地区画整理組合より島本町へ、既に道路等多くのインフラ設備が移管され、駅の西口周辺には日々多くの人の行き来がみられます。

桜井せせらぎ公園も町に移管され(5月8日)、池に鴨の飛来がみられたり、小さなお子さんが芝生の上を駆けまわったり、新たな光景を目にすることができます。

春先には農地エリアでの耕作が再開されました。現在、とだ*やすこは「開発行為の事前協議の意見照会」の情報公開請求などによって、駅前広場周辺に医療モール、スーパーマーケットなどの建設計画があることを順次、確認しているところです。


*****

JR島本駅西土地区画整理事業
~認可当初の計画と現在 ~

JR島本駅が2008年・平成20年3月15日に開業、翌2009年6月に地権者へのアンケート調査が行われ、2019年・令和元年9月20日当該地区は市街化区域に編入されました。

2020年4月24日組合設立許可公告を経て、同5月16日にJR島本駅西土地区画整理組合としての第1回総会を開かれています。ふりかえれば、この間、約15年、実に実に、さまざまなことがありました。

今回の一般質問では、JR島本駅西土地区画整理事業の事業認可時と今を比較して、現状を明らかにすることとしました。

1) 事業計画の変更(概要)
Q:
当初の認可日は令和2年4月24日。以降、第1回、第2回、第3回と事業計画は変更されてきた。主にどのような変更がなされて現在に至っているか。

A:
第1回変更:令和3年4月30日
設計概要の変更(施行前後の地積の変更)・公共施設整備改善方針(道路線形の見直し、水路の追加)・資金計画書の変更(年度別歳入歳出資金計画表の変更)

第2回変更:令和5年1月11日
設計概要の変更(施行前後の地積の変更)・公共施設整備改善方針(水路廃止、歩道用地の確保)・資金計画書の変更(保留地処分金の変更)

第3回変更:令和5年3月15日
資金計画書の変更(保留地処分金の変更、年度別歳入歳出資金計画表の変更)
以上のように、現在までに計3回の事業計画の変更がなされている。

Q:
保留地処分金と保留地処分単価の変更について具体的に。

A:
当初計画  : 地積17741.46㎡ 単価205,100円/㎡ 保留地処分金36億3700万円
第2回変更 : 地積変わらず  単価213,481円/㎡ 保留地処分金37億8746万2千円
第3回変更 : 地積変わらず  単価229,499円/㎡ 保留地処分金40億7164万6千円


収支計画について*資金計画書より
保留地処分金を財源とし、それによって造成に係る整地、駅前広場などの公共施設整備、仮換地に係る調査設計、埋蔵文化財調査の費用などを賄うのが土地区画整理事業のしくみです。 
*このあたり「広報しまもと」7月号で特集が組まれていますのでご覧ください。

当初計画 :保留地処分金 36億3700万円(17741.46㎡×205100円/㎡)
現時点で :保留地処分金 40億7164万6千円(17741.46㎡×229,499円/㎡)


保留地処分金は当初計画より約4億3500万円増えています。保留地面積はいずれも17741.46㎡と変わらないので、これは処分単価の変更、すなわち土地の価格が上昇していることによるものです。総事業費が当初計画より増えていることも意味します。
 
Q:
当初計画で2億円とされていた埋蔵文化財調査費は、現時点での変更事業計画書においては、どのようになっているか。

A:
直近の資金計画書によると一式で3億4980万円。これが実績になるかどうかは現時点では判別できないといえる。

Q:
計画当初における埋蔵文化財調査費の2億円の積算根拠について説明を。

A:
JR島本駅西土地区画整理組合において精査され、積算されているもの。町としては把握していないが、準備組合の段階で町が事務局を担っていた平成28年度時点において、準備組合が業務代行予定者を募集される際に想定した事業概要の資金計画において、公益財団法人大阪府都市整備推進センターと協議の上、同規模の他事業の実績値を踏まえて2億円とした経緯はある。


思うに、この数字だけをみれば、組合側としては埋蔵文化財調査には十分に協力してきたではないか、という思いをおもちであろうと理解できないわけではありません。

けれども埋蔵文化財調査は原則、原因者負担(開発者が経費を負担)です。想定していなかった埋蔵文化財が発見された場合、予算額を上回る支出が強いられることは業界においては常識かと思います。*個人宅等は国庫補助金

よって事業のスケジュールや採算性が重視されたという印象を、少なからぬ住民や関係者(学識)がもたれていることも理解できるところです。

とだ*やすこは、当該地区は西浦門前遺跡(定家の『明月記』にある庭園との類似性があり、水無瀬離宮に関連する重要な遺構と考えられている)とも近く、岬状の歴史的美地形、男山(石清水八幡宮)との関連性や眺望などから桜井の歴史的重要性*を訴え続けてきました。 *豊田裕章氏(水無瀬殿研究)

従って、埋蔵文化財調査の予算額が事業規模から標準的に算出されていたことを、今さらながら残念に思います。計画上の算定では問題がないとしても、本町の今後の埋蔵文化財調査、保護、保存活用にのこされた大きな課題であると考えています。


☆彡つづく

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桜井せせらぎ公園
池に鴨が優雅に!
*5月16日撮影