徒然なるままに…建築家のボヤキ。。。

I・N設計スタジオ ブログ

燃費半分で暮らす家

2017-01-31 09:04:14 | 建築家と酒田・鶴岡・庄内地方に家を建てる
 先日山形ビッグウィングに足を運んだ。目的は室蘭工業大学の鎌田先生の講演を聴きたかったのである。

 

 高断熱・高気密と言われて久しいが、この言葉の生みの親が鎌田先生。

 今私が住宅に限らず設計で念頭に置いているキーワードがランニングコストの半減と一年中安定した温熱環境。その為には何をどのようにすればいいのかのヒントをもらいに足を運んだのだ。

 講演の前半は断熱等々の基礎知識。講演を聴きにきている方の中には一般の方もいたのでこの辺の基礎知識は勉強になっただろう。

 

 そして後半の燃費半分で暮らす家を実現する為の実践編は、我々建築実務者にとって大変勉強になった。説明する暖房システムや通風の具体的な手法の解説は、現在私が設計で取り入れているもの。

 納得するものが多く、この数年自分が考えていたこと、独学で勉強してきたものに自信が持てた講演会となった。独学で勉強した本の中に鎌田先生の著書も含まれていることは言うまでもない。

 

 講演は時間が押して質問を受け付ける時間が削除されたので、講演終了後に先生にいくつか自分の思っている疑問を質問紙に行った。

 先生にアドバイスを頂き、そのアドバイスをこれからの設計活動にフィードバックさせるのは勿論のこと、更なる発展を図りたいと思う。

 冬期間の山形までの2時間の道のりは自信が確信に変わった道のりであった。

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

犬とくつろぐイエ現場日記 170119

2017-01-26 08:37:32 | 建築家と酒田・鶴岡・庄内地方に家を建てる
 昨年12月に着工した犬とくつろぐイエ。この住宅はあるお寺の庫裡。

 本堂横の小さなスペースに建設するが、今回工事には行政の指導により庫裡を建設する上で本堂の部分改修も付加された。

 庫裡のほうは基礎工事が完了し、木造建て方工事は2月中旬から下旬に予定してある。

 

 この日は本堂の改修作業が大工さんたちの手によって行われていた。庫裡と隣接する部分の外壁、内壁、アルミサッシの防火仕様に変更することが主な改修内容。

 

 既存のサッシが取り外され新規の防火サッシを取り付け、内装の壁は既存壁に石膏ボードを上張し漆喰を塗って行く。外壁の作業は雪が落ち着いてから土壁の補修等々を行う工程だ。

 この日内部の石膏ボード張が一段落し防火サッシの取り付けを行っていた。

 

 寒い中で本堂に参拝に来る檀家の方々、お寺の方々にはご迷惑をおかけします。

 雪を我慢するのももう1ヶ月程度。上棟時には本堂の改修も落ち着いてることを願っている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

心療内科なごみクリニックで何を考えたのか-5

2017-01-24 09:31:06 | 医院・クリニック新築
 工事が始まってからクライアントとの打合せで話題になったのは、クリニック名とロゴマークだった。

 そこで知り合いのデザイナーの協力を得てロゴマークの提案に取り掛かる。

 安心・安全を売るクリニックの医療コンセプト、先生のイメージからイメージキャラクターを熊にする案が第一候補に挙がった。

 熊をモチーフにしたロゴを図案化してみると、ホッとして落ち着く感じで安心・安全を売るという医療コンセプトには合致するのだが、何か今ひとつ決め手に欠けた。

 それは熊が持ってるイメージやキャラクターが小児科的だという意見が多数あったからだ。

 そこから2、3、キャラクターの候補を挙げた中から選ばれたのが「ふくろう」。

 ヨーロッパでは「知恵」「賢者」を表すと言われている。また「不苦労」「福を呼び込む」という意味も有り、ふくろうをモチーフにしてロゴマークのデザイン化を進めていくこととなる。

 さて、クリニック名は当初「やすらぎクリニック」という仮称だったが、「やすらぎ」にかわる安心、落ち着きを表す言葉を私から数案提案した。

 その中から先生が選んだのが「なごみ」というフレーズ。「和む」から取ったフレーズであった。

 なごみクリニックとロゴマークはこうやって決まり図案化したロゴがこれ。

 

 このロゴマークと院名での開院が決定。今も地域に愛される心療内科としてふくろうが笑っている。


 ~終わり~
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

心療内科なごみクリニックで何を考えたのか-4

2017-01-20 08:52:08 | 医院・クリニック新築
 設計時になごみクリニックの先生に何を要望されたか。

 それは精神的に落ち着いた気持ちで患者さんに診察を受けて欲しいという観点から、木を使って落ち着きや温もりあるクリニックとしたいということだった。

 

 その要望とともに他のクリニックと一風変わった差別化を図ったデザインにしたいというファクターを私なりに加味しようと思った。

 なぜなら建設地周辺には他の科目のクリニックが点在するクリニック街。歩ける範囲に片手では納まらない数のクリニック。そのクリニック街で埋もれない様にしたいそんな思いだった。

 患者さんは土足のまま診療を受けるスタイルであるが、待合室の床はフローリングブロックを使用しし、天井にも木ルーバーや木の梁型を表しにした。

 また、心療内科に通っていることを第三者から周知されたくない患者さんが多いと聞く。クリニック内部の様子が外部に漏れないように表通り側の開口部にも木製ルーバーを設置し、クリニック、患者さんのプライバシーにも配慮した。

 

 それとは対象的に通りの逆側には壮大な田園風景と遠くには霊峰月山が存在する。この素晴らしい風景を眺め心を落ち着けてから診察に臨んで欲しい。そんな思いもあって、待合室のピクチャーウィンドウからは壮大な景色が広がる。

 実際に患者さんにもこのピクチャーウィンドウは好評のようである。

 心を診るクリニック。気持ちを安定、落ち着けることが一番の良薬なのかもしれない…と思ったのである。


 ~つづく~
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

心療内科なごみクリニックで何を考えたのか-3

2017-01-18 08:50:23 | 医院・クリニック新築
 心療内科なごみクリニックで配慮した各室の設計上の注意点をあげてみる。

 

 診察室

 心療内科の場合、家族とともに診察を受けることも少なくない。一緒に診察に来た家族の為のイス等を置く広さが求められる。

 また、医師と患者さんは机を介して対面配置の場合が多いが、対面配置は敵対性を助長するとも言われ90度のコーナー配置とすることも多々ある。

 


 処置室

 処置室で行う作業は採血や血圧を測る、点滴を取る程度なのでそんなに広いスペースは不要である。

 
 相談室(面談室)

 初心の患者さんの問診や臨床心理士等によるカウンセリングを行う。特別な医療器材は必要ないのでなごみクリニックでは6帖の広さに設定した。


 院内薬局

 最近は院外薬局とするケースが多いが、心療内科で扱う精神薬は高価なものが多く、小さな調剤薬局では扱っていないこともあるためやむなく院内薬局とするところもある。

 また、精神薬を薬局で購入するするのを嫌がる患者さんもいるので患者さんのサービスという観点から院内薬局とするクリニックも少なくない。もちろん薬の保管庫の施錠と院内薬局自体の施錠は当然忘れてはならない。


 前回にも述べた通り、これらの部屋は出入口を複数設け医師・スタッフの避難経路を確保することが大事。

 なごみクリニックでは、院長室、スタッフ休憩室は中二階の設定とし、その下部をカルテ庫や収納庫、洗濯機置場として活用した。


 ~つづく~
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする