弾け咲く白木蓮の高さかな 靖子
庭の木蓮が咲きました。数輪しか花を咲かせないままに七年が経ちましたが、今年は50を越えると思われる蕾が品よく並びました。2002年の暮れに新築した家ですが、お世話になった建設会社の担当社員の方と偶然で出会い、事業継続を断念されることをお聴きしました。
立ち話で詳しいことをお尋ねする状況ではありませんでしたが、誠実で丁寧なお仕事をしてくださったことを今も感謝しています。残念です。アメリカ発の金融危機に関連して表面化するさまざまな問題が、じわじわと既存の企業の資金繰りを困難にしている、その延長線上にある出来事と拝察します。
多くの方にご迷惑をおかけした、とご自身のことをさておいて詫びられる様子と、議会で交わされる町職員の給与体系に関する議論の乖離、お題目のように繰り返される「民間の活力導入」という言葉の虚ろさが身にしみます。
「職員の士気があがらない」「管理職の重責に似合う給与体系を」「アンケート結果によると若手職員の半数以上が管理職昇進を望まない」「近隣の市町村と比べて地域手当が3%と少ない」・・・町長・担当部長の答弁に毎回耳を覆いたくなります。管理職になれば残業手当てがなく収入が下がるという声もあり、事実は認めますが、なんだか小さすぎます!!
「志」という言葉を役場や議会で感じることが少ない。言うまでもなく、望まぬ退職により厚生年金から国民年金に切り替えるために役場の窓口を訪れる人が絶えません。職員ひとりひとりが社会に目を向け、目の前の住民の背景に想像力を働かせて、困難な状況で役場を訪ねる人の心の支えにならなければなりません。
今議会において提案された管理職手当の「定率制」から「定額制」への変更は、平成22年度の予算編成において総額400万円増となっています。「住民には負担を求め、自らは管理職手当ての増額」という批判があるのは当然ですが、しかしそのことと職員の給与体系を見直し、改正することを混同してはいけないというのが議員としてのわたしの基本的な考えです。
若年層の管理職にとっては、等級による給与月額を基礎にした「定率制」よりも「定額制」の方が手当てが増額になります。これに反対するものではなく、むしろ賛成です。正直、該当する管理職の顔を思い浮かべると???もありますが、これは人事の問題であり、議員の介入の枠外と考えます。
しかし、一方で、通勤手当の総額よりも多額の住居手当(総額2000万円を超える)が今なお廃止されず支給されていることは問題です。他にも配偶者手当てを含む扶養手当が支給されおり、どういう根拠なのか、16歳以上22歳未満の子どもにはさらに手厚く、ひとりにつき5,000円増額されていることも知りました。
議会開催中で詳しい数字をお知らせする余裕がありませんが、今後、調査等により反対する自らの根拠をしっかり得たうえで改革していきたい。まだまだこれから!と言い聞かせつつ、議案審議は常にまったなし!の状況です。
さて、庭の白木蓮はまだまだ楚々としており、弾け咲くようなたくましさはありません。「弾け咲く」の句は、数年前、小学校の通学路で目にした白木蓮から一瞬にして生まれた句です。その木も今は住居の建替えにより伐採されてしまいました。諸行無常、移ろう世の中で自らがしっかりと根を張って生きるしかありません。