犬とくつろぐイエ現場日記 170529

　犬6匹と暮らす「犬とくつろぐイエ」。この日行政の完了検査が行われた。

　

　工事中から確認申請で指摘是正されたことは、施工業者と書類を確認しながら打合せを行ってきた。

　検査は午後から。念には念を入れて午前中に施工業者と事前チェックする。

　抜かりはなかったが、ふと気になることが浮かんできた…。

　もしかしたらの範疇を抜け出ていないのだが、この内容が指摘されるかもしれない…。

　事務所に戻り法規内容を確認する。条文を何度となく読み返す。大丈夫、問題ない。

　午後からの検査は予定時刻より多少早く検査員が到着し始まった。

　

　大丈夫だと分かっていても、気にしていたことが指摘されるか心の中に一抹の不安がよぎる。

　30分程度で終わった検査。指摘事項は無し。例の内容はやはり私の取り越し苦労だった。

　事前に「指摘を受けるかも…」と思っていることは指摘を受けない。全然予想していないことが指摘を受けてあたふた…。建築アルアルである。

　今回も多聞に漏れずそれだった。いよいよ「犬とくつろぐイエ」は明日引渡しを迎える。

　

新しいダイニングバー（仮称）N.Diningの船出がもうすぐです。

　昨年の12月から酒田市の繁華街に設計を進めてきた（仮称）N.Dining計画。

　

　4月に設計を終え、工事業者も内定しクライアントへの融資執行を待つばかりだった。

　融資執行は6月に入ってからかな…と思っていたが、昨日窓口となっている酒田市創業支援センターの担当者から融資執行の連絡を頂いた。

　予定より早く執行が決まって、銀行担当者と上記担当者の実力をまざまざと見せつけられた。ご足労をおかけしました。

　

　そしてクライアントとメールでやり取り。クライアントの文面からも喜びと一安心の感情が垣間見れた。

　これで工事契約の日程も決まり後は工事を進めるばかり。

　今回の施工業者は今まで何度も見積依頼をしてきた会社。しかし実際に仕事をする縁には恵まれなかったが、会社の実力は折り紙付き。

　東京で修行を積んだ若夫婦が、生まれ故郷の酒田に戻り新たな船出をするダイニングバー。私としてもワクワクしながら工事を見守って行きたい。

　

　我々建築家はクライアントの代理人という意識をいつも胸に刻んでいる。

　今回はクライアントが東京にいる。いつも以上にクライアントの立場になって物事をジャッジして行かねばならない。

　（仮称）N.Diningのオープンは今年秋の予定である。乞うご期待。

　

実に面白い二足の草鞋

　今年も既に5月中旬となった。この時期になるとそろそろさくらんぼが恋しくなる季節。

　お世話になっている方には常々山形の名産品を送るのだが、この時期山形といえばやっぱりさくらんぼ。特に県外の方には喜ばれる逸品。

　今年はあるさくらんぼ農園に手配した。山形県鶴岡市にある「さくらん坊やの鈴木さくらんぼ園」。

　

　この鈴木さくらんぼ園の若旦那さんは仕事仲間でもある。さくらんぼ園の方が仕事仲間？と思うかもしれないが、ここの若旦那さんが実に面白い経歴の持ち主。

　夫婦でデザイナーをやっているが、その傍ら奥様の実家であるさくらんぼ園を一緒に経営しているという訳だ。デザイナーとさくらんぼ農家の二足の草鞋。

　

　都会では考えられない組合せ。まあ都会では副業というシステムを承認している企業もそもそも希薄。しかも農家とデザイナーなんて…中々お目にかかれる組合せではないだろう。

　その彼とは、とある仕事でコラボした。中々いいデザインをしてくれる。バタバタした設計期間ではあったが、きちんとミッションを遂行してくれた。いいパートナーである。

　そんな訳で今年のさくらんぼは「さくらん坊やの鈴木さくらんぼ園」に手配。あの味が届くのは6月から。気になる方は今すぐWEBで検索。

　少々彼のさくらんぼ園のPRっぽくなった。がしかし彼の作ったさくらんぼ、デザイン同様に甘酸っぱく止められない癖になる味なのは間違いない…。

　

久々の…

　昨年の暮れからとあるプロジェクトの設計に関わっている。

　ここ数年、住宅や店舗、クリニックなどの木造建築を手掛けてきたが、今回のプロジェクトは鉄骨造のいわゆる箱物。

　

　サラリーマン設計士の頃は、木造よりコンクリート造や鉄骨造の箱物を中心に設計してきた。

　木造と鉄骨造、コンクリート造では設計手法？設計へのアプローチ？が少々勝手が違うところがある。クライアントとどのタイミングでどんな打合せをするかも当然変わってくる。

　ここ9年木造に慣れてしまったせいか、鉄骨造の設計を進めていく上で少し戸惑いながら、昔の記憶を辿りながら設計プロセスを確認している自分がいる。

　しかしそこは昔取った杵柄。ちょっと刺激を与えると10年前の自分が徐々に蘇って来る。

　まだ慣らし運転の感は多少残っているが、木造でも鉄骨造でも同じ建築設計、走り出すとワクワクしてくる。

　このプロジェクト、実は4年越しに待ちに待ったもの。ようやく満を持して動きだした。勿論いい建築にしたい。

　

犬とくつろぐイエ現場日記 170515

　犬６匹と一緒に住む犬とくつろぐイエ。外部足場も解体し全貌が明らかになった。

　

　今までは隣の本堂や門、高木に遮られていたが、白壁と木板の外壁のコントラストが綺麗に浮かび上がっている。

　敷地間口が5.6ｍと狭い敷地に間口は≒4.4ｍで計画した木造３階建てのお寺の庫裡。

　

　また、本敷地は準防火地域に指定されている為、法規制が一般の木造２階建て住宅よりも付加された。

　その為、建築確認申請もいつもの5～6倍の申請期間を要し、着工が1ヶ月遅ることとなった。

　工事中運が良かったのは、冬期間の積雪がさほどでも無かったこと。

　そんな狭い敷地と付加がかかった法規制の中もうすぐ完成を迎える犬とくつろぐイエ。

　完成の日が待ち遠しい時期になった。