文化・芸術・スポーツ・読書の秋です。12日、13日、所属している総務文教委員会での平成23年度決算審議を行いました。評価する点、感謝することは多いですが、下記のような理由で賛成することはできず、不認定としました。
□平成21年川口町長が、議会に示すことなく菅議長(当時)同行のもと提出した文書、合併の議論を含めた高槻市・島本町広域行政勉強会再会の依頼に対する回答が、新たに就任された高槻市長名で出された年です(回答は9月12日付)。そこには、合併を重要課題と認識しておられること、し尿処理の受け入れは困難であること、東上牧にある島本町のし尿処理施設の撤退を求めることが明確に示されていました。
□4月、住民自治を理念に掲げた「まちづくり基本条例」が施行されましたが、その成果が実感できません。審議会等の傍聴資料の持ち帰りが今だ実現しません。2年間求めていますが、来た人だけに渡すのは不公平である、傍聴者は無料で文化情報コーナーでの閲覧者は有料(自ら行うコピーの代金)になるなど課題が整理できていないという理由(???)で、困難、検討中というばかりです。
□各種団体補助金制度の見直しについても具体的な検討の成果が示されません。運営補助からより透明性のある事業補助へと変更すること、公募型補助金制度の新設で市民力の向上を図ることを求め続けていますが、真意が伝わりません。既存補助団体に言いにくいことを伝える覚悟がないと思えます。多くのボランティア団体が会員自らお金を出し合い、手と足を使って機関紙を配り、活動の継続と広がりに涙ぐましい努力をしておられます。その一方で既得権となった補助金を受け取り、形骸しつつある活動を「こなしている」というケースがあるのではないか。
既存団体、歴史ある組織の社会的意義否定はしませんが、事業補助にすることで停滞した活動が活性化することもあります。金額の大小ではなく、透明性のある補助金制度を構築しないと行政は住民からの信頼が得られない。新たな市民活動の支援ができない、ここが問題と訴え続けています。会員制度をとり、企業からの賛助会費で運営している非営利組織で働いた経験があるからです。社会貢献をしているから、営利目的ではないからとして使われるお金の感覚の怖さを知っています。
委員会では、たとえば一例として、平成23年度から町の単費(国や府の補助金がないという意味)で補助金が出されることになった
学校支援「ゆめ本部」の決算報告にある、活動報告カラー印刷代約10万円、それを新聞折り込みで各戸配布する約5万円は妥当と思うのかと質疑しましたが、妥当であるという答弁でした。組織の自主性を重んじることは重要ですが、なぜ「広報しまもと」を活用してボランティアを募集しないのか、不思議でなりません。ゆめ本部の活動のなかみの充実度とは別の問題だとわたしは思います。
本来、教育委員会は行政から独立した組織であり、わたしは「教育委員会だより」発行を提案したいのですが、保守、閉鎖、閉塞的印象があり、議論をするにも機が熟していません。一方、9月15日号「広報しまもと」の紙面を大々的に活用して、今年10月から山崎地区の第2コミュニティセンターの貸室事業を平日午前中は「閉館」すると、堂々と伝えています。驚きました。第2コミュニティセンターには年間135万円の補助金が町単費で支出されていますが、これもまた運営の自主性を重んじて、行政は利用者の利便性を縮小する改悪に疑義をとなえませんでした。
□平成23年度は、町立プールの現況調査が行われました。給排水管の老朽化が著しく、もはや存続は不可能と思われます。調査結果報告はふたつのプールの建替えを勧めるものでした。排水設備にいたっては、水無瀬神宮内の側溝や林の中に放水されているとの指摘がありました。下水道上(雨水を含むので下水に流せない)も衛生上(保健局が定期的に現地を視察)も法的には問題がないとの町の答弁ですが、神宮の社にプールの排水が流され続けられていたことはショックでした。
名水を誇る離宮の水の地でなぜ?と残念でなりません(情報公開と資料請求により情報入手)。なにより現況調査が行われることなく利用料値上げの議論の終始したのは計画性に欠けました。
住民に重要な情報が提供されないままで、住民自治とは程遠い現実です。体育館の維持補修にも多額の費用が費やされ、これらのスポーツ施設には毎年1千万以上の土地賃借料が支払われ続けています。耐震化、老朽化対策との関係で、総合的に、計画的に考えて決断する時期がきています。グランドデザイン(全体構想)を描かなければなりません。先の本会議で体育館の雨漏り対策などの補正予算に際して、町長答弁を求めました。が、町長自ら答えることはありません。
フルセットの設備を、島本町のような規模の自治体がもてる時代、もとうとする時代ではないことを、この際、議論する必要があります。情報の共有からはじまる住民参画が、まちづくり基本条例の理念です。
□文書管理について、中心的に質疑しました。国において公文書管理法ができ、自治体にも努力義務が課せられています。現状の島本町の文書処理には問題課題が山積。特に施設・設備・装置の設計図書等が担当課で保管され活用されていない事実は問題です。し尿処理施設の装置の設計図書を情報公開したことにより発覚し、異議申し立てをして指摘してきましたが、「保存年限経過のため」という理由で多くの設計図書が廃棄されている可能性があります。
質疑の過程で、今議会で試行的に導入された「反問権」が副町長によって行使されました。「反問権」は質疑の論点を整理するために執行部側が議員へ質問することを認めるものです。ひるがえせば、今までは執行部から議員には反問権がなく、議員は「言いっぱなし」が許されていました。現在行っている議会改革で、反問権の行使を認めることを全員合意で決め、今回の会議で試行したものです。島本町議会ではじめての反問権の行使が戸田に行われたことになります。資料を根拠とした質疑の重要性が身に沁みた瞬間でした。冷静に対応でき、反問権行使をスムーズに導入でき、よかったと思います。
住民ホールも設計図書がなく、アスベスト対策工事の際に構造の詳細が不明で支障が生じています。町立プールの設計図書がなく、平成23年度は、40万円規模の工事を適切に行うため、設計図を起こす委託事業に約40万円が費やされました。現状では電子データに関する充分な取り決めもなく、文書取扱規程を時代に即した、適切なものに改善するよう厳しく追及しました。見直す必要があると認識、既に着手しているとの答弁を得ています。
□文書処理簿の取り扱いにも疑義があります。欠番が多発し、その理由が記録されず、つい最近も、自公民の3会派が保育所過密状態の改善を求める要望書を欠番に入れ込んでいたということが判明したばかりです。「適切に処理するよう」管理職から求められて、多くの職員が、以降の要望書番号の繰り下げに係っています。「適切に」日常茶飯に行われているとすれば問題ではないか・・・文書取扱規定と事務処理を早急に見直す必要があります。地味で目立たないが重要な文書管理に、事務担当の職員が日々誠実に取り組んでいることを思えば、働きやすい職場環境のためにも有効的な文書管理を行うことは重要です。
□防災会議の形骸化が懸念されているのではないかと指摘しました。平成23年に行われた防災会議は、3・11東日本大震災の直後でありながら、30名近くの委員が質問も意見も「特になし」で30分で終了しています。傍聴席で驚愕しました(平野議員と戸田が傍聴)。唯一積極的に発言されたのは肩書のない(=国交省、警察、町内各種役員の宛職でない)女性委員でした。各種会議、審議会への女性の積極的な登用を求めました。担当課の男女共同参画に関する見識は高く、改善を期待しています。
翌日14日は、建設水道委員会の行政視察に同行、8月14日の洪水を受けて、水路、沈砂池など町内全域を視察。作業着を着て都市整備を担う基礎自治体職員の尊い職務を実感。下水道という地下都市の一端を垣間みて、都市整備を担う土木事業の重さを感じました。残る民消防と建設水道委員会では、人びとの新しい歩み・平野議員が質疑します。
若山台調整池、JR島本駅西地区の土地区画整理事業、保育所の過密状況など、重い課題が山積です。ひきつづき町政に関心を寄せてくださいますよう、お願いします。
画像は、山崎地区にあるエンマ沈砂池、町内でもっとも大きいものです
8月14日は土砂でほぼ満杯になり、洪水後ただちに浚渫工事が行われました
椎尾神社とウイスキー蒸留所の間にあります