徒然なるままに…建築家のボヤキ。。。

I・N設計スタジオ ブログ

ボルダリングのあるイエ物語-5

2022-11-30 08:22:16 | 建築家と酒田・鶴岡・庄内地方に家を建てる
 基本設計が進み工事概算を算出することにした、ボルダリングのあるイエ。

 数週間後、工事予定業者から概算見積書が提出され内容を確認する。

 
 
 建て主の予算のギリギリストライク、もしくはボール気味…。

 建て主も少し判断に迷った様子…。

 そこで、以前受けたライフプランナーに資金計画の再相談を提案した。

 後日、ライフプランナー、建て主夫婦、そして私と3者で提出された概算見積書の金額を基に協議する。

 ライフプランナーの方は難しそうな顔で、ライフプランのデータとにらめっこ。

 そして口を開いた。「問題ないですね。まだ余裕があると思います。」

 その言葉に自然と笑顔がほころぶ建て主夫婦。

 ライフプランナーのお墨付きをもらい、このままの設計案で詳細設計を詰めていくことを建て主と確認した。

 これからは実施設計に入り、各部の詳細を詰めていくことになる。

 ~つづく~
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ボルダリングのあるイエ物語-4

2022-11-22 08:36:42 | 建築家と酒田・鶴岡・庄内地方に家を建てる
 いよいよ図面、3D、模型の三種の神器を携えてとファーストプレゼンに臨んだ。

 ヒアリングや要望書を基に設計コンセプトを説明し、3Dや模型で補足説明を行っていく。

 

 神妙に聞き入る建て主夫婦。

 計画案の説明を終え、おおよその工事費を口頭で提示。

 工事費も概ねOKの返事をもらい、今回案をベースに設計を進めていく考えを確認した。

 当初思っていたものより一回り広く、ボルダリングウォールのあるLDKに満足してくれた様子。

 設計契約を交わし本格的な設計打合せに入ると、まずは間取りの再確認と修正点を協議。

 全体面積を増やすことなく、許容範囲での調整作業を行う。

 打合せをしては修正を繰り返し協議を重ねる。

 そんなやり取りを繰り返すこと数週間。そして基本設計の完了である。

 今回工事を行う業者は施主指定業者の為、すぐに施工業者の担当者に連絡し概算を算出依頼をお願いした。

 概算提示まで数週間時間をもらった。

 建て主の予算内で行けるのか否か、このまま設計を進めていいか、一度このタイミングで工事費を検証する。 

 このまま設計を進めていっても、予算とかけ離れていては話にならない。

 このタイミングで一度検証しなくてはならない、避けては通れない道である。

 ~つづく~
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ボルダリングのあるイエ物語-3

2022-11-17 08:05:49 | 建築家と酒田・鶴岡・庄内地方に家を建てる
 かくして、ご主人が呟いた一言でコンセプトが決まったボルダリングのあるイエ。

 その一言を言わせるためにヒアリングをしていると言っても過言ではない。

 

 この一言を胸に刻み、ファーストプレゼンに向かってペンと共に頭を巡らせる。

 建て主夫婦の要望書を何度も読み返し、ボルダリングホールドを設置できるような壁をどこに配置するか…。

 そして頭の中で構想がまとまった段階でパソコンに向かった。

 私は最初からパソコンには向かわない。

 構想を練る時はペンとトレーシングペーパーと対峙するアナログでの志向。

 昔の人間といわれそうだが、ずっとこの方法でやってきているし、その方が性に合っているようだ。

 CADで図面を描き始めて約一週間。図面を3D化しデザイン検証。微調整しては3Dでチェック。

 3Dの中で納得すると次は模型製作に移行する。

 昔は自分で作製していた模型も、老眼が進んだ今現在は細かい作業の精度がイマイチ。

 ということで、ここ数年は模型製作はアルバイトや助っ人にお願いしている。

 さて、図面、3D、模型とファーストプレゼンに向けた三種の神器がそろった。

 いよいよプレゼンに臨む。

 ~つづく~
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ボルダリングのあるイエ物語-2

2022-11-08 08:03:05 | 建築家と酒田・鶴岡・庄内地方に家を建てる
 資金計画の目途が立った若夫婦は安どの表情を浮かべ、再度家づくりの相談を進めていった。
 
 先ずは土地の購入。子育て世代の若夫婦が希望している場所、土地購入の予算等をヒアリング。

 

 不動産屋さんに当たることはもとより、不動産情報誌や金融機関からの情報入手についてもアドバイス。

 今気になってる土地の件も相談に乗る。

 一通りの相談に回答しその日は事務所を後にした若夫婦。

 それから連絡があったのは、3~4か月たった日だった。土地を決めたので設計に入りたいと。

 購入した土地は、以前会ったときに気になると言っていた土地だった。

 最初に会ったときにヒアリングした内容のおさらいと再ヒアリングが始まった。

 どんな家にしたいか、新しい家でどんな暮らし方をしたいか。

 色んな話の中からキーワードを見つける作業。

 雑談の中から見つけることが多いキーワードだが、今回も雑談の中からだった。

 若夫婦が出会ったきっかけはスポーツだった。

 二人は体を動かすことが好きで、学生時代も運動部に所属し切磋琢磨していた。

 そんな若夫婦から「気軽に運動できて遊べる家がいいな」と言葉をもらった。

 気軽に遊べる…運動…そんな中からご主人が「ボルダリングができる壁があるとか、ブランコがあったり…」

 ポツリと呟いたご主人の一言でこの家のコンセプトがが決まった。

 ボルダリングのあるイエがここから産声を上げたのであった。

 ~つづく~
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ボルダリングのあるイエ物語-1

2022-11-04 10:35:35 | 建築家と酒田・鶴岡・庄内地方に家を建てる
 今年6月に完成引き渡しを終えたボルダリングのあるイエ。

 建て主のご主人は10数年前からの知り合い。ご主人のご両親と私は同世代で高校の先輩後輩という間柄。

 家づくりの相談に私を頼ってきたのは必然の流れだった。

 

 最初に会ってヒアリングを行い、若夫婦の住宅に対するかかる費用や資金計画の理解度が少し低かったと感じた。

 ご主人の職業を考えればもっと借りられるし返せると思った私は、先ずライフプランニングを行うことをお勧めした。

 人生に一度の家づくり。資金計画は大事な要素だし、避けては通れない道。

 すぐさま知り合いのライフプランナーに連絡を取った。

 ライフプラングって何?から始まった第1回目。2回目から徐々に本丸に進んでいく。

 今現在の家計簿を見える化し、これからの家族構成を想定しながら40~50年先までの人生の収支計算をしていく作業。

 もちろんその中には、家づくりの資金計画も含めて収支計算をしていく訳である。

 3回に渉るライフプランニングから、この家族の家づくりの資金計画を含めた人生設計ができた。

 住宅資金がクリアになった上で、どんな家を建てたいか、規模やこだわる部分等を改めてヒアリングを行っていった。

 ~つづく~
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