徒然なるままに…建築家のボヤキ。。。

I・N設計スタジオ ブログ

小さな隠れ家パン屋さん開業計画-3

2016-07-28 08:40:34 | こだわりの趣味の部屋を作る
 何をモチーフにするか明確な答えもないまま手を動かし始めた。

 頭だけで考えてもいいアイディアは浮かばない。いいアイディアが欲しいときは、トレーシングペーパーに向かい手を動かしグチャグチャとスケッチを描くに限る。

 色んな建築家がいるが、私の場合、手を動かしながら考えると結構いいアイディアが浮かぶのだ。それに期待しながら、私の右手はラフスケッチを重ねて行く。

 

 オーソドックスなプランが出来上がった。がしかしオーソドックスと表現するだけに面白いものではない。

 このオーソドックスな案を基に派生した案を考える。

 凸凹を作ってみたり、単純な形に整えたり…。こうしたら面白くなるんじゃないか、こっちの方がいい案になりそうではないか…。

 改良案を試行錯誤、手を動かしながらあることに気付く。

 パン屋さんなんだから、パンからヒントを得られないだろうか…。パンをモチーフにした案は創れないものだろうか。

 よしっ、パンだ。なんとなく明かりが見えてきた瞬間だった。


 ~つづく~

 
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小さな隠れ家パン屋さん開業計画-2

2016-07-26 08:45:59 | こだわりの趣味の部屋を作る
 小さくて、「パン屋さん」という機能が決まってる上に、計画地は住宅街の分かりづらい場所。

 

 必要諸室としては売場と厨房でほぼ100%を占める。そこに他の機能を上乗せするほど、独立起業する身の人間に余裕が有るはずがない。それは自分も身をもって知っている。

 10坪程度のパン屋さん。建築的な売りを何に求めるべきか…、それがテーマだった。

 建築的には必然的に「形」にこだわる選択しかなかった。

 

 しかし、その形も意味のないものはつまらない。流行り廃りだけのデコレーションだけではすぐに飽きられてしまう。説得力があるロジカルな根拠が欲しかった。

 その根拠となるモチーフが思いつかない日々が続いた…。


 ~つづく~
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小さな隠れ家パン屋さん開業計画-1

2016-07-22 08:37:21 | 建築家と酒田・鶴岡・庄内地方に家を建てる
 これは契約まで至らなかった2、3年前に提案したボツ案のお話。

 クライアントは当事務所のホームページを閲覧して、メールを頂いたのがきっかけと記憶している。東京のパン屋さんで修行してきて、地元に小さなパン屋さんをオープンしたいと言う。敷地は実家の隣地。

 まずは会ってヒアリング。クライアントの環境、今までの人生、独立する心構え、お店に対するこだわり等々をヒアリングした。

 独立起業ということで、私も経験者としても色んなアドバイスをさせてもらったことを記憶している。

 

 さて、契約に至るかどうかは別問題としてお店の提案をする運びとなった。提案内容を気に入ってもらって、契約してもらうために渾身の一案を創造しなければならない。

 その日から数週間パン屋さんを回ることと、パン屋さんの本を読み漁ることになる。

 クライアント一人で切り盛りするベーカリー。面積は小さくていい、10坪もあれば充分と言う。

 小さくて、機能が決まってる建物はどんなコンセプトで組み立てて設計するか難しいものである。敷地も住宅街の中の分かりづらい場所でなおさらだ。

 頭を悩ませることになるのだった…。

 
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間取りじゃなく、新築後の暮らし方を考えよう。

2016-07-20 08:33:26 | こだわりの趣味の部屋を作る
 私はクライアントにいつもこんなことを言います。家を新築した後の暮らし方を考えて下さいと。

 週末の新聞折込チラシには、住宅メーカーや地元工務店のチラシがたくさん織り込まれている。そのほとんどが平面図、つまり間取りをたくさん掲載している。

 それら間取りを見て、こんな家良いなあとか、こんな家に住みたいとか想像を膨らませる方々も多いだろう。

 

 しかし、私は冒頭で書いたように、新築した後の暮らし方を想像して欲しいと思ってる。間取りよりも大事なものは暮らし方だ。

 ペットを飼っているのでそのペットと楽しく暮らしたい。車が好きなのでインナーガレージで、リビングから愛車をいつも眺めていたい。家族でバーベキューができる中庭が欲しい。リビングで寛ぎながら壮大な景色を眺めたい。

 私が欲しいのはこんな言葉なのである。理想の暮らし方があって、間取りが出来上がっていく。

 チラシ片手に「こんな間取りにして下さい。」と言ってくるクライアントにはなぜその間取りにしたいのかと逆質問。チラシと同じような間取りでよければ、その間取りの建売住宅を購入すればいい。

 暮らし方のイメージがあってこその間取り、空間構成。家を新築するって、暮らし方をデザインすることでもあるのです。

 
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ASJ庄内スタジオの建築家展にご来場ありがとうございました。

2016-07-14 08:30:38 | 建築家と酒田・鶴岡・庄内地方に家を建てる
 7月9日、10日に開催されたASJ庄内スタジオ主催の「第23回建築家展」。おかげさまで多くの方々にご来場頂きありがとうございました。

 

 ASJ庄内スタジオのイベントに参加させていただくのは約1年半ぶりでしたが、私が今まで参加させて頂いたイベントの中で、今回ほど来場者の方々の本気度が伝わってきたは初めてのような気がします。

 

 参加された他の建築家も、庄内エリアの方々の本気度に感心しきりで、会場の熱気に時間が経つのも早く感じられました。

 建築家って、意外に身近な存在です。こんなイベントを機会に建築家の敷居を低くしたいものです。ご来場下さった方々と良いご縁ができることを祈っております。

 はじまりは建築家との出会いから…。

 

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