徒然なるままに…建築家のボヤキ。。。

I・N設計スタジオ ブログ

ボルダリングのあるイエ物語-6

2024-03-19 08:15:31 | 建築家との家づくりの流れ
 ライフプランナーからのお墨付きをもらったボルダリングのあるイエ。

 

 設計作業は実施設計に入り、詳細の詰めを行っていく。

 照明器具の選定、ショールームに行ってのシステムキッチン等の住宅設備機器の設定、スイッチ・コンセントの位置、造作家具の仕様等々。

 いつも中々1回で決まらないのが、システムキッチン、浴室、洗面化粧台、トイレの住宅設備機器。

 特にシステムキッチンは奥様の意見がかなり反映されるので、予算とグレードの狭間で凌ぎ合いが繰り広げられるのだ。

 今回も1回では決まらず、2~3回と足を運び仕様決めに頭を悩ませた…。

 隔週で打合せを行い、実施設計は2か月を要し設計図の完成。

 オファーを貰って立案から約6か月を要して、ようやくここまでたどり着いた。

 最終的な施工業者の見積を取る前に、仕上がった設計図を建て主夫婦に説明し了解を得て見積依頼。

 そこから1か月後、見積書が提出された。

 コロナ禍の折、ウッドショックという言葉が世の中に氾濫し建設コストが高騰していた中での見積書提示。

 建て主には世の中の状況を説明はしていたが、提出された見積書は概算時より1割ほどコストダウン。

 まずまずの表情で見積書を見せる私と施工業者の担当。

 勿論、建て主の回答はOK。コストアップも予想していた中で、施工業者が頑張って提示してくれたおかげである。

 工事にゴーサインがともされ、工事契約の日取りと大安吉日に地鎮祭をスケジュール表に書き入れた…。

 ~終わり~

 工事の状況は以前このブログで書き綴った通りです。地鎮祭の様子は下記よりご参考にして下さい。
 https://blog.goo.ne.jp/in-archi-studio/e/03124ceeaa1a0a9847b0d3740ae6e420
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ボルダリングのあるイエ物語-5

2024-03-13 08:24:37 | 建築家との家づくりの流れ
 基本設計が進み工事概算を算出することにした、ボルダリングのあるイエ。

 数週間後、工事予定業者から概算見積書が提出され内容を確認する。

 
 
 建て主の予算のギリギリストライク、とはいかずボール気味…。

 建て主も少し判断に迷った様子。

 そこで、以前受けたライフプランナーに資金計画の再相談を提案した。

 後日、ライフプランナー、建て主夫婦、そして私と4人で提出された概算見積書の金額を基に協議する。

 ライフプランナーの方は難しそうな顔で、ライフプランのデータとにらめっこ。

 そして口を開いた。「問題ないですね。まだ余裕があると思います。」

 その言葉に自然と笑顔がほころぶ建て主夫婦。

 私としてもライフプランナーからNGが出ると、設計内容を大幅に再検討しなくてはならないところであった。

 私も胸をなでおろした…。

 ライフプランナーのお墨付きをもらい、このままの設計案で詳細設計を詰めていくことを建て主と確認した。

 これからは実施設計に入り、各部の詳細を詰めていくことになる。

 ~つづく~
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ボルダリングのあるイエ物語-4

2024-03-06 08:01:17 | 建築家との家づくりの流れ
 いよいよ図面、3D、模型の三種の神器を携えて意気揚々とファーストプレゼンに臨んだ。

 ヒアリングや要望書を基に設計コンセプトを説明し、3Dや模型で補足説明を行っていく。

 

 神妙に聞き入る建て主夫婦。

 計画案の説明を終え、おおよその工事費、設計料を口頭で提示。

 工事費、設計料も概ねOKの返事をもらい、今回案をベースに設計を進めていく方針を確認した。

 当初思っていたものより一回り広く、ボルダリングウォールのあるLDKに満足してくれた様子。

 ファーストプレゼンは上手くいった。建て主も私も満足したプレゼンだった。

 後日、設計契約を交わし本格的な設計打合せに入ると、まずは間取りの再確認と修正点を協議。

 ファーストプレゼンの提案から、全体面積を増やすことなく許容範囲での調整作業を行う。

 打合せをしては修正を繰り返し協議を重ねる。

 そんなやり取りを繰り返すこと数週間。

 配置、平面(間取り)、立面、断面、概略仕上が決まった。

 今回、工事を行う業者は施主指定業者の為、すぐに施工業者の担当者に連絡し工事費の概算算出依頼をお願いする。

 建て主には概算提示まで数週間時間をもらうことにしている。

 建て主の予算内で行けるのか否か、このまま設計を進めていいか、一度このタイミングで工事費を検証。 

 このまま設計を進めていっても、予算とかけ離れていては話にならない。

 このタイミングで一度検証しなくてはならない、避けては通れない道である。

 ~つづく~
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ボルダリングのあるイエ物語-3

2024-02-28 08:03:58 | 建築家との家づくりの流れ
 かくして、ご主人が呟いた一言でコンセプトが決まったボルダリングのあるイエ。

 その一言を言わせるためにヒアリングをしていると言っても過言ではない。

 

 この一言を胸に刻み立案作業。ファーストプレゼンに向かってペンと共に頭を巡らせる。

 建て主夫婦の要望書を何度も読み返し、ボルダリングホールドを設置できるような壁をどこに配置するか…。

 そして頭の中で構想がまとまった段階でパソコンに向かった。

 私は最初からパソコンには向かわない。

 構想を練る時はペンとトレーシングペーパーと対峙するアナログでの志向。

 昔の人間と言われそうだが、ずっとこの方法でやってきているし、その方が性に合っているようだ。

 CADで図面を描き始めて約一週間。図面を3D化しデザイン検証。微調整しては3Dでチェック。

 3Dの中で納得すると次は模型製作に移行する。

 昔は自分で作製していた模型も、老眼が進んだ今現在は細かい作業の精度がイマイチ。

 ということで、ここ数年は模型製作はアルバイトや助っ人にお願いしている。

 さて、図面、3D、模型とファーストプレゼンに向けた三種の神器がそろった。

 いよいよプレゼンに臨む。

 ~つづく~
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ボルダリングのあるイエ物語-2

2024-02-22 08:17:14 | 建築家との家づくりの流れ
 資金計画の目途が立った若夫婦は安どの表情を浮かべ、再度家づくりの相談を進めていった。
 
 先ずは土地の購入。子育て世代の若夫婦が希望している場所、土地購入の予算等をヒアリング。

 

 不動産屋さんに当たることはもとより、不動産情報誌や金融機関からの情報入手についてもアドバイス。

 今気になってる土地の件も相談に乗る。

 一通りの相談に回答しその日は事務所を後にした若夫婦。

 それから連絡があったのは、3~4か月たった日だった。土地を決めたので設計に入りたいと。

 購入した土地は、以前会ったときに気になると言っていた土地だった。

 最初に会ったときにヒアリングした内容のおさらいと再ヒアリングが始まった。

 どんな家にしたいか、新しい家でどんな暮らし方をしたいか。

 色んな会話の中からキーワードを見つける作業。

 雑談の中から見つけることが多いキーワードだが、今回も雑談の中からだった。

 若夫婦が出会ったきっかけはスポーツだった。

 二人は体を動かすことが好きで、学生時代も運動部に所属し切磋琢磨していた。

 そんな若夫婦から「気軽に運動できて遊べる家がいいな」と言葉をもらった。

 気軽に遊べる…運動…そんな中からご主人が「ブランコがあったり、よじ登れる壁があるとか…」

 ポツリと呟いたご主人の一言。

 「ボルダリングウォール作りましょうか!」

 私が咄嗟に発した言葉がこれ。

 若夫婦も同調し、でこの家のコンセプトがが決まった。

 ボルダリングのあるイエがここから産声を上げたのであった。

 ~つづく~
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